『ミッキー17』舞台挨拶 © 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.『パラサイト 半地下の家族』以来となる最新作『ミッキー17』をひっさげ、ポン・ジュノ監督が5年ぶりに来日。ジャパンプレミアには監督を出迎える豪華な日本ゲストが多数登壇し、さらにサプライズゲストとして『ゴジラ-1.0』で第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した映画監督の山崎貴が登壇した。
3月26日、グランドシネマサンシャイン池袋でのジャパンプレミアに先立って行われたレッドカーペットイベントに最初に登場したのは、英国の超有名オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で日本人初の決勝進出を果たしたとにかく明るい安村。
水色の春めいた衣装で劇中登場するクリーパーの人形を抱いた井上咲楽、白いジャケットのアンミカとクリーパーの人形を抱くセオドール・ミラー夫妻、続いてポン・ジュノ監督の大ファンを公言する町田啓太。
そして、本作のプロデューサーであるチェ・ドゥホが姿を見せると場内のボルテージが一段と高まり、ファンとマスコミの視線が集まる中、最後にポン・ジュノ監督が登場すると、観客のテンションは最高潮に大きな歓声で監督を迎えた。
レッドカーペットの熱気が醒めやらぬ中、満員のグランドシネマサンシャイン・シアター12で舞台挨拶が行われた。
ポン・ジュノ監督との対面について問われた町田は「ドキドキです!普段は緊張しないタイプなのですが、今日はヤバいです!本当に光栄です」とコメント、星条旗柄のバスローブをまとった安村も「とても嬉しいです。とにかく”嬉しい”安村ですね。この場に呼んでいただき、そして素晴らしい映画の宣伝をさせていただき本当に嬉しいです」とコメントし場内を盛り上げた。
続いて、観客が待ち望んだ瞬間、ポン・ジュノ監督とプロデューサーのチェ・ドゥホが呼び込まれると、大きな拍手とともに会場は一斉に“「ポン・ジュノ」コール”が。
ポン・ジュノ監督は「本日はお越しくださりありがとうございます。『パラサイト』以来5年ぶり、来日できてとても嬉しいです」、チェ・ドゥホプロデューサーは「皆さんにお会いできてとても嬉しいですし、桜の季節に日本に来られたことも嬉しいです」とそれぞれ挨拶した。
■「衝撃受けた」町田啓太からの質問に「ミッキーに共感してもらえたら嬉しい」
そして、ポン・ジュノ監督ファン代表の町田からの質問タイムが設けられた。『ミッキー17』を観て「生存本能を掻き回されるほどの衝撃を受けた」という町田。
「監督の作品は命、自然愛、階級など、いろんな要素が入れ込まれています。僕はそこに胸を打たれるし、毎回“生きていてもいい” “頑張っていればいい”と背中を押してもらえます。監督はやはりそのような価値観を大事にされているのでしょうか?」と質問すると、監督は「この映画の主人公はまぬけだけれどとても善良で、労働者として極限の状態・職業に置かれていても最後まで生きようとする」と回答。
「プリンターから出力される時、彼は安村さんのように何も身に着けていません(笑)それは彼の人生の一部となっていますが、最後まで生き残る気持ち、最後まで諦めない気持ち、そんなミッキーに共感してもらえたら嬉しいです」と話した。
続いて「監督のインスピレーションの源は?」という問いには、「日常的にあるささやかな事を見逃さないようにしています」との回答。
「例えばとんこつラーメンを食べている時にズボンにスープが落ちてしまった。これには一体どんな意味があるのだろう? なぜ? 私はこれをどのようにすればよいのか? いろんなことが思い浮かんできます。小さなことから出発するのです」とアイディア探しの秘訣を披露した。
■撮影中のロバート・パティンソンの裏話も
さらに、2人のミッキーを見事に演じ分けた主演のロバート・パティンソンについて、監督は「優れた俳優であると同時にクリエイティブで、人間的にも優しい人。現場のスタッフからも人気がありました。物静かだけど優しい人。そしてプリントしたくなる顔をしていますね(笑)」と語り、場内に爆笑を誘った。
チェ・ドゥホプロデューサーは「仕事には全身全霊、台本はカラーマーカーを5種類くらい塗り分けて、200回くらい読んでいるはずです。トレーラーには入らず、ずっと現場にいる努力家で献身的な人物です」と常に現場ファーストで撮影に臨んでいたとふり返った。
質問コーナーで、これから映画を鑑賞する観客の熱気も最高潮に達した際、さらにもう1人のサプライズゲストが紹介され、登場したのは『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督。
ポン・ジュノ監督とチェ・ドゥホプロデューサーの来日を花束で祝福した山崎監督は、「『ミッキー17』、本当に面白くてびっくりしました。こんなにワクワクした映画は久しぶりで、まだ観ていない人が羨ましいです(笑)」と語る。
■『グエムル-漢江の怪物-』に「先を越されてしまったというような悔しい思い」
さらに「社会的な問題も内包しているのですが、まずは本当に面白い。素晴らしい映画の完成、おめでとうございます」と絶賛、「監督の『グエムル-漢江の怪物-』は公開当時、先を越されてしまったというような悔しい思いで観ていました。怪獣映画に家族の物語を取り入れる。新しい怪獣映画の形だと思いました」と熱いコメントを発すると、その言葉を受けとめたポン・ジュノ監督は「『ゴジラ-1.0』、楽しく拝見しました。人間と歴史がしっかりと描かれているところが印象的で感銘を受けました。これからも怪獣映画をたくさん作っていきましょう!」と語り、世界で活躍する2人のエール交換が実現した。
最後に、これから『ミッキー17』を鑑賞する日本の観客へのメッセージを求められたポン・ジュノ監督は、「この場で既に多くのことをお話しましたが、今回お越しいだだいた山崎監督、安村さん、町田さん、本当に皆さんありがとうございました、これから映画が始まります。楽しんで御覧ください!」と語り、大きな拍手が送られてイベントは幕を閉じた。
『ミッキー17』は3月28日(金)より全国にて公開。4D/Dolby Cinema(R)/ScreenX/IMAX(R)同時公開
(シネマカフェ編集部)