
【写真】優しい笑顔が素敵! 長尾謙杜&當真あみの撮り下ろしカット(全8枚)
■減量して高校生らしい体型に
本作は、人を純粋に思う優しさをまっすぐに描いた、切ないラブストーリー。幼い頃に母親を亡くした心也と家に居場所がない夕花。孤独だった2人は、ひょんなことから「ひま部」を結成し、距離を縮めていく。しかし、ある事件をきっかけに夕花は姿を消してしまう。突然の別れから30年、行き場のない思いを抱えたまま、交わした約束を胸に彼女を待つ心也に明かされる彼女の秘密とは。
――最初に原作・台本を読んだときの感想を教えてください。
當真:私が演じる夕花は辛いことをたくさん抱えている子なのですが、それを包み込んでくれるような優しい物語だと感じました。誰かを思いやる気持ちが優しく描かれている温かい作品です。台本を読んでいるとき、出演者として参加できることがうれしくなりました。
長尾:切なくも温かい作品だと思いました。原作を読んでいるとき、僕が演じる心也は、芯がしっかりしていながらも、いい意味で特別な色があまり付いていない人物だと感じたんです。なので、“どこかにいるんじゃないか”というリアルさを大切にしながら演じようと思いました。
――心也と夕花は高校生ですが、年齢感を表現するために意識したことはありましたか?
長尾:22歳で学生役をやるのは、すごく珍しいことではないのかなと思うんです。でも、実際に演じるとなったとき「大丈夫かな」という不安な気持ちはありました。今回は(撮影時は)現役高校生の當真さんと共演だったので、並んだときに違和感をなくしたいという思いもありましたね。あとは、本作の前に出演していた作品で少し体重を増やしていたので、できるだけ体重を落としつつ肩幅を狭くして、年相応の体型に見えるよう意識しました。
當真:長尾さんは現場で同じ目線に立ってお芝居をしたりお話してくださったりしたので、本番でも役のまま、同級生という雰囲気で演じることができました。
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長尾:雰囲気作りを意識していたというよりも、単純に喋らないで気まずい空間でずっと過ごすより、話をして仲良くなった方がいいじゃないですか。どんどん距離が縮まっていく役柄でもあったので、たわいのない会話をしていたのが、結果的に役とリンクする部分があったのかもしれません。
――當真さんは実際の年齢と近い夕花を演じるにあたって、意識した点はありますか?
當真:彼女は境遇もあって少し大人びている部分があるんです。それでも年相応の幼さはあると思ったので、その部分は意識しながら演じていました。
■思い出の“四つ葉のクローバー”
――長尾さんは本作が映画初主演作品となります。クランクインするときは緊張しましたか?
長尾:いいのか悪いのか分からないですが、緊張はなかったですね。そういうポジティブな環境を作ってくれたのは、スタッフさんたち。プロデューサーさんは以前にグループでもお世話になったことがあるのですが、すごく明るい方なんです。横尾(初喜)監督も笑顔が素敵な明るい方だったので、顔合わせの段階から最後まで、ネガティブな気持ちになることはなかったですね。
――當真さんは作品のクランクイン時は緊張しますか?
當真:私は緊張するタイプです。特に本作は、最初に撮影したのが作中でもグッと重たいシーンだったので、それも相まって緊張感が増しましたね。ただ、夕花にとって土台となる部分でもあったので、緊張しながらも大切にできたらと思いながら演じました。
――今回は愛知県の豊橋市や蒲郡市などで撮影されたと聞きました。撮影時にはどんな思い出がありますか?
長尾:やっぱりロケに行ったら現地の名物とか、有名な物を食べたくなりまして。今回はプロデューサーさんや當真さんたちと一緒にウナギを食べました。ひつまぶしがすごくおいしかったです!
當真:ロケ地にクローバーがたくさん生えていたので、私は四つ葉のクローバーをずっと探していました。最初はマネージャーさんと一緒に少しずつ探していたのですが、次第にプロデューサーさんや長尾さんも一緒に探してくれるようになって! 仲間が増えていくなかで見つかる数も増えて、本当にたくさんの四つ葉のクローバーが集まったんです。
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當真:私だけがたくさん持っていてもと思って、しおりを作って皆さんに配ったんです。
長尾:しおりを受け取ったみんな喜んでいましたね。特に僕のマネージャー。なにわ男子の現場では見たことない笑顔で「もらいました!」って報告してきました。「なんやねん、あの笑顔は!」ってマネージャーに腹が立ちましたね(笑)。でも本当にあのしおりはうれしくて、今でも大切にしています。
■アジアツアーで交わした大きな約束
――先ほどウナギの話もありましたが、本作には「バター醤油焼うどん」という料理が登場しますよね。食べてみていかがでしたか?
當真:私、利き手が左なのですが、撮影のときは右で食べていまして。麺って利き手じゃないと掴みづらいので、撮影中は全然取れなかったんです。なので、カットがかかった後につまみ食いしちゃいました(笑)。すごくおいしかったです。
長尾:撮影で余ったものを、お昼休みにマネージャーさんやスタッフさんたちと一緒に食べたんです。めっちゃおいしかった! このおいしさをみなさんとも分かち合いたいので、できるならレシピをどこかに公開して欲しいです。
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當真:私は母が作るハンバーグです。すごくおいしくて、東京に上京してからも送ってもらっているんですよ。やっぱり地元で食べていたものは、すごく思い出に残っています。あと、沖縄に帰っておばあちゃんが作ってくれるおそばを食べると、すごく心が温まりますね。
長尾:僕は茶碗蒸しが好きで、外食のときも注文することが多いのですが、母親も家で作ってくれるんです。以前は3回に1回くらい失敗して、蓋を開けたらシャバシャバになっていたこともありましたが(笑)。失敗していた過去の茶碗蒸しも含めて、思い出の一品です。
――本作は“約束”も一つのキーワードだと思います。お2人は最近、誰かと約束を交わしましたか?
當真:些細(ささい)なことですが、友達と「いつか海外旅行に行こうね」とか、そういう先の予定について話しました。お仕事があるのできちっとこの日と決められないのですが、ふんわりとこれからやりたいことを約束しました。
長尾:なにわ男子のアジアツアーで回った各都市のファンの皆さんと「また帰ってきます」という大きな約束をしました。会場が変わったとしても、もう一度その地へ訪れることができるように、またアジアツアーができるように努力していきます。次はもっと場所を増やして、会える人の数も増やしたいですね。現地で会えるというのは特別なことだと思うので、また行きたいと思っています。
(取材・文:M.TOKU 写真:高野広美)
映画『おいしくて泣くとき』は4月4日から全国公開。