
毎シーズンのように放送される学園ドラマ。今期は松坂桃李主演の『御上先生』が話題になり、最終回を迎えた。そこで、これまで卒業シーンで泣いた学園ドラマを1000人の女性にアンケート。感動の涙を流させた名作とは?
4位はビッグカップル誕生のキッカケの作品
松坂桃李主演の『御上先生』(TBS系)がクライマックスを迎えた。
「《逆金八先生》をテーマに放送前から盛り上がったものの、内容は多方面に散らばって散漫な印象に。生徒メインの場面はつまらないものが多く、常盤貴子さんや岡田将生さんのサブストーリーのほうが見ごたえがあり学園ものとしては記憶に残らない作品になりそう」
と、ドラマに詳しいライターの津田春子さんが辛口評価。そこで、1000人の女性を対象に卒業が感動的だった学園ドラマをアンケート。
「菅田将暉の最後の説教が泣けた」(東京都・42歳)
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「インターネット社会を考えさせられた」(山梨県・33歳)
5位は菅田将暉主演の『3年A組 今から皆さんは、人質です』('19年・日本テレビ系)。
卒業まで残り10日となったある日、私立魁皇高校の3年A組担任・柊(菅田)が生徒29人を人質に学校に立てこもり、自殺した生徒(上白石萌歌)の死の真相を明らかにするため《最後の授業》を行うという学園ミステリー。
クラスメート役に永野芽郁や今田美桜、川栄李奈、福原遥、堀田真由など今では主役級クラスが集まっていた。
「ドラマの中での1日を1話という手法で最終回まで見せるやり方で、オチに賛否はあったものの、菅田さんの説得力で乗り切った印象があります。自殺した生徒を追いつめたのは誰なのか、で引っ張りましたがオチは結局インターネットという肩透かしな展開。誹謗中傷などの問題提起をしたかったという制作側の意図はわかりましたが。中高生には刺さった内容だったようなので、意味はあったと思います」(津田さん)
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すでに成人した視聴者らからは、オチにスンとされちゃった?
「学園ものといったらこれでしょう」(千葉県・40歳)
「卒業のイメージはないけど泣けた」(長野県・48歳)
4位にランクインしたのは反町隆史版の『GTO』('98年・フジテレビ系)。
伴侶となった松嶋菜々子も出演し、平均視聴率28.5%を記録した伝説の作品。昨年、26年ぶりにスペシャルドラマが放送され、夫婦共演も話題に。
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「ブレイク前の小栗旬さん、窪塚洋介さん、藤木直人さんなどが出演していてお宝的な作品としても有名。元暴走族のリーダー・鬼塚英吉が規則よりも人として大切なものを生徒らに教えていく。一歩間違えると陳腐になりそうですが、反町さんの魅力と松嶋さんの可憐さ、生徒役の窪塚さんなどのサラッとした感じがうまく時代にマッチした。
逆に、'12年に放送されたEXILEのAKIRAさん版は生徒役に本田翼さんや中川大志さん、山田裕貴さん、森本慎太郎さんなど豪華なキャストにもかかわらずコケてしまった。原作漫画のファンたちの間ではAKIRAさん版GTOのほうが原作寄りと評価は高かったのですが」(津田さん)
やっぱり反町が歌う主題歌『POISON』がなければ、GTOじゃない?
「主題歌を聴くだけで泣ける」(福岡県・39歳)
「熱血教師とイケメンたちはずっと見ていられる」(大阪府・42歳)
2位は「どのシリーズもハズレなし」
3位は『ROOKIES』('08年・TBS系)。
二子玉川学園高校(通称ニコガク)へ赴任してきた新人教師・川藤幸一(佐藤隆太)が弱体化した野球部の面々を立ち直らせ、甲子園を目指して奮闘していく姿を描いた。いわゆる学園ドラマというよりも野球ドラマの面が強いが……。
「熱血教師が不良を更生させていく、というのは学園ドラマでは王道のセオリーです。安仁屋役の市原隼人さんをはじめ生徒たちが皆ハマっていた。桐谷健太さんや高岡蒼甫さんなどは当時もう20代後半でしたが、オッさんみも含めて不良生徒に合っていたと思います。それぞれのキャラが立っていて熱血の佐藤隆太さんが引っ張っていく構図がとても良かった」(津田さん)
映画版もヒットし、現在も伝説のドラマとなっている。
「赤ジャージの仲間由紀恵が最高」(埼玉県・40歳)
「どのシリーズもハズレなしですごい」(宮城県・50歳)
理想の先生ランキングで1位にもなった『ごくせん』が2位にランクイン。
任侠集団・大江戸一家で育った熱血高校教師、山口久美子(通称ヤンクミ)を仲間由紀恵が演じ、第1シリーズは生徒役に松本潤、小栗旬、成宮寛貴などを迎え平均視聴率23.5%のヒット。
第2シリーズは亀梨和也、赤西仁、小池徹平などを生徒役に平均視聴率28%。第3シリーズの生徒役には三浦春馬さんや三浦翔平を迎え、社会現象に発展。'09年に映画化もされ興行収入は34億円を突破した。
「仲間さんをはじめ、キャスティングが最高でしたよね。ヤンクミを彼女が演じることでぶっきらぼうな言葉も下品にならない。第1シリーズは原作に忠実でしたが第2シリーズからはほぼオリジナル。シリーズになると尻すぼみになっていく作品が多いなか、どのシリーズもそれぞれにファンがついていて、甲乙つけがたいのは珍しい。全シリーズ卒業までをちゃんと描いていて、それぞれのシーズンの生徒の成長と旅立ちに涙した視聴者も多いのでは?」(津田さん)
先の見えない今こそ、ヤンクミ先生が必要?
「卒業といえばこれしかない」(福岡県・55歳)
「最後に生徒たちが素に戻って泣いているのが感動する」(静岡県・46歳)
1位は伝説の学園ドラマシリーズ
1位は昭和〜平成の、どの世代も知っている『3年B組金八先生』。武田鉄矢演じる坂本金八が3年B組のさまざまな問題と向き合っていくシリーズ。
「金八は第1、第2、第5、第6シリーズが人気ですね。特に第5シリーズの風間俊介さんが演じた兼末健次郎は人気で、今でも風間さんのことを兼末と呼ぶ人が多い。上戸彩さんが性同一性障害に悩む女子中学生を演じた第6シリーズもインパクトが強かった。
最終回に武田さんが生徒役の子たちを素に戻すためにメッセージを送るのですが、そのときに生徒役の子たちが役を捨てて泣くんですね。これは好き嫌いが分かれますが、1位ということはこの演出が好きな視聴者が多いのでしょうね」(津田さん)
第1シリーズの生徒役だった三原じゅん子議員は、坂本金八から何かを学んだのだろうか。
「卒業が感動的な学園ドラマは結局、人気だった学園ドラマですよね。今回ランクインした作品を見てみると生徒のエピソードが魅力的で充実している作品が多い。『御上先生』のようにサイドストーリーが面白いようでは記憶に残らないかもしれませんね。
他にも先生役が強いという意味では天海祐希さんの『女王の教室』(日本テレビ系)、寺尾聡さんの『仰げば尊し』(TBS系)なども票を集めていました。『仰げば〜』は寺尾さん演じる教師が余命いくばくもない中、不良たちを音楽の道に目覚めさせるという感動的なストーリーでした。村上虹郎さんや北村匠海さん、新田真剣佑さんなど生徒役も良かったしもう少し票を伸ばしても良かったなと思いますね」(津田さん)
昭和と平成の作品ばかりになってしまった今回のランキング。令和の泣ける学園ドラマの登場が待ち遠しい?