エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2025年WRC第3戦サファリ・ラリー・ケニア 3月20日(木)から23日(日)まで、アフリカのケニアで開催された2025年WRC世界ラリー選手権の第3戦『サファリ・ラリー・ケニア』は、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合優勝を飾った。
そして、チームメイトの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組とカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組は最終日に技術的な問題によりリタイア、兄弟チームのTGR-WRT2から走ったサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組は総合4位入賞を果たした。
険しいグラベル(未舗装路)を舞台に行われた今回のラリーでは、最高峰クラスのほぼ全車にトラブルが起きたなか、TGR-WRTのトヨタGRヤリス・ラリー1は堅牢な耐久性を発揮し、さらに大雨のなかでの速さも武器に大会をリード。2位、3位となったヒョンデ・シェル・モービスWRTとの戦いを制して、エバンス組が見事優勝を掴んだ。
そして、この大会はTGR-WRTの100戦目となる記念のイベントでもあり、チームにとっては『サファリ・ラリー・ケニア』の5連覇がかかった大会であったなか、現役時代にはこのラリーを制した経験もあるユハ・カンクネン代表代行とともにチームはその仕事をやり遂げて見せた。
この活躍に際し、TGR-WRTの豊田章男会長がコメントを発表している。WRCサファリ・ラリー・ケニア後のコメント全文は以下のとおりだ。
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■豊田章男(TGR-WRT会長)
エルフィン、スコット、優勝おめでとう! ふたりが、今シーズンの3連勝とサファリ・ラリー5連覇を実現してくれました。そして、今回のラリーでチーム代表を代行したユハをポディウムに連れていってくれました。昔からのラリーファンであるモリゾウは、せっかくならユハにはサファリ・ラリーのポディウムに立ってもらいたいと考えていました。それを実現してくれたふたりに感謝します。エルフィン、スコット勝ってくれてありがとう。
今回、エルフィンたちのおかげで勝つことはできましたが、ケニアは例年と変わらず本当に厳しい道でした。簡単に勝てた訳ではありません。我々は、サファリでの4年の経験を生かして万全の準備をしてケニアに臨みました。しかし今年もまたサファリでは新たな課題にぶつかりました。最終日、最終SSまでさまざまなことがありました。エルフィンたちにはもっと楽に勝たせてあげたかった。カッレたちには最後まで走らせてあげたかった。貴元たちも今回こそはと思っていたし、サミたちにももっと力を発揮させてあげたかった。「もっといいクルマづくりに終わりはない」を改めて実感させてくれるような道に出会うと、我々はワクワクしてきます。
チームのみんなは明日からまたGRヤリス・ラリー1を、もっと乗りやすくて、もっと強いクルマに改善していってくれるでしょう。そして、その改善はラリーカーに留まらず、世界中を走るあらゆるトヨタ車に繋がっていきます。ケニアの道は自動車メーカーがラリーに出る意義を再確認させてくれました。チームのみんな、明日からまたもっといいクルマづくりを頑張っていきましょう! そして、ライバルたちとの戦いを楽しみましょう!
[オートスポーツweb 2025年03月24日]