佐原伸一氏、津田拓也、田中強氏 3月28日、スズキ株式会社は東京ビッグサイトで開催されている『第52回 東京モーターサイクルショー』でTeam SUZUKI CN Challenge(チームスズキCNチャレンジ)が2025年も鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦することを発表した。
MotoGPとFIM世界耐久選手権(EWC)からファクトリー体制を2022年に撤退させたスズキ。2024年からスズキ社内でのレース活動を復活させるべく、カーボンニュートラルアイテムを用いて鈴鹿8耐に参戦するプロジェクトが発足した。
レース部門が解体されていることから、有志なども含めてスズキ社内で選抜したメンバーを中心に構成され、ライダーはヨシムラSERT Motulからフル参戦しているエティエンヌ・マッソンを借りて、濱原颯道、生形秀之とスズキを走らせた経験を持つライダーを起用。マシンも事前テストではヨシムラから多くのパーツを借りていたが、本戦までにサステナブルアイテムが搭載されていき、レースを完走してデータを収集する目標だったが、それを大きく上回り、トップから4周差の総合8位でゴールした。
今年もゼッケン『0』で鈴鹿8耐のエクスペリメンタルクラスに参戦することが明かされたが、サステナブルアイテムの拡大やサステナブル燃料は40%から100%へ変更することも決まった。また、カーボンニュートラルへの取り組みがわかるようにカウルは漂白処理をせずに、茶色のまま使用するという。
ライダーは3名のうち津田拓也がテストライダーも兼ねて務めることが決まっている。昨年はマッソンも鈴鹿8耐のみチームスズキCNチャレンジから参戦したことから残り2名の発表が待ち遠しい。プロジェクトリーダー兼チームディレクターは佐原伸一氏、テクニカルマネージャーは田村耕二氏、クルーチーフは今野岳氏が務める。
佐原氏は「サステナブルアイテムが十分に機能するように開発を進めて、昨年の順位である総合8位をしのぐ結果を目指して、完走してデータを収集していきます。また、併せて課題を抽出して次のステップに繋げてまいります」と語った。
ブルーのレーシングスーツを纏って登場した津田は「まずはスズキのみなさんとレースできることに本当にうれしく思っています。このレース活動で応援してもらえるような、応援しがいのある強い走りをしたいと思いますので、是非とも応援よろしくお願いします」とスズキに戻ってきたことに喜んだ。
■鈴木俊宏(代表取締役社長)
「昨年の参戦は、我々にとって、全てにおいて新しい挑戦でしたが、ヨシムラジャパン様をはじめとする協力各社様のご尽力、ファンの皆様からの熱い応援を賜り、総合8位という結果につながりました。今年も、当社のサステナビリティに関わる技術開発の一環として鈴鹿8耐に挑戦いたします」
「これは単に活動の継続を意味するだけでなく、より高い目標を設定し、多くの課題を克服することを目的としており、パートナー企業様と一体となった製品作りを通してより良い未来の実現につながると考えています。皆様のご声援をよろしくお願い申し上げます」
■田中強(二輪事業本部長)
「昨年はチームスズキCNチャレンジとして、環境負荷低減を図りながら鈴鹿8耐という過酷なレースを完走したことによって、内燃機関やモータースポーツの将来に向けて意義のある一歩を踏み出すことができました」
「昨年の活動で明らかになった課題の克服とともに、本年はサステナブルアイテムの拡充を図り、更なるサステナビリティへの挑戦のための技術開発に取り組みます。CN=カーボンニュートラルの枠を超えて広く環境負荷低減をテーマに鈴鹿8耐に挑戦いたします。応援をよろしくお願いします」
●参戦車両 2025 チームスズキCN チャレンジGSX-R1000R
新開発エンジン、新開発空力部品を採用使用予定のサステナブルアイテム燃料:トタルエナジーズ Excellium Racing 100(100%サステナブル燃料)タイヤ:ブリヂストン 再生資源・再生可能資源比率を向上したタイヤオイル:MOTUL バイオ由来ベースオイルカウル:JHI 再生カーボン材(プリプレグ材)フェンダー他:トラス Bcomp(天然亜麻繊維複合材料 非漂白品 使用範囲拡大)前ブレーキ:サンスター技研 熱処理廃止鉄製ディスク、サンスター技研/東海カーボン ローダストパッドバッテリー:エリーパワー 車載 LFP バッテリー、ピット電源供給用蓄電池マフラー:ヨシムラジャパン 環境配慮型チタン TranTixxii-Eco 製サイレンサーユニフォーム:アールエスタイチ 100%再生生地のチームポロシャツ
●チーム体制
・チーム名:チームスズキCNチャレンジ・テストライダー:津田拓也・プロジェクトリーダー兼チームディレクター:佐原伸一・テクニカルマネージャー:田村耕二・クルーチーフ:今野岳
[オートスポーツweb 2025年03月29日]