3月27日、日本テレビの人気バラエティ番組『月曜から夜ふかし』が番組公式サイト上で以下のように謝罪した。
《今回の件は、テレビメディアとして決してあってはならない行為であり、取材に協力いただいた女性ご本人並びに視聴者の皆様に心からお詫び申し上げます。また、制作プロセスを徹底的に見直し、再発防止に努めてまいります。この度は大変申し訳ございませんでした》
問題があったのは、3月24日に放送された中国出身の日本在住女性への街頭インタビュー。“今春上京する人へのアドバイス”というテーマについて、女性は「去年の3月、バルコニーにカラスが来てハンガーを持って行ったのを見て、これからは外で乾かさないです」と明かしながら、「あんまり、中国にカラスが飛んでるのはいない。みんな食べてるから少ない。とにかく、煮込んで食べて終わり」と話していた。
ところが、日本テレビが発表したコメントによると、女性の「中国ではカラスを食べる」という趣旨の発言は一切なかったという。オンエアされた箇所について、《別の話題について話した内容を制作スタッフが意図的に編集し、女性の発言の趣旨とは全く異なる内容になっていました》と説明し、冒頭のように謝罪した。
「バラエティに強みを持つと言われている日テレの番組の中でも、『夜ふかし』は屈指の人気を誇ります。特に、街頭インタビューは番組を代表する企画で、一般人の面白い話を引き出すスタッフの技量や、時にその発言を“イジる”番組側の演出が好評です。そんな企画で今回のような事案が起こってしまった。意図的な編集は外国人への偏見を助長する恐れもありますし、不信感を抱いた視聴者もいることでしょう」(制作会社関係者、以下同)
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’12年に放送が開始され、’22年にプライムタイムに昇格した「夜ふかし」。その人気の立役者が、番組の企画・演出を務める局員のA氏だという。
「Aさんは入社以来ずっとバラエティ畑を歩んできた実力者で、『夜ふかし』に加えて『世界の果てまでイッテQ!』『満天☆青空レストラン』といった人気番組でも企画・演出を務めています。『24時間テレビ』の演出もほぼ隔年で手がけおり、今年5月にゴールデンに進出する『千鳥かまいたちゴールデンアワー』の総合演出も歴任するなど、日テレのエースと呼べる存在でしょうね」
そんなA氏が手掛ける『イッテQ』は、かつて“存続の危機”に陥ったことがあった。
「きっかけは’18年11月に『週刊文春』が、『イッテQ』の’17年2月と’18年5月放送回で紹介した海外のお祭りを、あたかも実在するように“でっちあげていた”と報じたことでした。日テレ側は現地のコーディネーターから提案を受け、企画内容を確認せずに放送したことを謝罪。いっぽう、局として“でっちあげ”を行ったことは否定していました。
とはいえ、BPOの放送倫理検証委員会が’19年7月、局としての“でっちあげ”は認めなかったものの、制作側が事実を把握していなかったと指摘し、《程度は重いとは言えないものの放送倫理違反があったと言わざるを得ない》と厳しいコメントを発表しています。
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報道当時、お笑い芸人のカンニング竹山さんは『AERA』のインタビューで、Aさんの編集技術を称賛し、《その才能をこういう形で終わらせてしまうことになったとしたら残念》と番組の存続を訴えていました。今回の『夜ふかし』の件は少し事情が異なるかとは思いますが、バラエティ制作において企画・演出担当者は大きな決定権を持ちます。その分、責任も伴うわけで、問題を呼びそうな行動には常に目を光らせていなければならないでしょう」
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江頭出演シーン、TVerで全カット(写真:ORICON NEWS)205
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