3月28日に最終回を迎えるNHK連続テレビ小説『おむすび』。橋本環奈(26)がヒロインを務める同作だが、酷評が相次いでいる。
『おむすび』は、橋本演じる平成元年生まれのヒロイン・結が栄養士として人生を切り開いていく物語。阪神・淡路大震災や東日本大震災、コロナ禍など今も人々の記憶に残る災害が描かれている。超人気女優の起用と国民的な記憶を扱ったにもかかわらず、当初から脚本や演出に“不自然”といった感想が上がり、視聴率も低迷している。
TVコラムニストの桧山珠美さんは、このような脚本や演出の粗が目立つ背景に“掛け持ち”を指摘する。
「脚本を担当しているのは、ドラマ『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』(日本テレビ)や『パリピ孔明』(フジテレビ)、『正直不動産』(NHK)などを手がけた人気脚本家の根本ノンジさんです。
根本さんは今年4月に公開される映画『パリピ孔明』も、昨年10月から放送された『無能の鷹』も、さらに昨年1月から放送された『正直不動産2』と来年公開予定の同実写版映画の脚本を手がけています。
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もちろん制作時期に前後はあると思いますが、これだけ多くの作品を同時期に担当しているとなると、ストーリー展開に粗が目立った際に、“掛け持ちでは?”という疑念が生まれてしまいます。掛け持ちといえば、主演の橋本環奈さんもヒロインなのに、途中でいなくなるという前代未聞の事態も記憶に新しいですね」
16週と17週の2週間は“ヒロイン不在”で放送された『おむすび』。その間は仲里依紗(35)演じる姉役にスポットライトが当たるなど、スピンオフのような展開となっていた。
本作は昨年の3月下旬がクランクインだったが、もともと橋本は4月中旬から5月下旬にかけて舞台『千と千尋の神隠し』のロンドン公演に出演する予定があり、当然その間撮影には参加できない。また、10月にも約10日間、映画『キングダム』の撮影のために、『おむすび』のロケ現場を離れたと報じられている。多忙な橋本をヒロインとして出演させるために、NHK側が配慮した場面は多々あっただろう。
また、多忙ゆえ、作品の完成度を高めることに集中しきれていないのではないか? 橋本についても、実際に演技面でそんな疑念を抱かせる場面があるという。
「“1000年に1度の美少女”と呼ばれ、紅白歌合戦でも司会に抜擢されるなど期待感の大きかっただけに、今作はちょっとがっかり。ヒロインの人間としての成長が見られないんですよ。
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娘役が赤ちゃんから小学生、そして中学生に変わってあんなに大きくなっているのに、橋本さんは髪型とかは変わるものの、成長が見られないんです。話し方も高校生から一緒でファッションが変わっただけ。内面的な成長が感じられず、親に見えないんです。監督も多忙の中出演してくれた橋本さんに遠慮して演技指導できなかったのかも……なんて思ってしまいますよね(笑)」
“掛け持ち”の事実に加えドラマのクオリティなどから“結局『おむすび』を愛していたのは誰?”という疑念が湧き上がると桧山氏はいう。その割を食っているのは、他でもなくドラマの視聴者だ。
「このドラマを見せられている私たち視聴者が犠牲者かもしれないですね。朝ドラって、昨今ドラマの視聴率がどんどん下がって、リアルタイムで見ることもほとんどなくなってる中で、唯一リアルタイムで見ている人が多くいたり、共通の話題として世代関係なく見れる数少ないドラマなわけです。国民の共通体験という灯火が、『おむすび』によって消えそうになっているのではないか危機感を抱いています」
『おむすび』で揺らいだ朝ドラの信頼を次作の『あんぱん』は取り戻すことができるのだろうか。その行方に注目したい。
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