ポン・ジュノ監督が5年ぶりの来日! 『ミッキー17』ジャパンプレミアで町田啓太らが想い届ける 山崎貴監督との胸アツエールも

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2025年03月27日 16:10  クランクイン!

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映画『ミッキー17』ジャパンプレミアより (C)2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
 映画『ミッキー17』(3月28日公開)のレッドカーペットイベント&ジャパンプレミアが3月26日に開催され、ポン・ジュノ監督が5年ぶりの来日。監督、プロデューサーのチェ・ドゥホのほか、日本ゲストとして町田啓太、とにかく明るい安村が登壇、山崎貴監督が駆けつけた。さらに、舞台あいさつ前のレッドカーペットにはアンミカ&セオドール・ミラー夫妻、井上咲楽が登場した。

【写真】町田啓太らが『ミッキー17』ジャパンプレミアに登壇!

 映画『パラサイト 半地下の家族』(2019)を手がけたポン・ジュノ監督の最新作である本作は、半地下を超えた“どん底”の使い捨てワーカー“ミッキー”による、権力者たちへの逆襲エンターテイメント。

 レッドカーペットイベントに最初に登場したのは、正装スタイルのとにかく明るい安村、水色の春めいた衣装で劇中登場するクリーパーの人形を抱いた井上咲楽、白いジャケットのアンミカ&クリーパーの人形を抱くセオドール・ミラー夫妻、続いてポン・ジュノ監督の大ファンを公言する町田啓太が登場。そして、本作のプロデューサーであるチェ・ドゥホが姿を見せると場内のボルテージが一段と高まり、ファンとマスコミの視線が集まる中、最後にポン・ジュノ監督が登場すると観客のテンションは最高潮に。大きな歓声で監督を迎えることとなった。

 レッドカーペットの熱気が醒めやらぬ中、ジャパンプレミアの舞台あいさつには、町田と、元使い捨てワーカーであり、今は世界で名の知れた芸人として活躍する“ジャパニーズ・ミッキー”こと、とにかく明るい安村が登場。監督との対面について問われた町田は「ドキドキです! 普段は緊張しないタイプなのですが、今日はヤバいです! 本当に光栄です」、星条旗柄のバスローブをまとった安村も「とても嬉しいです。とにかく“嬉しい”安村ですね。この場に呼んでいただき、そして素晴らしい映画の宣伝をさせていただき本当に嬉しいです。」とコメントし場内を盛り上げた。

 続いて、観客が待ち望んだ瞬間、ポン・ジュノ監督とプロデューサーのチェ・ドゥホが呼び込まれると、大きな拍手とともに会場は一斉に「ポン・ジュノ」コールが。監督は「本日はお越しくださりありがとうございます。『パラサイト』以来5年ぶり、来日できてとても嬉しいです」、チェ・ドゥホプロデューサーは「皆さんにお会いできてとても嬉しいですし、桜の季節に日本に来られたことも嬉しいです」とそれぞれあいさつした。

 念願の対面となった町田は「世界的な監督にお会いできることが夢のようです。今日を楽しみにしていました」と感無量。ジャパニーズ・ミッキーと紹介された安村は、「僕のシグネチャーポーズを英語と韓国語で見てもらいたい」とまさかのリクエスト。いつものパンツスタイルで2つのポーズを披露し会場を沸かせると、監督は「身を投げ出したユーモア、とても感動的です。圧倒的ですね」と笑顔で答える。そんな監督を見て町田は「実は登壇前から監督が安村さんのネタを楽しみにされていると聞いていたので、今の満願の笑顔を見られて嬉しいです」とコメントした。

