4層を貫く10m吹き抜け=「-神奈川県川崎市・小川邸-」(C)テレビ朝日 俳優・渡辺篤史が案内役を務めるテレビ朝日の人気番組『渡辺篤史の建もの探訪』(毎週土曜、前4:25)29日放送は、4層を貫く10メートル吹き抜けと螺旋階段の家「-神奈川県川崎市・小川邸-」を訪れる。
【写真多数掲載】斜めの“切れ込み”が入った外観=「-神奈川県川崎市・小川邸-」
建物は南・西・北の三方を囲まれ、東側にも大きな集合住宅が立つという環境にある小川邸。そのため、プライバシーを守りながらも開放感を確保するため、建物の正面には斜めに切れ込みが入れられた。この独特の外観は、数多くのパターンを検討した末に生まれたデザインだという。
玄関を入ると、まず目を引くのが二重の玄関。この家は建築家の夫が設計し、1階にアトリエを構えているため、生活空間と仕事場を分ける工夫がなされている。住居スペースは地階・2・3階に配置され、2階のLDKはワンルームながら、10メートルの吹き抜けを中心に東西に分かれ、ブリッジでつながる構造になっている。リビングの東側には、斜めカットのコンクリート壁に囲まれたバルコニーが隣接。西側にはダイニングキッチンがあり、食卓は建物と一体化したコンクリート製の片持ち梁の上に固定されている。
3階には個室が配置され、西側に子供部屋、東側に主寝室が並ぶ。さらに、その真上には天窓があり、そこからの光が吹き抜けを通じて地階まで届く設計になっている。地階には洗面室や浴室、クローゼットなどがあり、吹き抜けの真下には砂利を敷き詰めた石庭風の空間が広がる。
一般的な住宅とは一線を画すこの家の間取りだが、1階にアトリエを挟むことで生活動線が伸びる一方、地階部分をユーティリティ空間にすることで容積率の地下緩和を受ける工夫も施されている。限られた敷地を最大限に活用したこのユニークな住まいが、番組でどのように紹介されるのか注目だ。
竣工:2022年3月
敷地面積:61.1平方メートル(18.5坪)
建築面積:41.1平方メートル(12.4坪)
延床面積:126.1平方メートル(38.1坪)
構造:鉄筋コンクリート造 壁式構造
設計:小川貴之/小川貴之建築デザイン