ニコール・キッドマンの全身全霊の演技がすごい!女性目線でストレートに描いた性欲についての物語『ベイビーガール』

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2025年03月28日 20:00  Pouch[ポーチ]

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【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。

今回ピックアップするのは、ニコール・キッドマンさん主演映画『ベイビーガール』(2024年3月28日公開)。若いインターンと上司のセクシーな関係を描いた作品です。試写で鑑賞しましたが、ヴェネチア国際映画祭など多くの映画祭で主演女優賞を受賞したニコールの全身全霊の演技がすごかった!

では、物語から。

【物語】

ニューヨークで起業して成功したロミー(ニコール・キッドマンさん)はプライベートでは舞台演出家の夫(アントニオ・バンデラスさん)とふたりの娘とセレブな暮らしを送っていました。でもロミーは満たされない渇きを抱えていたのです。そんなときに出会ったのがロミーの会社にインターンとしてやってきたサミュエル(ハリス・ディキンソンさん)。

彼女は次第に彼から目が離せなくなり……。

【やり手のキャリアウーマンが実は……】

ハイブランドの衣装に身を包み、マンハッタンを闊歩するロミー。明るくセンスのいい会社と素敵な自宅など、まさにセレブライフを満喫中という感じなのですが、徐々に理想の暮らしの端々に綻びが見えてくるんです。夫はやさしくて家庭的。妻と娘たちに愛情をたっぷりだけれど、ロミーは夫に対してちょっと冷たい……。

何か不満でもあるのかな……と思っていたら、インターンとしてやってきた生意気な若者サミュエルと出会い、彼女は変わっていきます。サミュエルに「あなたは権力欲がある方ではない。逆に命令されるのが好きなはずだ」とズバッと言い当てられ、ドキドキするロミー。

そうなんです、彼女は支配されたいタイプ。だからロミーのことを大きな広い心で愛する夫が物足りないのです。彼女は強引に迫って欲しいし、マウントを取って欲しい。あれこれ命令されることに燃えるタイプだったんです。

【サミュエルの沼にハマっていくロミー】

だからサミュエルの挑発に「私は結婚しているし、彼の上司だし」と抗いながらも、心はグイグイとサミュエルに傾いていきます。そしてついに彼の若い体に落ちていく〜。表向きはロミーとサミュエルは上司と部下ですが、裏では立場が逆転してしまうのです。

【ニコールが全力でセクシーなシーンを体現】

そのロミーを体を張りまくって演じるニコールはすごかった。必要とあればヌードも辞さない肝の座った俳優だと思っていましたが、アカデミー賞受賞経験のある演技派ゆえに、エロチックなシーンは徹底してセクシーに演じきり、役者魂がスクリーンにほとばしっていました。

また彼女がサミュエルに溺れていくほどに、夫と娘、そして会社の仲間にバレたらどうするの?というハラハラ感が。ニコールは欲望に突っ走ってしまい、キャリアも家庭も危うくなっていくロミーの焦りもしっかり感じさせて……さすがです!

【女性監督が描く性との向き合い方】

本作はとてもセクシーな映画ですが、演出が女性監督というところが良きですね。男性目線で描かれたセクシーなヒロインではなく、女性目線でストレートに描いた性欲についての物語。エッチなレディーズコミックみたいな話だけれど、ちゃんとヒロインの内面が映し出された作品になっていると思いました。

が、しかし、逆にサミュエルについてはできる女性を征服したい生意気な若者という一面しか見られなかったのが残念。加えて個人的には「彼が相手なら落ちちゃうよね」というほどのオーラを感じられず……。それがリアルとも言えるけど、エンタテインメントとしては物足りなかった。やはり誰もが「おお!」と思えるような男子じゃないと!ドキドキさせてくれないと!

とはいえ、ちょっと刺激的な映画を見たい人におすすめしたい『ベイビーガール』。ニコール・キッドマンさんのセクシーな大熱演に圧倒されてください。

執筆:斎藤 香(C)Pouch

『ベイビーガール』
(2024年3月28日より全国ロードショー)
監督/脚本:ハリナ・ライン
出演:ニコール・キッドマン、ハリス・ディキンソン、アントニオ・バンデラス、ソフィー・ワイルド
配給:ハピネットファントム・スタジオ 原題:Babygirl
公式HP:https://happinet-phantom.com/babygirl/
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