 『ミッキー17』を観て「生存本能を掻き回されるほどの衝撃を受けた」という町田は、「監督の作品は命、自然愛、階級など、いろんな要素が入れ込まれています。僕はそこに胸を打たれるし、毎回“生きていてもいい”“頑張っていればいい”と背中を押してもらえます。監督はやはりそのような価値観を大事にされているのでしょうか?」と質問。監督は「この映画の主人公はまぬけだけれどとても善良で、労働者として極限の状態・職業に置かれていても最後まで生きようとする。プリンターから出力される時、彼は安村さんのように何も身に着けていません(笑)。それは彼の人生の一部となっていますが、最後まで生き残る気持ち、最後まで諦めない気持ち、そんなミッキーに共感してもらえたら嬉しいです」と回答。

 続いて「監督のインスピレーションの源は?」という問いには、「日常的にあるささやかな事を見逃さないようにしています。例えばとんこつラーメンを食べている時にズボンにスープが落ちてしまった。これには一体どんな意味があるのだろう? なぜ? 私はこれをどのようにすればよいのか? いろんなことが思い浮かんできます。小さなことから出発するのです」とアイデア探しの秘訣を披露した。

 安村は、「映画では使い捨てワーカーとブラック企業の独裁者が描かれていましたが、一生懸命働いている僕が使い捨てワーカーにならないためのアドバイスを下さい!」とまさかの質問。ポン・ジュノ監督は、「イギリスに行かれた時は今よりも遥かに多くの観客の前で大歓声を浴びたと聞いています。あなたはすでに独自の世界を構築されている。なので決して使い捨てにはならないですよ」と回答し、監督の思いがけない優しい言葉に感動する一幕も。

 チェ・ドゥホプロデューサーが「まずはハリウッドに行ってください。この作品には自分自身を愛することを学ぶ主人公が登場します。それは誰もが忘れてはいけない気持ちです。ナーシャとミッキー18との経験を通して、ミッキー17は自分を愛することができるようになるのです」と『ミッキー17』に重ねてアドバイスした。

 2人のミッキーを見事に演じ分けた主演のロバート・パティンソンについて、監督は「優れた俳優であると同時にクリエイティブで、人間的にも優しい人。現場のスタッフからも人気がありました。物静かだけど優しい人。そしてプリントしたくなる顔をしていますね(笑)」と語り、場内に爆笑を誘った。チェ・ドゥホプロデューサーは「仕事には全身全霊、台本はカラーマーカーを5種類くらい塗り分けて、200回くらい読んでいるはずです。トレーラーには入らず、ずっと現場にいる努力家で献身的な人物です」と常に現場ファーストで撮影に臨んでいたと振り返った。

 2人からの質問で、これから映画を鑑賞する観客の熱気も最高潮に達した時、さらにもう1人のサプライズゲストが紹介された。登場したのは『ゴジラ-1.0』で第96回アカデミー賞(R)視覚効果賞を受賞した映画監督の山崎貴。ポン・ジュノ監督とチェ・ドゥホプロデューサーの来日を花束で祝福した山崎監督は、「『ミッキー17』、本当に面白くてびっくりしました。こんなにワクワクした映画は久しぶりで、まだ観ていない人が羨ましいです(笑)。社会的な問題も内包しているのですが、まずは本当に面白い。素晴らしい映画の完成、おめでとうございます」と絶賛。

 「監督の『グエムル −漢江の怪物−』は公開当時、先を越されてしまったというような悔しい思いで観ていました。怪獣映画に家族の物語を取り入れる。新しい怪獣映画の形だと思いました」と熱いコメントを発すると、その言葉を受けとめたポン・ジュノ監督は「『ゴジラ-1.0』、楽しく拝見しました。人間と歴史がしっかりと描かれているところが印象的で感銘を受けました。これからも怪獣映画をたくさん作っていきましょう!」と語り、世界で活躍する2人のエール交換が実現した。

 最後に、これから『ミッキー17』をご覧になる日本の観客へのメッセージを求められた監督は、「この場で既に多くのことをお話しましたが、今回お越しいだだいた山崎監督、安村さん、町田さん、本当に皆さんありがとうございました、これから映画が始まります。楽しんで御覧ください!」と語り、大きな拍手が送られてイベントは幕を閉じた。

 映画『ミッキー17』は、3月28日より日本公開。
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