チームWRTのBMW M4 GT3 EVOでWEC・LMGT3クラスに参戦しているバレンティーノ・ロッシ WEC世界耐久選手権に参戦している元2輪世界王者のバレンティーノ・ロッシは、初ポールポジションを獲得するために、予選ペースを向上させることを目標に掲げている。
■「得意ではない」予選の改善に期待
ロッシは2025年、チームWRTで4年目のシーズンを迎えており、ケルビン・ファン・デル・リンデ、アハマド・アル・ハーティとともに46号車BMW M4 GT3 EVOを駆り、WEC・LMGT3クラスでは2年目のシーズンに挑んでいる。
今季のWECではルールが変更点され、各車でシルバーにレーティングされるドライバーが二次予選『ハイパーポール』を担当しなければならない。このルール変更により、ロッシは2月の末の2025年開幕戦カタール1812kmレースにおいて、WECに参戦して以来初めて予選に参加するチャンスを得た。
ブロンズが担当する一次予選ではアル・ハーティが6番手となり、ロッシに初のハイパーポール出場の機会を与えた。ロッシは、クラスポールポジションを獲得したショーン・ゲラエルから0.750秒おくれの8番グリッドを獲得した。
「とても気に入っている」とロッシは新ルールについて語った。
「そうでなければ、土曜日はとても長い一日だ。午前中(フリープラクティス3)に3周を走っただけで、その後は何もしないといことだってある。だから、このルール変更は良いことだ」
「とてもエキサイティングだよ。最大限の集中力を発揮しなければいけない。とても要求が厳しく、クルマは(ガソリンを減らすため)軽い。運転するのが楽しい」
「また、正直に言うと、予選ラップは僕の得意分野ではない。だから、それを改善するチャンスがあるのは良いことだ」
今年、ポールポジションを争えると感じているかと聞かれると、ロッシはこう答えた。
「まさにそれが目標だ。他のレースに出るときは、予選に出場しなければならないからね」
「(地元戦の)イモラのファンがハイパーポールで僕を見てくれることを願っているよ!」
■鈴鹿は「最高のコース」
昨年、WECとGTワールドチャレンジ・ヨーロッパでBMWとWRTのダブル・プログラムに取り組んだロッシだが、今年は活動を縮小し、主にWECへと集中している。
しかし、46歳のロッシは先月、インターコンチネンタルGTチャレンジ(IGTC)のバサースト12時間レースに出場したほか、同じくIGTCの一戦でもあるスパ24時間レースへの4度目の出場、そして地元ミサノで開催されるGTWCヨーロッパのスプリント・カップにスポット参戦する予定であることを以前に認めている。
ここで気になるのは、IGTCに今年復活する日本・鈴鹿ラウンドの1000kmレース(9月14日決勝)だ。2001年に鈴鹿8時間耐久ロードレースを制しているロッシが最後に鈴鹿サーキットを走行したのは、2003年のMotoGP。そのとき以来、ロッシが鈴鹿に戻る日は訪れるのだろうか?
だが、このイベントを自身のスケジュールに加えることを検討できるかと尋ねられたロッシは、カレンダー上でWECのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ戦(9月7日)と富士戦(9月28日)の間に位置していることから、現実的ではないと答えた。
「今年は難しいと思う。カレンダー上で、(鈴鹿1000kmは)ふたつのWECのレースの間に位置しているからね」とロッシは語る。
「富士まで2週間あるので、難しいだろう。鈴鹿に行って、その後はそこに留まるか、あるいは(欧州から)行ったり来たりしないといけない」
「今年は難しいかもしれないが、このクルマを鈴鹿で(将来的には)運転してみたいね。あのコースは最高のコースのひとつだから」
[オートスポーツweb 2025年03月26日]