予算案、年度内成立へ＝３１日に参院採決、自・立合意

　自民、立憲民主両党は２８日、２０２５年度予算案を再修正し、３１日に参院予算委員会と本会議で採決することで合意した。予算案は同日中に衆院に回付され、年度内に成立する見通しだ。参院で修正された予算案が成立するのは現憲法下で初めて。自民は立民の要求を踏まえ、旧安倍派の裏金事件に関係した世耕弘成衆院議員（前参院幹事長）の参考人招致を受け入れた。

　自民の武見敬三、立民の水岡俊一両参院議員会長ら幹部が国会内で会談。立民は旧安倍派元幹部４人の招致を求めていたが、採決に向けて世耕氏のみで折り合った。参院が衆院議員を招致するのは極めて異例。自民の石井準一参院国対委員長は記者団に「世耕氏は参院にも籍を置き要職を務めた。説明責任を果たしてもらえると確信している」と語った。

　参院予算委は２８日、石破茂首相が出席して集中審議を実施。続いて与党が高額療養費制度見直しの凍結を反映した再修正案を提出し、趣旨説明と締めくくりの質疑を行った。世耕氏の招致も全会一致で議決。これに先立ち、自民は旧安倍派の４議員を予算委員から外した。

　予算案は３１日の参院予算委で可決後、本会議に緊急上程。衆院本会議で同意を得て同日中に成立する見込みだ。衆院採決で賛成に回った日本維新の会は２８日の党会合で、再修正案への賛成を決定した。