【角田裕毅F1第2戦分析】ライバルを意識しすぎた戦略で、追い抜きも困難に「1ストップも不可能ではなかった」

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2025年03月24日 07:00  AUTOSPORT web

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2025年F1第2戦中国GP 角田裕毅(レーシングブルズ)、エステバン・オコン(ハース)、ニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)
「望んだ結果ではない。非常に残念です」

 2025年F1第2戦中国GPのレースを9番手からスタートし、1周目にチームメイトのアイザック・ハジャーを抜いて8番手に上がりながら、最終的にポイント圏外でチェッカーフラッグを受けた角田裕毅(レーシングブルズ)は、ミックスゾーンにやってくると、そう悔しがった。

 なぜ角田は中国GPでも入賞を逃したのか。それはチームが採った戦略が大きく外れてしまったからだった。

 8番手に上がった角田は1回目のピットストップでアンダーカットに成功して、スタート直後に前を走っていたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)を逆転した。つまり、事実上の7番手を走行していた。

 レース中盤、角田の後ろを走行していたのはエステバン・オコン(ハース)だった。オコンが1.3秒まで迫ってきたところで、2回目のピットインのタイミングが迫ってきた。

 ここでレーシングブルズは角田に2回目のピットインの指示を出す。オコンにアンダーカットを許さないためだ。

 ところが、路面状況がレース中盤あたりから回復し、多くのドライバーとチームが2ストップから1ストップに戦略を切り替え始めていた。15番手でコースに復帰した角田の前では、1ストップ作戦に切り替えたドライバーたちがペースを落とさずに走行していたため、角田はオーバーテイクが難しくなり、ポイント圏外の走行を強いられた。

「(1ストップのことは)レースの途中で話し合っていました。おそらくチームはハースのことを意識しすぎたんだと思います。C2(ハード)タイヤが思っていたよりもレースで持ったことには少し驚きましたが、1ストップも不可能ではなかったです。いま振り返れば、ハースに抜かれてもいいから、(1ストップのまま)8位か9位に狙いを切り替えるべきだったのかと思います」(角田)

 それでも、逆転を諦めずに走り続けていた角田の望みをマシントラブルが打ち砕いた。カルロス・サインツ(ウイリアムズ)を追っていた45周目のホームストレートで突如フロントウイングのフラップが破損。緊急ピットインした角田は、最後尾まで後退し、完走中最下位となる19位でチェッカーを受けた。

 しかし、角田にとって悲劇はそれだけではなかった。レース後、フェラーリの2台とピエール・ガスリー(アルピーヌ)が車検の結果、失格となった。もし、角田が言うようにオコンに抜かれて8位、またはアントネッリにも抜かれて9位だったとしても、繰り上がりで6位か7位となっていたはず。逃した魚は大きかった。

 6番手を走行して無得点終わったオーストラリアGPに続いて、またも6位になる可能性を逃した角田がこの2戦で失ったポイントは16点以上。さすがの角田も今回のチームの失態には大きく肩を落としていた。

「日本GPまで1週間あるし、鈴鹿で走るのはいつも楽しみにしているので、自然とモチベーションは上がります。ただ今回は残念な気持ちが大きいので、ゆっくり休んで臨みたいと思います。そして、日本に帰ったら、とりあえず、おいしい日本食を食べて鬱憤を晴らしたいです」

[オートスポーツweb 2025年03月24日]

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