画像提供:マイナビニュース文藝春秋は、芥川賞作家・砂川文次の原作で同賞候補作にもなった『小隊』(文春文庫)を柏葉比呂樹の鮮烈な作画によってコミカライズした『小隊』を、発売後わずか2日目にして大幅な増刷をすることを決定した。
砂川文次による『小隊』(文春文庫)は、2022年5月の発売時から、日本人が知らない本物の戦場シーンだけでなく、その設定・人物描写・ストーリー展開などのあまりのリアルさが話題となり注目を集めた。
ロシアによるウクライナ侵攻から3年の、2025年・春――。
柏葉比呂樹によって戦車、銃器、軍装備などがより克明に描写され、大胆にコミカライズされたコミック版『小隊』は、物語の舞台である北海道にとどまらず、全国各地の書店から注文が殺到しているという。
■コミック『小隊』の内容紹介
──宣戦布告のないまま新千歳空港をはじめ重要施設をミサイル攻撃した後、ロシア軍は道北と道東の二方面から北海道に上陸してきた。道内への侵攻をうかがう敵軍に対し、陸上自衛隊は釧路に展開する第27戦闘団を中心に防衛壕を整え、迎撃態勢を固めようとしていた。
1カ月後、住民の避難誘導を担当していた3尉の安達小隊長は、中隊指揮所(CP)から呼び出しを受ける。集まった小隊長らを前に、武田中隊長は「明日早朝、ロシア軍がここに到達する可能性がある」と告げる。迫り来る戦車(T-90)、歩兵戦闘車(BMP-2)、装甲車……。いよいよ“ホンモノの戦闘”が始まるのだ──。
※初出:『文春オンライン』(2024年8月〜2025年1月)
■原作・砂川文次のコメント
「はじめ、作画を見たときその密度に驚きました。装甲車両のビスや戦闘服のシワ、草木や銃剣の質感、そういう細部に配された意匠のようなものが全てのコマの中に見られたからです。そしてこの細やかな仕事が積み重なって、重厚で濃密なマンガ版『小隊』の世界を形作っているのだな、と感じました。この没入感を、是非!」
■漫画・柏葉比呂樹のコメント
「実際に取材に行ったんですが、作品の舞台となった釧路町やその周辺はゆるやかな丘陵と畑が続くのどかな場所なんです。ここが戦場になるなんて、想像すらつかない……。でも、一旦平和が崩れると塹壕があちこちに掘られ、国道には迎撃の地雷が埋められるのかと思うと、ぞっとしました。いまも未解決の北方領土問題、そしてロシアの政情をみると、やはり自衛隊の在り方や自国の防衛について、もう一歩進んだ議論が必要な時代になっているのかなと感じています」
■推薦者・小泉悠(東京大学先端科学技術研究センター准教授)のコメント
「読みながらウクライナの戦禍に思いを馳せた。これは私たちが生きる時代を描いた21世紀の漫画だ」
■担当編集者のコメント
「文春オンラインに掲載されていたのですが、連載マンガのなかでも一、二を争う人気でした。特に“現役”ないし“元”自衛官の方からの反響が大きく、『鳥肌が立つリアルさ』『最高の自衛隊マンガ』といった投稿がありました。一方、自衛隊の装備や銃器の描写に関しては、「ここが違っています」とのご指摘もいただきました。単行本化にあたり、改めて砂川先生に監修いただき、柏葉先生が細部にわたって描き直しをされております。迫真の戦場シーンが“高解像度”で展開しますので、ぜひともコミックでご堪能ください」
○●コミック 『小隊』3月21日発売!()