
【写真】「日本の未来を予言する小説」との呼び声高い、村田沙耶香による原作小説書影
原作は、村田沙耶香の2015年1月に刊行された同名の長編小説。超少子化の先−「性」が消えゆく世界で激動する「恋愛」「結婚」「家族」のあり方に翻弄される若者たちを描いた本作は、「常識」という枠の中でもがく現代の私たち自身を映し出した合わせ鏡のような作品だ。4月15日には英語版の刊行も決定し、世界的注目を浴びている。
人工授精で、子どもを産むことが定着した世界。そこでは、夫婦間の性行為はタブーとされ恋や性愛の対象は「家庭の外」の恋人か、二次元キャラというのが常識に。そんな世界で「両親が愛し合った末」に生まれた主人公・雨音は、母親に嫌悪を抱いていた。家庭に性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園(エデン)で一変する。
「日本の未来を予言する小説」と各メディアで大きな話題となった圧倒的衝撃を、MTV出身、RADIOHEAD、OASISなど国内外さまざまなアーティストのライブやミュージックビデオ、CM、ショートフィルム、大河ドラマのドキュメンタリーなど多岐にわたるフィールドで活躍する映像ディレクター・川村誠が脚本とともに映像化に挑む。
独自の世界観を築いてきた映画的・音楽的感性を存分に活かして、本作では繊細かつ耽美な異世界観を追求。本作が長編映画の監督デビュー作となる。さまざまなジャンルの映像を手掛け着実にキャリアを積み上げてきた川村誠が類まれな映像センスとオリジナリティあふれる演出で創造する。
|
|
さらに、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』(2021)や、日曜劇場『御上先生』(2025)に出演するとSNSで話題に。数々の名監督から熱視線を浴び、その確かな実力で業界の注目を集める最旬女優が、刺激的なテーマを内包した圧倒的衝撃作の実写化に挑む。
蒔田は「この物語を、初めはSFと感じる人が殆どなのではないでしょうか。私自身も、ありえない世界、経験するはずもない気持ちをどう表現するか、壮大なファンタジーをリアルに演じるには、と難しさを感じていましたが、そんな心配は必要ありませんでした。どんどん物語に引き込まれ世界観が変わっていき、これは未来の現実?とまで考えてしまいそうになる自分が怖くなりました」とコメント。さらに「今、当たり前と思っている現実は作られたものであり、貫いているつもりの自己も危ういのではないか。脳内が刺激され、人生について深く考えさせられます。観てくださったみなさんの感想が楽しみな作品です」と続けた。
蒔田の起用理由を川村は「観る者が彼女から目を離せなくなる、シーンを支配してしまうような引力―兼ねてより俳優としての蒔田さんの存在感と演技力に底知れないポテンシャルを感じていました」と明かす。さらに「等身大の二十代女性の自然体の中に、全ての村田作品の主人公から受け取れる『自らに刃を向けるような内省』を体現できる俳優。探し求めていたのはこの方だと、初対面で直感しました」と語る。
蒔田の演技について川村監督は「現場に入り、物語を深いところで理解しながら感じたままに演じるその姿からは、一種の“憑依力”のようなものを感じました。確かに雨音はそこに存在しました。主人公のこの表情、この感情を描くために映画を撮ったのだ、と思える瞬間が幾度となく訪れました。非常に難しいこの役柄に挑んでくださった事に心から感謝しています」と語り、感謝の言葉を。
|
|
併せて、本作の場面写真も初解禁。共演者や公開情報の詳細は後日発表。