「見放したのではなく、積極的に絡んでいる」角田へのサポートをめぐる発言の真意/ホンダHRC渡辺康治社長インタビュー

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2025年03月27日 07:00  AUTOSPORT web

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2025年F1第1戦オーストラリアGP 角田裕毅(レーシングブルズ)&渡辺康治HRC社長
 現在、レッドブルのリアム・ローソンのシートを巡って、レッドブル内で緊急会議が開かれている。そのシートを巡ってはホンダも絡んでいるという報道も流れている。ホンダと角田裕毅(レーシングブルズ)の関係については、3月4日に東京・青山のホンダ本社で開かれた記者会見で、「現在の角田裕毅選手とホンダの関係はどのようなものなのか?」という質問に対して、ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長は「角田はホンダのドライバーではなく、基本的には独立したドライバーです。そのうえで、ホンダは角田にスポンサー契約をしています。彼はもうF1で5年目のシーズンで、経験も十分に積んだドライバーなので、独り立ちしています」と答えている。その真意を尋ねてみた。

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──今年の3月4日の記者会見に参加したメディアの多くは、2026年以降はもちろん、現在も角田とレッドブルとの契約に対して、ホンダはもう何も行っていないかのような印象を受けました。この件に関して、あらためて渡辺康治HRC社長にお尋ねします。

渡辺康治HRC社長(以下、渡辺社長):「基本的には契約というのはドライバーとチームの間にしか存在しません。私が『スポンサー契約』と言ったのも、そのためですが、少し誤解を与えたかもしれません。というのも、角田選手の場合は少し複雑で、彼はホンダとレッドブルの育成ドライバー出身なので、彼に関してはF1でどのチームで走るべきかに関しては、まずホンダとレッドブルが協議しているからです。そこで、両者が合意すれば、その後は所属先チーム(当時アルファタウリ)が個人(角田)と契約を交わすという形態をとっていました。したがって、彼がF1にステップアップしてから今シーズンまで、ホンダはレッドブルと常にその協議を行ってきました。3月4日の記者会見のときは『ホンダと角田選手の契約はどうなっているのか?』と聞かれたので、あのように答えるしかなかったわけです」

──ということは、昨年のアブダビGP後のセルジオ・ペレスのシートを巡る話し合いにも渡辺社長は参加していたのですか?

渡辺社長:「はい。アブダビのテスト前に、私はクリスチャン(・ホーナー/レッドブルのチーム代表)らレッドブルの首脳陣と直接会い、『角田選手はすぐれたドライバーなので、テスト走行の結果を適正に評価して見極める必要がある』とレッドブル側に伝えました。クリスチャンも『そうだね』と理解していました。その後、テストが行われ、レッドブルはテストの結果も含めて、総合的に判断して(ペレスが離脱し、そのシートにローソンが乗るという)決定を下し、私のところへ連絡が来ました。当然ながら、2025年も契約を延長するという発表が2024年の6月に行われたときにも、事前にホンダはレッドブルと協議していました。なので、ホンダは角田を見放したということはなく、積極的に絡んでいます」

──ただし、ホンダとレッドブルのパートナーシップは2025年いっぱいで切れます。2026年以降へ向けては、ホンダとレッドブルでドライバーの協議をすることはないのですか?

渡辺社長:「はい、それはなくなります。2026年以降のシートに関して、我々が協議できるチームはレッドブルではなく、アストンマーティンです。ただし、大切なことは本人がどうしたいかです。もし、角田選手がレッドブルに残りたいというのであれば、2026年以降に関してはホンダはそのサポートはできない。ただし、角田選手は経験も十分に積んだドライバーで、独り立ちしているので、自分で道を切り開いていけると信じています。だから、彼が下した選択を邪魔するつもりはないという意味で語ったのが3月4日の記者会見での私の回答でした。もし、彼がアストンマーティンに来たいと考え、客観的にも角田選手がアストンマーティンに行くべきというストーリーが描けていくならば、ホンダもサポートはしたいと考えています」

──2026年のアストンマーティンのドライバーラインアップはフェルナンド・アロンソとランス・ストロールで決定していますよね?

渡辺社長:「はい、2026年に関しては私が知りうる限りでは、フィックスされている(固まっている)と思います。ただ、将来的にはホンダが育成したドライバーがアストンマーティンに乗ってくれることを期待しています」

[オートスポーツweb 2025年03月27日]

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