追い上げ劇再び。9台抜きでスプリント入賞の小椋藍「自信を取り戻すことができた」/第3戦アメリカズGP

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2025年03月30日 13:30  AUTOSPORT web

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小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)/2025MotoGP第3戦アメリカズGP スプリント
 3月29日、2025年MotoGP第3戦アメリカズGP MotoGPクラスの2日目のセッションがサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われ、小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は予選で18番手を獲得し、スプリントでは9位でフィニッシュしてポイント獲得を果たした。

 雨のなか開幕したアメリカズGP。初日に行われた午前のフリー走行1回目は、アプリリアのマシンに問題があったため、小椋もあまり走れなかった。プラクティスの途中からスリックタイヤを投入してからは、一時トップ10に割って入る場面もあり、14番手で終えて予選Q2へダイレクト進出を逃したものの持ち前の速さを発揮した初日となった。

 一夜明け、土曜日は朝から厚い曇に覆われ、気象予報通りのドライコンディションに。30分間のフリー走行2回目は、フロントにミディアムタイヤ、リヤにソフトタイヤを選択して、コースイン。一度タイムを出した開始5分ごろ、2コーナーで転倒してしまい、貴重な時間を失ってしまった。

 残り18分ごろにコースへ復帰した小椋は、直後に予選も控えていることもあり、慎重に周回を重ね、2分03秒679の19番手でこのセッションを終えた。

 続く予選Q1は、気温23度、路面温度27度。小椋はピットオープンと同時にコースインをしていく。タイヤはFP2と同じく、ミディアム/ソフトを選択した。各車アタックに入った開始6分過ぎにチームメイトのラウル・フェルナンデスが10コーナーで転倒してしまい、バリアの修復のため赤旗中断となった。

 全ライダーがノータイムのままセッションが再開。残り時間は8分36秒とアタックの機会は2回のみだ。リヤを新しいソフトタイヤに履き替え、再びQ2進出に挑み、まずは最初のアタックで2分02秒909で5番手に入る。しかし、最後アタックではタイムを縮められず、最終的に8番手にとどまり、スプリントと決勝は18番グリッドと後方からのスタートが決まった。

 午前から一転、日差しの差す青空の下でのスプリントを迎えた。後方からのスタートする小椋は、ほとんどのライダーと同じくミディアム/ソフトのタイヤを選択。スタート直後の混乱を抜けた小椋は、一気に14番手へ浮上する。4周目には、アレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)を抜いて13番手に上げた。

 その後、上位ライダーの転倒やトラブルもあり、残り4周に11番手につくと、翌周には前方のマルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)がコーナーで膨らんだところをパスして10番手と着実にポジションを上げていった。この時点で9番手のブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)は、小椋の約0.5秒前方を走っていた。

 入賞を目標に猛追する小椋は、ビンダーと0.2秒差で最終ラップに入った。小椋の好ペースはビンダーのミスを誘い、ついにヘアピンの11コーナーでオーバーテイクに成功した。9番手に浮上すると勢いをそのままに8番手のルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール)にも迫った小椋だったが、0.164秒届かず9位でフィニッシュ。9人抜きでポイント獲得を果たした。

 メインレースよりも短いスプリントにも関わらず、前戦アルゼンチンGPの決勝で最終的には失格となったものの15番グリッドから8位フィニッシュを上回る、18番グリッドから9位入賞という驚異的な走りを披露した。

 小椋がアメリカズGPのスプリントで魅せたこの結果は、今回こそ公式記録に残る追い上げ劇となった。倍の20周で争う決勝レースでは、18番グリッドからどこまで駆け上がる走りを見せてくれるのか、小椋の活躍に期待せずにはいられない。


トラックハウス・MotoGPチーム 小椋藍(予選:18番手、スプリント:9位)

「今朝まで本当に厳しい時間を過ごしていましたが、スプリントではかなり良い走りができました。チームは素晴らしい仕事をしてくれました。スタート後、いくつかのポジションを上げて、強いライダーたちの中で走り、彼らから多くのことを学びました。そして、レース終盤では、また何人かのライダーを抜くことができました」

「良いスプリントレースだったと思いますし、自信を取り戻すことができました。この自信は明日の決勝レースに向けてとても重要です。今日は本当に満足していて、明日にはもっと良い走りができると確信しています。ただ、後方からスタートするので、最初の3コーナーでトラブルを避けることが重要です。もちろん僕だけではなく、多くのライダーが周りにいるので果たしてどうなるか、といったところですね」

[オートスポーツweb 2025年03月30日]

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