覚悟を持って立つ。約1年半の産休から復帰した女優徳永えり(36)がこのほど日刊スポーツの取材に応じ、今後の活動について語った。結婚、出産を経て女優業から離れることも考えたが所属事務所の慰留もあり、復帰作となった公開中の映画「35年目のラブレター」をはじめ、4月からは日本テレビ系連続ドラマ「彼女がそれも愛と呼ぶなら」にもレギュラー出演。「腹をくくりました」と子育てと役者業の二刀流生活に取り組んでいる。
「子どもはかわいいし、面白いですよ」。母になって戻ってきた徳永は穏やかに笑った。19年5月に一般男性と結婚。23年5月から産休に入り、同9月に出産した。「1日があっという間ですね。最近は朝の5時半くらいから子どもに馬乗りになってペチペチたたかれて起こされています。うちの子は結構やんちゃなので、もう毎日傷だらけですよ」とほほ笑んだ。
昨年2月に「35年目のラブレター」の撮影を行った以外はほとんど仕事を入れていなかったが、今回の連ドラ撮影から本格的に子育てとの二刀流生活が始まった。「映画の撮影をしていた時はまだ授乳もしていた頃で、子どもも夫と一緒に現場に来て部屋で待機させていただいたりしていました。現場の方々もすごく配慮してくださってありがたかったです」と感謝。現在は保育園に入っており「毎日運転しています(笑い)。子どもは保育園も大好きですし、夫や周囲の方々にも助けていただきながら頑張っています」。
同事務所の同期で同い年の戸田恵梨香(36)は自身の少し前に出産したママ友の1人でもある。「わからないことがあったら聞いたり」と支え合っているといい「よく情報交換をしていますね。いろいろ教えてもらっています。そうした存在が身近にいて、本当にありがたいです」と話した。
中学2年時に周囲の勧めで「第7回ピチモデルオーディション」を受け、準グランプリを獲得して業界入り。高校時代にオーディション雑誌の募集を見て、今も所属する芸能事務所フラームに加入した。
|
|
「10代の頃はオーディションに向かって落ちて、また受けに行って。いくつか受かったものの現場に行って、そこで演技の指導を受ける、といった感じでしたね。しかってくれる大人の方がいて、たたき込まれました。今は若い子でも上手な人が増えましたよね。撮られることに慣れているのかな…。みんな上手です。NGも少ないですし、しっかりしている人が多いですね」
演技の仕事から離れたことはこれまでもあった。30代の節目を前にした頃は、約半年間活動休止してカフェ店員を経験した。
「知り合いの紹介で渋谷の小さいスタンドカフェで働いていました。そのあとに朝ドラの仕事が決まっていて、その前に半年間だけですね。飲食や接客業が好きなので楽しかったですよ。30歳を前にしてある程度のキャリアも積んできて、そこからの自分の覚悟も確かめたかったんです。カフェでお客さんが『ありがとうございます』と言ってくれてうれしくて号泣したことがあって。役者の仕事じゃなくても自分を認めてくれる場所があるんだと。でも、だからこそこっち(役者)で求めてくれている人がいるならまだ頑張ろうと思ったんです」
今回の出産では「もう9割くらい辞める気でいた」が再び説得され、カメラの前に戻ってきた。
「20年やってきたし、別の仕事もありかなと。ネガティブさはなくて、本当に満足して次のステージに向かおうと思っていました」と明かし「働くことは好きなので、パートどこでしようかなとか本気で調べたりもしていて。でも『辞めることはないよ』と言われて、まずは(両立を)やってみようと。やってみなきゃわからないですからね」。
|
|
SNSには子どもを授かった35歳は「愛と感謝の嵐が吹き荒れ」、産休から復帰する36歳は「ゆっくりじっくり己の人生を見つめ直します」とつづられている。
「本当にそのまんまの気持ちです。愛と感謝から、36歳の1年はじっくりと見つめ直しました」
5月に迎える37歳はどうか。「今年は『感謝を持ってまい進するべし』ですね。引き留めていただけて、また頑張ろうという気持ちになっています」。思いも新たに、ママになった徳永の奮闘は続く。【松尾幸之介】
◆徳永(とくなが)えり 1988年(昭63)5月9日生まれ、大阪府出身。04年フジ系ドラマ「放課後。」で女優デビュー。06年「放郷物語」で映画初主演。そのほか映画「コンフィデンスマンJP」「犬も食わねどチャーリーは笑う」「正欲」など。ドラマは「恋のツキ」、12年NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」「あまちゃん」「わろてんか」、「四十九日のレシピ」「撃墜 3人のパイロット」「美女と男子」などに出演。18年テレ東系「恋のツキ」では連ドラ初主演。156センチ。血液型O。
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。