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とろサーモン久保田かずのぶ(45)が自身初の自叙伝「慟哭の冠」(KADOKAWA、1760円)を出版。このほど、日刊スポーツの取材に応じ、出版の経緯はもちろん、“人間久保田かずのぶ”の本質を詳らかに語った。【川田和博】
同書の帯には“禁断の自白”とつづられている。「このタイミングでこんなこと書いたら、みんなオンラインカジノの件だと思いますよね」。久保田はオンラインカジノに関する事情聴取を受け、関与疑惑が取り沙汰された。だが2月末、自身のラジオ番組「とろサーモンの冠ラジオ枠買ってもらった。」(渋谷クロスFM)で関与を否定。「刑事さんから『今後の聴取の予定はないと思います』と言われました」と話し、騒動に終止符を打った。
だが、1カ月たった今もテレビ出演のオファーはない。「日刊さんで『久保田を早くテレビに戻せ』と書いてください!」と悲痛な叫びをあげた。同書のタイトルにかけ「“疑惑の冠”にしておいてください」と笑った。
同書は出版社からのオファーを受けて書いたのではなく、自ら書きためていたものが出版された。書き始めたきっかけは、笑い飯哲夫(50)の言葉だ。「16、17年前ぐらいに『お前、語彙(ごい)力もあるし、しゃべりもうまいのに、なんで本を出さへんの?』と言ってくださった。それがずっと引っかかっていた」。
実際に書き始めたのは17年、M−1優勝後となる。「書きためていたiphoneがぶっ壊れて、かじがや(卓哉)がパソコンで復活させてくれたんです。2000文字くらいでしたけど」と振り返ると、「それに書き足していったので、結構リアルな内容になっていると思います」と胸を張った。
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タイトルに込めた思いを「この時代は人より目立たないように生きていった方がたたかれずに済む。でも僕の人生は泣き叫んで、助けてくれっていう部分が強いんです」と切り出し、「そんな中で生きてきて、やっと冠を頭に乗せてもらえたので、辛いこともあるかもしれないけど、思った感情を外に向けた方がいいって。そんな思いがこもっています」と熱く語った。
久保田のパブリックイメージは“毒舌芸人”だろう。だが、同書では全く違う一面がうかがえる。「俺のキャラクターが崩れる?」と話すと、「『久保田ってこういういいところもあるんだ。すごいね』となっても、その先、俺がどこかでとてつもないフレーズ、罵倒するような毒舌を吐いた時に『やっぱ結局お前、そうやんけ』と変えられるようなフレーズを持っているので、読者はそこの物差しで僕を図らないで欲しいなとは思っています」と一気に話すと、「今、うまく言えましたわ」と笑った。(つづく)
◆久保田(くぼた)かずのぶ 1979年(昭54)9月29日、宮崎県生まれ。同郷の村田秀亮(45)と2002年7月、とろサーモンを結成。05年、第27回ABCお笑い新人グランプリで最優秀新人賞受賞など、関西の賞レースを数々受賞。10年から東京に進出し、17年M−1ラストイヤーで初優勝。特技はテニス、ラップ、趣味はバス釣り。身長175センチ。
◆「慟哭の冠」(KADOKAWA) 大阪時代、賞レースを総なめにするも仕事は増えず、東京進出後はM−1で9回の準決勝敗退。その間、愛する妻とは離婚。そして、ラストイヤーでつかんだ栄冠。そんな久保田の魂の言葉がつづられている。4月2日には、東京・新宿ロフトプラスワンで、出版記念トークライブも開催する。
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