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開始当初から賛否が飛び交い、視聴率でも苦戦したNHK連続テレビ小説『おむすび』。ついに最終回を迎えたなか、3月31日から新たにスタートする『あんぱん』への期待が高まっている。
今田美桜(28)がヒロインを務める同作は、北村匠海(27)演じる『アンパンマン』を生み出した漫画家のやなせたかしと妻の小松暢をモデルに、激動の時代を乗り越えて、人々に希望を与える国民的作品に辿り着くまでの夫婦を描いた物語。
脚本は『ハケンの品格』(日本テレビ)や『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』シリーズ(テレビ朝日)など、数々のヒット作を生み続ける中園ミホ(65)が手掛ける。
放送前から高い注目を浴びている同作に「期待しかない」と豪語する、TVコラムニストの桧山珠美さんに、その理由を解説してもらった。
「まず脚本家が中園ミホさんであることです。米倉涼子さん主演の『ドクターX』に松嶋菜々子さん主演の『やまとなでしこ』とか、ちょっと昔だと松雪泰子さん主演の『白鳥麗子でございます!』なども手がけるヒットドラマのストーリーテラーです」
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『やまとなでしこ』、『ハケンの品格』のようなドラマオリジナルの脚本も得意とする中園だけに、『あんぱん』のストーリーにも期待が高まる。
「しかも、朝ドラの脚本は『花子とアン』も書いているので2度目なんです。朝ドラは通常の3ヶ月のドラマと違って半年間も放送し続けるマラソンみたいなもの。そのため、コースの起伏や難所を分かっている経験者というのはポイントです。『花子とアン』も相当面白かったし、中園さんなら”きっと面白いだろう”という期待値がすごく高い人なんです」
脚本もさることながら、桧山さんが最も期待を寄せるのが豪華キャスト勢だ。
「ヒロインののぶ役が今田美桜さん(28)で、妹が河合優美さん(24)と原菜乃華さん(21)です。河合さんなんて日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を始め、あらゆる映画賞を総ナメして、さらにテレビでも『不適切にもほどがある』(TBS)で爆発的な人気に。妹役はもったいないくらいです(笑)
アニメ映画『すずめの戸締まり』の声優に抜擢された原さんも、CMで『すずめです』っていうあの声を聞くと癒されるじゃないですか。この3人の3姉妹、こんな贅沢なことってないですよね。最強の3姉妹じゃないかと思っていますし、おそらくそれぞれに物語があるように作られると思うので、見応えも3倍です!」
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豪華キャストは3姉妹だけにとどまらない。
「夫の柳井嵩役が北村匠海さん(27)で、その父親役が二宮和也さん(41)とこれまた豪華。さらに、一緒に暮らす伯父役が竹野内豊さん(54)で、そこに実母役の松嶋菜々子さん(51)が絡むとトレンディードラマを彷彿とさせます。のぶの祖父役として、『花子とアン』にも九州の炭鉱王・嘉納伝助として出演し存在感を放っていた吉田鋼太郎さん(66)がキャスティングされているのも興味深い。江口のりこさんの母親役も面白そうだと想像がつきますよね。
さらに若手で言うと、映画『少年と犬』で主演した高橋文也さん(24)もだし、柳井嵩の弟役の中沢元紀さん(25)もすでにブレイクしてますが、お茶の間に知られるという意味で、絶対ここでもう一段階ブレイクすると思います」
さらに、最も注視しているキャストの1人として阿部サダヲ(54)をあげる。
「屋村草吉という役名で、周囲からは”ヤムおじさん”と呼ばれているのですが、髪型や見た目がジャムおじさんそのもの! プロフィールに記された”風来坊のパン職人”、”2人の人生に大きな影響を与えていく”という説明も、今後の主人公たちの人生にどう関わってくるのだろうか? とワクワクさせます。
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また、のぶはドキンちゃんのモデルだったと言われています。だからのぶの衣装はオレンジ色なんです。ヤムおじさんがジャムおじさんでのぶがドキンちゃんなら、ほかにも色々出てくるんだろうなって。もしかして河合さんの青い服や原さんの緑の服は……って想像してしまいますよね。それが合っているかわからないけど、みんなが知っているアンパンマンだからこそ、リンクを見つける楽しさもあるし、上手な作りだと思います」
そして、やなせたかしの人生自体の面白さも挙げる。
「みんなが子供の頃からお世話になっているやなせたかしですよ。国民的漫画家で、『手のひらを太陽に』も書いた人だし、三越デパートの包装紙のデザインをディレクションしたのもそう。しかも、エピソードで戦争も挟んでいて、激動の時代が描かれます」
やなせは、自身の戦争体験を語った本『ぼくは戦争は大きらい』(小学館)で、《あのときにぼくが骨身にしみて感じたのは、食べる物がないことがどんなに辛くて情けないか、でした。いろいろ辛いことはあっても、空腹ほど辛いことはありません。アンパンマンが自分の顔を食べさせてあげるのは、このときの僕の体験があったからです》と明かしている。アンパンマンに大きな影響を与えたという戦時中の体験の描写には、要注目だ。
「その上で、ヒロイン夫婦は幼馴染という設定ですが、実際は就職先の同僚だったのでここは史実ではなくオリジナルなんです。実在のモデルとなった人たちはいるんだけれども、それをただ史実通りにやるのではなくて、ドラマとして面白く作ろうという覚悟が見えますよね」
放送100年、そして戦後80年を迎える2025年に放送される本作。制作陣の情熱も並々ならぬものが予想され、安心して視聴できる作品になりそうだ。
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