名高達男、白血病と闘う女子中学生テーマの舞台で担任教師役「1人でも多くドナー登録に」

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2025年03月27日 05:31  日刊スポーツ

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舞台「友情〜秋桜のバラード」で担任教師の野本信吾を演じる名高達男(ムトー清次氏撮影)

俳優名高達男(74)が出演する舞台「友情〜秋桜のバラード〜」が4月2〜4日まで東京・深川江戸資料館で上演される。


米国の実話をもとにした、白血病と闘う女子中学生と級友たちの友情の物語。担任教師の野本信吾を演じる名高は「台本を読んでる途中から涙が出てきて、この本ならやりたいと思った。作品の中でみんなが生きている」と心を打たれた。


同作は99年の初演から、海外公演も含めて上演回数は642回にのぼる。「友情の話は色あせない」と時代や国を問わず、愛されてきた。00年に1度、主人公あゆみが入院している病院の院長役で出演したが「ゲスト出演だから、本当に短いシーンで。今回が初めてのような感じ」と新鮮な気持ちで臨んでいる。


野本役は、過去に松方弘樹さんや渡瀬恒彦さんが演じてきた。「すごい先輩たちがやってらっしゃるものですから、当然意識するところはあって。その人たちの名に恥じないような役作りで臨みたい」。


若いころは熱血漢の教師も演じた。今回、重視するのは包容力という。「白血病の生徒にあまり同情したり、悲しむんじゃなくて、1人の生徒と先生として接していこう」と、あえて感情移入しすぎないことを意識している。「あったかく見守ってあげたい。名高の『野本先生』をかくぶつけたい」と意気込む。


台本には当初「37歳」設定と書いてあったそう。「やっぱ若く見えたのかな」と冗談ぽく笑いつつ、「でも気にしてないんでね。自分なりの役をやればそれでいいのかなと思う。子どもたちと先生の間に違和感さえなかったら」。


生徒役の俳優たちはこのほど断髪式を行い、名高も立ち会った。ちょうど20年前の05年4月、ミュージカル「アニー」の大富豪役で自身も頭を丸めた。「やっぱりね、丸刈りになることで役に入れるってある。例えば時代劇も、カツラをかぶって刀を差すと、違和感なくその時代に入れる。だからみんなも変わると思うんですよね」と見守った。


約1週間後に控えた開幕に向けて「白血病のドナーを知らない人たちにもたくさん見てもらって、1人でも多くドナー登録に参加してほしいなって思いますね」と作品が持つ力に期待をかける。11月には中国公演も予定されており「中国の人が見てもね、絶対に感動する自信がある。人に感動とか笑いとか、与えることの意義が役者としては大きい。その意味でこの作品はすごくやりがいがある。日中の友好の架け橋になるなら、チャンスだと思います」と話した。


○…生徒役を務める、中2から33歳までの俳優13人が断髪式に臨んだ。白血病のあゆみ役に決まった織田ももこは「恥じらいはないです」と金髪をばっさり。社会人経験があり「覚悟がなきゃできない舞台に挑戦したくて。おもしろいかどうかが私にかかってるかもと思うと不安もありますが、全力でやりたい」。あゆみと親しくなる信一役の門田学は、制作スタッフとして座組に入り、欠員が出て生徒役に回った。33歳で「僕、最年長ですよって話になったんですけど、皆さんが後押ししてくれた」と若い俳優たちをまとめている。


◆舞台「友情〜秋桜のバラード〜」 白血病の副作用で髪が抜け落ちた生徒を励まそうと、クラス全員で頭を丸め、温かく迎えられたという米国の実話に基づく物語。98年に「友情」のタイトルで映画化(三船美佳主演)され、99年11月に舞台化。日本だけでなく韓国、中国、米国でも上演された。生徒役の俳優は実際に頭を丸刈りにして臨む。岡野医師役で過去に森喜朗、鳩山由紀夫の元首相もゲスト出演している。

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