活況TA2初参戦の新型カムリが1-2フィニッシュ。アヌンツィアータが連勝/トランザム

0

2025年03月28日 07:20  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

開幕2連勝を飾ったトーマス・アヌンツィアーの90号車トヨタ・カムリ
 アメリカ大陸はロード・アトランタで開催されたトランザム・シリーズ・プレゼンテッド・バイ・ピレリの2025年シーズン第2戦にて、新たに北米トヨタのモータースポーツ部門を担うTRD U.S.A.が開発した『トヨタ・カムリ』が初参戦を果たすことに。

 この新しいボディキットを採用した強豪ナイトロ・モータースポーツが、活況を呈するTA2シリーズで2台ともに優勝争いを展開する好走を披露し、デビュー戦でのワン・ツー・フィニッシュを達成。チームはもう1台のフォード・マスタングを含めクラス表彰台を独占している。

 北米大陸“最古のプロ・ロードレース・シリーズ”として知られ、1966年に創設されたTrans Am(トランザム)は、彼の地で根強い人気を誇るアメリカン・マッスルカーと、時代の潮流を汲む世界標準のGTクラスとの混走で成立し、現在は全米を股に掛けるナショナル・チャンピオンシップと、ウエスタン・シリーズの2本立てとなっている。

 そのうちコスト効率の高い専用開発プラットフォーム上にマシンを構築し、エンジンは一律で530PSに制限することでパフォーマンスと耐久性を両立、近年は年間50台以上のエントリーを集める大人気カテゴリーに成長したTA2シリーズに、満を持しての新規車種がデビューした。

 公式ボディメーカーであるファイブスター・レースカー・ボディーズやトランザム関係者と緊密に協力して誕生した『トヨタ・カムリ』は、その設計、開発、製造に取り組んできたTRD配下のディベロップメント・ドライバーであるテイラー・ゴンザレスとトーマス・アヌンツィアータにデビュー戦が託され、新たにモービル1カラーの10号車と、同じくGRのファクトリースキームをまとう90号車が用意された。

 そのうち、すでにシーズン開幕戦のセブリングを制していた90号車のアヌンツィアータは、改めて第2戦『ミッションフーズ・ロード・アトランタ・スピードツアー』に新型ボディキットを提げ登場すると、予選で新記録を樹立してポールポジションを獲得。決勝でもすぐにリードを奪う盤石のレース運びを見せる。

 同じくフロントロウ2番手発進だった30号車フォード・マスタングのジュリアン・ダコスタや、3番手発進の10号車ゴンザレスと終始トップ争いを展開。複数回のイエロー・コーションやセーフティカー・ピリオドを経て、終盤にレースで最初のミスを犯した2番手ゴンザレスが、片側2輪をコースから落としてわずかにペースが落ちると、そのまま90号車が開幕2戦連続のトップチェッカーを受けた。

「レースは最初から最後まで良かったよ」と表彰台で語ったアヌンツィアータ。

「最初は少し心配だったんだ。ショートランのペースがあまり良くなかったから、背後のゴンザレスが僕に何か仕掛けてくるだろうと思っていた。なんとか切り抜けて、本当にいい感触が得られたね」

 これで今季もNASCARエクスフィニティ・シリーズにパートタイムで参戦するアヌンツィアータとしても、フォードからトヨタへのスイッチを経て好調なシーズンスタートを切った。

「このTA2シリーズにトヨタを紹介する素晴らしい方法であり、とてもとてもクールだ。ナイトロ・モータースポーツの皆にも、この素晴らしい機会を与えて貰い、このレースカーを運転させてくれたことに感謝したい」と続けたアヌンツィアータ。

「ナイトロ・モータースポーツがワン・ツー・スリー・フィニッシュを達成したのは初めてで、それもクールだ。それはすべて、僕たちの背後にいる才能豊かなグループと、タイラー・ゴンザレスやジュリアン・ダコスタのような才能あるドライバーがいたおかげだ。彼らにもおめでとうと言いたい」

「ゴンザレスは最後まで僕を全力疾走させてくれた。失速する可能性があると思ったし、それはとても怖くて嫌だった。改めてロード・アトランタとファンの皆に感謝したいね」

[オートスポーツweb 2025年03月28日]

    ニュース設定