とろサーモン久保田かずのぶ(45)が自身初の自叙伝「慟哭の冠」(KADOKAWA、1760円)を出版。このほど、日刊スポーツの取材に応じ、出版の経緯はもちろん、“人間久保田かずのぶ”の本質を詳らかに語った。【川田和博】
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毒舌芸人のイメージが強い久保田。しかし、その道を選んだのは、久保田なりの思いがある。「毒を飲んだら薬を飲むじゃないですか。薬を飲みすぎても毒じゃないですか。結局、表裏一体かなと思っている」とし、「だから隠さず、何もかも全部さらけ出そうぜって。そういう時代なんじゃないかと思っています」。その考えはお笑いにも通じ、「行儀良くよくやるなんて、もうそんな古い言葉はいいかな」とした。
その一方で、「本でも書きましたが、優勝って『優しい人が勝つ』って書くんですよね。だから、本当に悪いやつはいないと思う。人として本当にクズだったら、誰もついてこないでしょう」とした。「だから、分かる人にはもう分かってるのかなと正直、思っています。本当にクズなやつはいないと思いますよ」と、久保田という人間の核となりそうな思いを吐露した。
同書では、元妻への感謝も述べている。だが以前、「結婚はもうしたくない」としていた。現在、俳優竹内涼真(31)の妹、たけうちほのか(27)との交際が報じられている。「今、オンナ居るんで」とほほ笑むと、「ここで結婚したくないとか言ったら、また本を出さなきゃならなくなるんで」と語った。
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その上で「逆に世の中に聞きたい」と声を大にした。「こんな時代、この状態で子供を産みますかって? 1つの命を大切にすることの覚悟とか、責任とかあるのかなと思ってしまいます。逃げているわけではないですけど、聞いてみたい」と問いかけた。
仲の良い芸人ネゴシックス(46)が2月に結婚した。その影響を聞くと「いやいや、それはない! ネゴシックスに影響はされないです」と大爆笑。だがその後、「哲学者が『独身には楽しみがあるけど、結婚には喜びがある』と言っていた。どっちを選ぶのって。独身だと1人で死ぬから、誰にもみとられないという寂しさもあるけどね…」とつぶやいた。
最後は読者へ向け「この本に出会えなかったら、明日も同じ考えだったんだろうなと思って欲しい」とメッセージを送った。
毒舌芸人のイメージが強かった久保田だが、その本質は、自分に正直な人間に思えた。同書ではその片りんを見せつつも、その懐には、いつでも毒舌芸人に戻れるフレーズも隠し持っている。そんな存在だった。
4月2日には、同書の発売を記念したトークライブを、東京・新宿ロフトプラスワンで開催する。久保田かずのぶの本質に触れられる好機かもしれない。
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◆久保田(くぼた)かずのぶ 1979年(昭54)9月29日、宮崎県生まれ。同郷の村田秀亮(45)と2002年7月、とろサーモンを結成。05年、第27回ABCお笑い新人グランプリで最優秀新人賞受賞など、関西の賞レースを数々受賞。10年から東京に進出し、17年M−1ラストイヤーで初優勝。特技はテニス、ラップ、趣味はバス釣り。身長175センチ。
◆「慟哭の冠」(KADOKAWA) 大阪時代、賞レースを総なめにするも仕事は増えず、東京進出後はM−1で9回の準決勝敗退。その間、愛する妻とは離婚。そして、ラストイヤーでつかんだ栄冠。そんな久保田の魂の言葉がつづられている。4月2日には、東京・新宿ロフトプラスワンで、出版記念トークライブも開催する。
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