ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)/2025MotoGP第3戦アメリカズGP スプリント 3月29日、2025年MotoGP第3戦アメリカズGP MotoGPクラスのスプリントスがサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロは6位でポイントを獲得。アレックス・リンスは15位でフィニッシュした。
大会初日は雨降るなかで始まり、午後のプラクティスはハーフウエットと1日を通して難しいコンディションだった。ライン上が急激に乾いていくなかで、ふたりはスリックで速さを見せたものの、惜しくも予選Q2ダイレクト進出を逃した。
迎えた2日目に行われた朝のフリー走行2回目は、完全ドライコンディションでの貴重な走行機会となった。クアルタラロはスリックタイヤで速さを見せて2分02秒945で7番手、一方のリンスは慎重さを優先し2分04秒153で19番手と下位に沈んだ。
直後の予選Q1は気温23度、路面温度27度。セッション開始とともにコースインするも、1度目のアタック中に他車が転倒。バリアの修復により、全ライダーがタイムを出せないまま赤旗中断となった。
再開後、全車がタイムを出し、クアルタラロは2分02秒113の2番手タイムをマーク。リンスは2分02秒500で4番手に入った。その後、クアルタラロは1コーナーでマシンがスナップし、あわや転倒しそうになるも見事セーブする場面も見られた。どのライダーも2回目のアタックでタイムをあまり縮められず、ふたりはポジションを維持。クアルタラロは2番手でQ2へ駒を進め、リンスは4番手で予選を終えた。
上位12グリッドを争う予選Q2ではQ1から徐々に日が差し、路面温度は30度に上昇した。1回目のランへコースインすると、2分02秒162で7番手に入った。2回目のランでは、最終アタックで2分02秒032と自己ベストを更新したものの、他のライダーの上がり幅を上回ることはできず、11番手で終えることに。予選8番手のジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)との差はわずか0.028秒であった。
クアルタラロはスプリントでポイント獲得が狙える11番グリッドを獲得し、リンスは決勝で入賞圏である14番グリッドからのスタートが決まった。
午後はさらに天気が良くなり、晴れ空の下、10周で争われたスプリントレースは、気温29度、路面温度46度とこれまでとは全く異なるコンディションとなった。
クアルタラロは、好スタートで5台抜き、6番手に上げるとオープニングラップでさらに2台抜いて、4番手に浮上する。リンスもスタート直後の混乱を潜り抜けて、11番手にポジションを上げた。
前と後ろをドゥカティマシンに挟まれながら奮戦するクアルタラロは、4周目の15コーナーでフランコ・モルビデリ、6周目の7コーナーではファビオ・ディ・ジャンアントニオとプルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チームのふたりに先行を許して6番手に後退。
しかし、置いていかれることなくペースを維持したクアルタラロは、数周に渡りVR46のコンビと抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げた。最終盤には離されてしまい、ポジションを取り返すことはできなかったものの、6位でフィニッシュ。貴重な4ポイントをチームにもたらした。
一方、リンスはペースが上がらず、4周目には17番手まで後退してしまう。その後は、ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)とバトルを続けた。リンスは、上位ライダーの転倒やリタイアの恩恵を受けつつも、残り2周でザルコをオーバーテイク。15番手にポジションを上げると守り切ってフィニッシュし、15位で大会2日目を終えた。
ヤマハ陣営としては、サテライトチームのプリマ・プラマック・ヤマハMotoGPのミラーがスプリントで14位。欠場となったミゲール・オリベイラの代役で参戦しているアウグスト・フェルナンデスは18位となった。
スプリントでヤマハワークスチームのふたりは、スタートで一気にポジションを上げて、その後に順位を下げるという展開自体は似通っていたものの、明暗別れる結果となった。ヤマハ勢ではクアルタラロの速さが突出している状況ではあるものの、日曜日の決勝はどちらも入賞圏内からのスタートだ。
チームとしてもカタールGPと続くヨーロッパラウンドへ勢いづけられるか、スプリント入賞に続き、スターティンググリッドよりも上位でのダブル入賞ができるのか、決勝レースのパフォーマンスに期待したい。
ファビオ・クアルタラロ(予選:11番手、スプリント:6位)
「今日は素晴らしかった! 今朝、僕らにより一貫性があることに気づいたし、アルゼンチンからの進歩を示すものだった。今日は自分の持っている全てを出し切ることができた。調子もかなり良くて、すごく楽しいスプリントレースだったよ」
「ストレートでのブレーキングはかなり良かった。これは自分たちの強みのひとつでもあるフロントも良く機能したので、それを使って有利に戦おうとした。でも、ターン15ではバイクを傾けながらブレーキングしなければならず、フロントをかなり押し込まなければならなかった。いくつかミスもしたけれど、今日は良いセーブもあった。バイクのバランスを改善するべく取り組んでいるから、明日はなにができるのか確かめたい」
アレックス・リンス(予選:14番手、スプリント:15位)
「バイクを止めるのに苦しんでいた。スタートはまずまずで、11番手に入ったけど、その後のラップでターン11と12で外に膨らんでしまった。これが原因で、一貫したペースで走ることができなかった。でも、チームは明日のために考えてくれているし、どこまでいけるか確認したいね」
[オートスポーツweb 2025年03月30日]