5月「團菊祭五月大歌舞伎」「六月大歌舞伎」(いずれも東京・歌舞伎座)で、8代目尾上菊五郎を襲名する尾上菊之助(47)、6代目尾上菊之助を襲名する尾上丑之助(11)が31日、東京・神田明神で、襲名披露のお練りを行った。神田明神でお練りが行われるのは初めてで、関係者含め約2000人が見守った。
みこし、木やり、まとい、芸者衆や、音羽屋一門、関係者ら総勢250人が、お練りの隊列を組み、境内へ進んだ。
境内では、ヒップホップミュージシャンのZeebraが初代菊五郎からの音羽屋の歴史をラップに乗せて語るというパフォーマンスが行われた。「東西エブリワン! オレが音羽屋の歴史を語るぜ。聞いてくれるよな」と呼びかけ、拍手と歓声を受けた。
菊之助と丑之助は観客の手拍子に乗って、本殿で待つ菊五郎(82)の元へ向かうと「音羽屋!」「8代目!」「6代目!」などと、一斉に声がかかった。
菊之助は「1歩1歩、歩みを進めるとともに、8代目菊五郎、6代目菊之助になる決意が固まり、高潔な気持ちで身が引き締まる思いです。これからも攻め続ける歌舞伎の精神、かぶく姿勢を忘れず、先人たちの教えを守り、力強く進んでまいります」とあいさつした。
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丑之助も「菊之助になる決心が固まった気がします。これからも一層努力をしますので、名前に負けない役者になります」と話した。
菊五郎は「(菊五郎の歴史を)軽妙な語り口で紹介してくださって、本当におもしろかったです」と笑みを浮かべ、「末永く両人をごひいき、お引き立て、ご指導、ご鞭撻(べんたつ)のほどよろしくお願いします」と、菊之助、丑之助を見やった。
その後、襲名披露興行の成功祈願、菊之助、丑之助による「七福神」の奉納舞踊が行われた。
終了後、菊之助は報道陣の取材に応じ「7代目と8代目菊五郎が並び立って、音羽屋一門で頑張っていきたい」と、あらためて決意を示した。
音羽屋の歴史の語り部となったZeebraについては「父から、お練りに来てくださった人に音羽屋の歴史を説明をしてくれる人はいないか、という提案があった。実はZeebraさんのお母さまと父に交流があって、私も小さいころにZeebraさんにお会いしたことがある」と明かした。「ただ目立ちたい、派手という訳ではなく、ノリという言葉も歌舞伎からですし、韻を踏むのも歌舞伎のせりふではよくある。伝統と現代のラップという意味のある掛け合わせをさせていただいて、お客さまに楽しんでいただくということができ、良かったと思います」と語った。
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4月29日に歌舞伎座で行われる「古式顔寄せ手打式」で8代目菊五郎、6代目菊之助を正式に襲名する。
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