
国内には美しい菜の花の風景を楽しめる名所が点在していますが、その中から長崎県にある白木峰高原の風景をご紹介します。美しい菜の花畑の先に海と山、さらに桜の花を一度に望めるという、他では見られない絶景を味わうことができますよ。

10万本の菜の花畑が広がる白木峰高原

白木峰高原(しらきみねこうげん)は、長崎県の諫早市にある景勝地。佐賀県と長崎県にまたがる標高1000メートル前後の山々が連なる多良山系の1つ、五家原岳(ごかはらだけ)の中腹にあります。
白木峰高原の標高はおよそ350メートル。山の傾斜を生かした高原では、秋にコスモス、春に菜の花と、季節に応じて広大な花畑が広がります。春の菜の花はおよそ10万本が咲き誇るとのこと。一面黄色に染まる花畑は、どこから見ても絵になりますね。
諫早湾と雲仙の山々をバックに菜の花畑を見下ろす

白木峰高原は南東方向に開けており、上から眺めると菜の花畑の先に諫早湾が広がります。菜の花畑と海の組み合わせを楽しめる名所は国内にいくつかありますが、菜の花畑を見下ろすような形で海と一緒に見渡せるロケーションは比較的珍しいといえるでしょう。
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諫早湾の先に見える陸地は島原半島。島原半島の中央には長崎県の最高峰、標高1483メートルの普賢岳を中心とした雲仙の山々がありますが、天候に恵まれると白木峰高原からも雲仙の山々を望むことができます。

雲仙の山々が見えたときは、諫早湾と菜の花畑がきれいに見えるアングルを探してみてください。
菜の花畑の中にある桜が咲くと最強の絶景に!

白木峰高原の菜の花畑の中には背の高い桜の木があります。菜の花は例年だと3月中旬には咲き始めて畑を黄色に染め上げていき、その後を追いかける形で桜が例年3月下旬頃に花を咲かせます。

桜が見頃となり、天候に恵まれたときに白木峰高原を訪れると、菜の花畑+海(諫早湾)+山(雲仙)+桜という最強の絶景を目の当たりにすることができます。

桜が満開となる状態はその年の気候や天候にもよりますが、数日程度しかない貴重なタイミング。白木峰高原にあるコスモス花宇宙館のWebサイトでおよそ1週間間隔ではありますが、菜の花と桜の開花情報を公開していますので、訪れるタイミングの参考にしてみてください。
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もし雲仙が見えない状態だったとしても、菜の花畑と桜を一緒に望める場所は豊富にありますので、お気に入りのアングルを探してみるのも楽しいですよ。
菜の花+海+山+桜が織りなす絶景を楽しめる白木峰高原を紹介してきました。アクセスはやや不便なものの、一度見たら忘れられない絶景を楽しめる白木峰高原へ出かけてみてください。
白木峰高原へのアクセス
<鉄道>
・西九州新幹線、長崎線、大村線 諫早駅下車。長崎県営バスが白木峰高原へ向かうバスを運行しているものの、1日2便のみ、かつ平日のみ運行と少ないため、タクシー(諫早駅から約25分)やレンタカーの利用をおすすめします。
<飛行機>
・長崎空港から長崎県営バスに乗車し、諫早駅へ。諫早駅から先は<鉄道>と同じ。
<車>

・長崎道 諫早インターチェンジより、国道207号線を鹿島方面へ。長田交差点を右折後、すぐの交差点を続けて右折して五家原、白木峰方面へ向かう県道184号線に入る。あとは上り坂をひたすら走っていくと右手に白木峰高原の駐車場入口が見えます。駐車場(春・秋の花の時期のみ有料)は周囲に4カ所あります。
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(文:村田 博之(名所・旧跡ガイド))