
この記事では、後半4曲(デュアン・エディ)について語ったパートを紹介します。
◆「Rebel Rouser」Duane Eddy
◆「The Lonely One」Duane Eddy
「村上RAIO」今夜は2人の伝説のギタリスト、チェット・アトキンスとデュアン・エディの音楽をお送りしています。
デュアン・エディ、正確にはドウェインと発音するんじゃないかと思うのですが、まあ、別にどっちでもいいです。1938年にニューヨーク州で生まれ、2024年4月に亡くなりました。86歳でした。若い頃はジェームズ・ディーンを思わせるシャープなマスクで人気を博し、俳優として映画に何本か出演しています。チェット・アトキンスが南部の田舎町のおっさん風のもっさりした風貌だったのとは対照的ですね。もちろんそちらはそちらでそれなりの味わいがあるんですけど。
デュアン・エディの演奏スタイルは「Twangy Guitar(トゥワンギーギター)」呼ばれていました。「Twang」というのは楽器の弦をビンビン鳴らすことで、低音弦を深く震わせる個性的な奏法のせいで、Twangはエディの代名詞のようになりました。このスタイルはベンチャーズやシャドウズにも影響を与えています。派手なテクニックを見せびらかすのではなく、あくまでクールにギターをうならせるのがエディの売りになっています。かっこいいです。実を言えば、僕はずっと彼のギター・サウンドを携帯の着メロに使っております。
そんなTwangyぶりが遺憾なく発揮されている初期のヒット曲を2曲聴いてください。まず「Rebel Rouser」、これはエディとリー・ヘイズルウッドが共作した曲です。1958年5月に全米ヒットチャートの6位にまで上がり、ミリオンセラーを記録しました。Rebel Rouserは、反逆児、騒動を起こすやつ、みたいな意味ですね。エディの野太いギターに、サキソフォンをからめたスタイルが、これ以降の定番となります。そして続けて、メロディアスな「The Lonely One」、これもエディとヘイズルウッドの共作です。
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◆「Shangri-La」Duane Eddy
デュアン・エディとチェット・アトキンス、演奏スタイルも音もずいぶん違いますが、2人ともグレッチというメーカーのギターを愛用していました。グレッチ社はチェット・アトキンス・モデルと、デュアン・エディ・モデルという特別モデルを発売しています。
グレッチは60年代にギブソンとフェンダーに押されて経営不振に陥り、生産をやめたんですが、今では復活してリイシュー・モデルを生産しているということです。僕はギターには詳しくないので、どこがどう違うのかまったくわかりませんけど。
英国の前衛的グループ、アート・オブ・ノイズが1986年に、デュアン・エディのギターを大々的にフィーチャーして「ピーター・ガン」をリリースし、ヒットさせています。もともとは1960年にエディがヒットさせた曲だったのですが、これをダンス・ミュージックに作り替えていて、とても楽しい演奏になっています。でもこのアート・オブ・ノイズとの演奏は、以前おかけしたことがあるので、今日はオリジナルの演奏で聴いてください。こちらもかっこいいです。低音弦がなにしろビシビシ効いていますね。
それからこれも低音弦を余すことなく響かせる「シャングリラ」を聴いてください。レターメンの歌で有名になった古いバラード曲です。
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3月30日(日)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 4月7日(月)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:村上RADIO〜二人の伝説のギタリスト チェット・アトキンスとデュアン・エディ〜
放送日時:3月30日(日)19:00〜19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
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