ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)/2025MotoGP第3戦アメリカズGP 初日 3月28日、2025年MotoGP第3戦アメリカズGP MotoGPクラスの初日のプラクティスがサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロは11番手、アレックス・リンスは17番手となった。
2週間前の第2戦アルゼンチンGPでは、クアルタラロが予選で持ち前の速さを発揮し、決勝レースではスタート直後に接触して一時最後尾に沈むも14位でポイントを獲得。リンスも決勝で11位と今季初入賞を果たした。開幕2戦で着実な進歩をうかがえるヤマハは、2024年シーズンに苦戦した低温のコンディションでも速さを見せている。
迎えた第3戦アメリカズGPは冷たい雨降るなか開幕した。初日午前のフリー走行1回目は、気温17度、路面温度19度のウエットコンディションと今シーズン初のレインタイヤでの走行セッションとなった。ヤマハファクトリーチームのふたりは、ピットオープンと同時にコースインし、序盤から周回数を重ねた。
セッション中、ホームストレートから1コーナーへの急勾配を駆け上がる際に強烈な縦Gで車高が下がり、クアルタラロのマシンのアンダーカウルと路面が接触して火花を散らしながら走る場面も見られた。
残り20分を前にクアルタラロが2分15秒499で2番手タイムをマーク。終盤に入り、路面コンディションが良くなっていくと、ほとんどのライダーがタイムを上げ、クアルタラロが2分14秒531で14番手、リンスが2分15秒480で初日を折り返した。
現地時間午後3時から始まった60分間のプラクティスは、ほとんど雨が止み、コースの一部が乾きつつあるミックスコンディション。クアルタラロとリンスは、フロントにミディアム、リヤにソフトのレインタイヤを履いてコースインした。
セッション開始から約15分、レコードライン上が急激に乾いていき、ヤマハ陣営のジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)が2回目のランでスリックタイヤを投入し、トップタイムをマーク。すると、ファクトリーチームのふたりも残り30分を前にスリックタイヤ用のマシンに乗り換えてコースイン。両ライダーとも前後ソフトタイヤを選択した。
ウエットタイヤではほとんど走れずにノータイムだったクアルタラロだが、どんどん良くなる路面とともにスリックタイヤで好タイムを連発し、2分06秒337の6番手タイムを記録。好調な様子のミラーは、2歩05秒115でトップタイムをマークした。
残り10分を過ぎ、予選Q2へのダイレクト進出に向けて最終アタックへ。クアルタラロが2分04秒579で9番手に入るも、直後に他のライダーがタイムを更新して11番手。0.120秒差で予選Q2への直通切符を逃した。
リンスも同様に最終アタックまでタイムを縮めていき、2歩05秒927の自己ベストを記録したものの、周りのライバルの上げ幅に届かず17番手で初日を終えた。
ヤマハ陣営としては、サテライトチームのプリマ・プラマック・ヤマハMotoGPのミラーがプラクティスで好調な走りを見せ、2分03秒953で6番手に入り、予選Q2へダイレクト進出を決めた。アルゼンチンGPのスプリントで負傷したミゲール・オリベイラが欠場となり、代役で参戦するアウグスト・フェルナンデスは初日19番手となった。
スリックタイヤで好調な走りを見せたミラーとクアルタラロ。2番手から18番手までそれぞれ0.2秒以内の差で連なっており、土曜日の予選はとてもタイトな争いとなりそうだ。また、ヤマハ勢として課題となっているレースでの大きいタイヤデグラデーションは、開幕2戦までのデータを元にどこまで改善されたのか。ワンラップでの速さがあるだけにレースでの好結果にも期待したいところだ。
ファビオ・クアルタラロ(FP1:14番手、プラクティス:11番手)
「今日は午後は変な感じだった。最終的にあまり多くのラップを走れず、残念ながらQ2へのダイレクト進出に0.120秒届かなかった」
「もっと良い結果が出せたと思うけど、今日はそこ(11番手)に落ち着いたよ。明日の目標はもちろんQ2進出だ。簡単ではないかもしれないけど、全力を尽くすよ。明日は、完全なドライコンディションで速く走れるか確認したいね」
アレックス・リンス(FP1:18番手、プラクティス:17番手)
「今日はコンディション的にもトリッキーな日だった、特に午後はね。今朝はグリップが信じられないほど良かった。誰もウエットコンディションでこんなにグリップがあるとは予想していなかったと思う。でも午後になって、ウエットパッチが残っているなかでのスリックタイヤではミスをしやすくなった」
「でも、タイヤ交換のタイミングは正しかったと思う。バイクに跳び乗り、トラックに出て、自分のペースで走り始めると、どんどん速くなっていったよ。最後はQ2の位置には届かなかったから、この後も仕事を続けて、トラック内外で100%を尽くしていかなければならない。明日の午前中に乾いたコンディションで走るチャンスがあれば、それを活かしてセットアップをより良く理解できるようにしたい」
[オートスポーツweb 2025年03月29日]