エバンス、波乱極まるサファリを制覇。勝田は最終ステージで横転も5位完走【第3戦最終日レポート】※追記アリ

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2025年03月23日 21:10  AUTOSPORT web

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エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2025年WRC第3戦サファリ・ラリー・ケニア
 3月23日(日)、アフリカ・ケニアにて2025年WRC世界ラリー選手権の第3戦『サファリ・ラリー・ケニア』のデイ4が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合優勝を飾った。日本人ラリードライバーの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合5位入賞で第3戦を終えている。

 また、日曜のみの総合順位でポイントを競う“スーパーサンデー”ではヒョンデ・シェル・モービスWRTのアドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア組(ヒョンデi20 Nラリー1)が最速となった。


■前年勝者がまさかの戦線離脱

 20日に開幕したサファリ・ラリー・ケニアも、3日間の戦いを経てついに最終日を迎えた。優勝者の決まるデイ4はSS17〜21の5本で争われ、ステージの総距離は65.99kmとなる。

 前日は激しい雨に見舞われたが、この日の天気は晴れ。最初のSS17は、現地時間6時42分より気温17度のなかスタートが切られた。

 タイヤチョイスはヒョンデ勢がソフトのみ、トヨタとMスポーツはソフトとハードのミックスを選択した。先頭走者は、この日のために土曜の出走をキャンセルしていたアドリアン・フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1)だ。

 デイ1のSS2と同じ区間を使用して行われたSS17は、上り始めた陽光がクルーらを照らすなか、湿った路面のグリップレベルが不安定となる難しいコンディションに。その結果、表彰台圏内浮上を目指す勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)がハーフスピンを喫する場面も見られた。

 こうしたSS17では、ソフトのみのタイヤチョイスで臨んだヒョンデ勢が好タイムを連発。まずはオィット・タナックとティエリー・ヌービル(ともにヒョンデi20 Nラリー1)がワン・ツーのタイムをマークした。

 そして続くSS18では、スタート前に総合5番手のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトラブル対応に追われる事態となる。ロードセクションで起きた電気系トラブルの回復に努めたロバンペラだが、惜しくもスタートラインに並ぶことは叶わず。2023年大会のウイナーが、ステージ4本を残して戦列を去ることになってしまった。

 こうしたなかで始まったSS18は、タイトながらも中速のコーナーが続くレイアウト。ヒョンデ勢に合ったコースかと思われるなか、勝田がジャンクションでオーバーランしながらもトップタイムをもぎ取る熱い走りを披露。ヌービルがリードするスーパーサンデー対決に割り込む。

 そして舞台は午前最後のSS19へ。ここはパワーステージと同じ区間となり、時間帯的に日差しの眩しさも落ち着いてきた。そんななか、先頭のフルモーがリズムを取り戻し始めた様子でトップタイムをマーク。今大会初のステージウインを飾った。

 午前終了時点での暫定トップは、2分近いリードをコントロールしながらステージをこなしているエバンスがキープ。1分38秒後方にタナック、その2分30秒後方にヌービルとヒョンデの2台が続く。スーパーサンデーではヌービル、フルモー、勝田のトップ3だ。


■勝田がふたたび最速。スーパーサンデー対決で奮闘

 早めのミッドデイサービスを経て迎えたループステージは、勝田がステージウインを飾ったSS18の再走となる。午後のタイヤチョイスもヒョンデ勢はソフトのみ、エバンスと勝田はハードのミックスを選択。Mスポーツは陣営内でソフトのみとミックスとで選択を分けた。

 SS20は、気温も25度に上がったなかでのスタート。全体的にツイスティで所々にフェシュフェシュ(堆積した粉末状の砂)も残るサファリらしいステージでは、ふたたび勝田とフルモーのタイムバトルとなり、0.6秒差で勝田がステージウインを飾った。

 そして迎えた最終パワーステージ。SS19の再走となるこの区間は、上位5台にボーナスポイントが付与される重要な一本だ。まずはフルモーのアタックが始まる。

 各所にフェシュフェシュが残り、鋭い岩も多く転がるなかで各車は全開のスパートを敢行した。ここで勝田は、コース前半の高速域にて途端にリヤのコントロールを失い、フロントガラスにひびが入るほどの横転を喫することに。素早く脱出した勝田は、コドライバーのジョンストンとともに何とかマシンを起こして再走し、ロスを約4分にとどめてフィニッシュラインを切った。

 勝田にケガはない様子だが、公式インタビューに「何が起こったのかわかりません。チームには本当に申し訳ないし、それ以外の言葉はありません」と答え、肩を落としていた。

 エバンスのアタックを残す段階では、フルモーが暫定トップタイムをマーク。そして最後にアタックへ向かう首位エバンスの持つリードは1分20秒だ。パンクがあれば一気にポジションを失ってしまうため、緊張感が漂うなかでの走行となったが、6番手タイムで無事に完走。デイ1から多くのマシンにトラブルが起きた第3戦をほぼノートラブルで走り抜き、『ラリー・スウェーデン』から続く連勝を飾った。

 そして1分9秒9差の2位にはタナック、首位と3分32秒差の3位にはヌービルがつける表彰台となった。またスーパーサンデーとパワーステージではともにフルモーが最速となり、デイリタイアからの復帰ながらも合計10ポイントを手にしている。

 そして勝田は、デイ2にはタイヤトラブルを理由に13番手までポジションを下げたなか、ステージタイムを右肩上がりに伸ばしながら順位を回復。最終ステージでは横転するシーンもあったものの、計4本のステージウインをあげる活躍を見せて総合5位で完走した。

 2025年WRCの次戦は、スペインのカナリア諸島が舞台となる『ラリー・イスラス・カナリアス』。ERCヨーロッパ・ラリー選手権から昇格したイベントであり、滑らかで曲がりくねったターマック(舗装路)が特徴となる第4戦は、4月24日(木)から27日(日)にかけて開催される予定だ。


※追記:パワーステージ終了後、横転を喫していた勝田はタイムコントロールで技術的な問題を理由にリタイアを選択。その結果、ノーポイントで第3戦を終えることとなり、総合5位以降の順位が繰り上がっている。

[オートスポーツweb 2025年03月23日]

このニュースに関するつぶやき

  • 今回はハンコックの技術の無さが露呈しまくり、パンクの運が順位を決めるという非常につまらないレースとなった。勝田は相変わらず狙うとやらかす。前線はたまたま最後まで残ったわけ。
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