インタビューに答える住友生命保険の高田幸徳社長=4日、東京都中央区 住友生命保険の高田幸徳社長は25日までに時事通信のインタビューに応じ、契約者が運動などをして健康増進に取り組むと利回りが上がる保険商品を2025年度中に発売する方針を明らかにした。主力の健康増進型保険「バイタリティ」の仕組みを活用する考えで、高田氏は「資産形成に役立つ商品の提供でさらにバイタリティの価値が上がる」と強調した。
バイタリティは、契約者が運動をしたり、がん検診を受けたりしてポイントをためると会員ステータスが上がり、それに応じて保険料の割り引きや提携先企業の特典を受けられる仕組み。現在は医療保険などの保障性商品で導入している。
これを積立保険などの貯蓄性商品にも広げる考えで、ステータスに応じて利回りを上げる仕組みを想定する。生保各社は市場金利の上昇を受けて貯蓄性商品の販売を強化しており、高田氏は「貯蓄から投資への意識が高まってきた」と需要取り込みに意欲を示した。
また、今後は「デジタル起点でいろいろな価値を創出していくことが必要になる」と指摘。各部門が別々に管理する顧客データなどをサービス開発に生かすため、25年度に社長を本部長とする部門横断組織を設け、6年間でIT分野に3000億円程度の投資を行う考えを示した。