BS朝日『四分旧譜〜あの頃のボクと音楽と〜』に出演する(左から)わたせせいぞうと神尾楓珠 (C)BS朝日 俳優の神尾楓珠が、きょう31日放送のBS朝日『四分旧譜〜あの頃のボクと音楽と〜』(後10時30分)に、1980年代に「ハートカクテル」を発表し、一躍、時の人となった漫画家でイラストレーターのわたせせいぞうとともに出演。昭和・平成を彩った名曲の新たなMVに感動した。
【番組カット】昭和・平成の名曲について語るわたせせいぞうと神尾楓珠 同番組は、「昭和が輝いていたバブル時代に誰もが口ずさんでいた歌謡曲は、Z世代の若者にとって『新譜』だけれど実は『旧譜』の名曲」ということで、名曲とわたせの珠玉のイラストを融合させ、番組オリジナルの「ミュージックビデオ」を制作、紹介しながら当時を振り返る新しい形の音楽トークバラエティー。
大学卒業後は保険会社に勤務しながら、漫画家としての活動もスタートさせたわたせは、今年80歳を迎えた今も現役でイラストの制作を続けている。「『ハートカクテル』は自分の生活にはない話だから書けた」「毎朝のルーティンは、作業部屋で音楽をかけること」「常にチャレンジし続けて、自分自身に束縛されず常に自由な発想でありたい」など、いろいろなことを気さくに話すわたせに、最初は緊張していた様子の神尾も次第に打ち解け、さまざまな話が飛び出す。携帯電話の普及により、いつでも連絡が取れて、「待つ」ことがなくなった現代。自身のイラストに「遠距離恋愛」というテーマを課しているというわたせの話から、神尾が恋愛観について赤裸々に話す場面も。
また、TUBE「シーズン・イン・ザ・サン」、爆風スランプ「大きな玉ねぎの下で〜はるかなる想い」、ポルノグラフィティ「愛が呼ぶほうへ」という昭和・平成を彩った3曲それぞれと、わたせのイラストがコラボした番組オリジナルのミュージックビデオ(MV)を見た神尾は恋愛の曲とわたせさんのイラストのシンクロ具合がハンパないですね!」と感動する。
■わたせせいぞう、神尾楓珠 コメント
――収録を終えた感想をお願いします。
【わたせ】楽しかったです。上手に話せるかなと心配でしたが、神尾さんがいろいろな質問をしてくれるし、うまくリードしてくれて助かりました。
【神尾】初めての対談だったので、少し緊張しましたけど、わたせさんがすごく優しい方だったので、楽しくやることができました。
――昭和の音楽の魅力はどこにあると思いますか。
【わたせ】昭和の空気感が今とは違って、誰でも夢に向かっている時代だったし、みんな寛容だった。今はどちらかというと、◯か×かの世界。でも、昭和にはその間の△がありました。そうすると、ここでいいよという寛容さがありますよね。そういう寛容さが、にじみ出ているところが受けるのかなと思います。それと、やはり詩の内容がいいと思います。
【神尾】すごくストレートな曲が多いなという印象です。最近の歌は、まわりくどい表現をしたり、難しい言葉を使ったりすることが多いのかな…。昭和の曲はまっすぐでみんなに伝わる言葉で書かれているので、今の若者でも新鮮に感じるのかなと思います。
――わたせさんの年齢を感じさせない若さの秘訣もお伺いできますか?
【わたせ】年齢は忘れています。絵を描いている時は、20歳にも30歳にも戻れるので(笑)。あとは、いつまでもチャレンジ精神を忘れないことでしょうか。番組の中でも話しましたが、自分自身を束縛すると何もできなくなるので、できないことはないと思うようにしています。
【神尾】それは、僕たち俳優にも言えることですよね。わたせさんは、だからすごくお若いのですね!
――お互いに感じた共通点はありましたか?
【神尾】収録中に、サッカーのプレミアリーグがお互い好きということが発覚しました(笑)。わたせさんとは年齢も離れていますし、職業も全然違うのですが、こんなに柔らかく話してくださるのでありがたかったです。僕が主演した映画『大きな玉ねぎの下で』も見てくださっていて、人に対するリスペクトがすごくある方なんだと感じました。僕も、友情や絆みたいなものを大切に思っているので、その点が共通しているのかなと思いました。
【わたせ】神尾さんがおっしゃったように、「友達とは長い付き合いができる人間になりたい」というのは僕も思っています。そうなるには、自分が正しいことを言っていればついてきてくれるのかなと。自分から『仲間になろうよ』と言うのではなく、振り返るとついてきてくれている人がいる。神尾さんはその先頭にいる人なのではと思いました。
【神尾】そうなっていけたらいいな。
――お互いの印象をお聞かせください
【わたせ】途中から関係性が落ち着いたなと思いました。それは、神尾さんを見て感じました。僕はシャイなので最初はどうしようかなと思っていましたが…。神尾さんもシャイですよね。
【神尾】シャイですね…。僕も、最初はどう話せばいいのか探っていましたが、1時間くらいの収録で、こんなに距離が縮まるとは思わなかったです。
【わたせ】また、こういう感じで対談できたらうれしいですね。その前に、神尾さんが出演される新作映画を見に行きたいなと思っています。
【神尾】ありがとうございます!映画は、4月に『パリピ孔明 THE MOVIE』、5月に『かくかくしかじか』が公開されます。4月からのドラマ『PJ 〜航空救難団〜』(テレビ朝日)にも出演しますので、ぜひ見てください!
――Z世代の友達・後輩ができましたね。
【わたせ】本当ですね! 僕は大学で授業をしていたことがあるので、今日、神尾さんは生徒だという気持ちで接しようと思っていました。そうしないとどうしても、年齢差を感じちゃいますから(笑)。今日はありがとうございました。
【神尾】こちらこそ、ありがとうございます。
――今のZ世代・若い方にどんなイメージを持っていらっしゃいましたか?
【わたせ】スピード世代だなと思っています。いろいろな面で、ビュンビュン飛んでいるなと。「どうして立ち止まらないのだろう?」と思ったりしますね。
【神尾】確かになんとなく生き急いでいるというか、タイムパフォーマンス重視みたいな人が多いですよね。
【わたせ】少し間をおいて考えてみると、想像力が豊かになるのではと。それは、学生たちをみていて感じます。
――お二人にとって音楽はどういう存在ですか?
【神尾】音楽は、仕事やプライベート、どんな時にも通ずるものだなと思っています。いろいろな曲がありますし、その時々に合う曲が絶対にあるので、自分のことを歌っているんじゃないかと感じる瞬間とかも今までに何度もありました。これからも音楽に救われるというか、曲の力を借りて生きていけたらいいなと思います。
【わたせ】毎日、音楽からインスピレーションを受けて、イメージをもらって描いていますから、音楽はなくてはならないもの。ボーカルがあるもの、邦楽・洋楽、クラシックやジャズなど、どのジャンルも素敵だなと思って聴いています。常に僕は音楽から刺激を受けていますね。音楽は、一瞬でさまざまな世界に連れて行ってくれますが、イラストはそうではないので、そんな音楽と同じような存在にイラストもなったらいいなと思います。音楽とイラストは同じ立場にはなれないかもしれませんが、無理だと思わずに追いかけていく姿勢を忘れずにいたいです。