坂本昌行、ミュージカルでNEWS増田貴久と親友に、自身の過去ともリンクする役どころ語る

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2025年04月01日 10:10  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

坂本昌行 撮影/矢島泰輔 スタイリング/柳田明子 ヘアメイク/染谷誠(Lit)

現実を見て安定を求める気持ちは、僕にも経験があるので非常によくわかります。僕も夢を求めて事務所に入ったはいいけれど、現実を思い知って事務所を辞めて、でもやっぱりエンタメの世界が忘れられずに戻ってきたので

 ステージ・パフォーマーだったが夢を諦め農場を営む主人公のジムを演じる坂本が、彼に共感できると語った。ジムは夢が諦められず、田舎でショーを始めることになる。

 若いころに一度は事務所を辞めサラリーマンをしたが、夢を諦められずに事務所に戻ったという過去がある坂本は、

エンタメの世界に一度でも触れた人は、“やっぱりエンタメをやりたい”という思いは必ずどこかにあると思いますし、そうじゃなくても良い思い出として語ってしまうことがあると思うんです

 と、ジムと自身を重ね合わせて回顧した。

 今作は夢と愛が複雑に交差する物語だ。ジムの恋人は、夢を追い続けた親友のテッド(増田貴久)と恋仲となるが、結局は破局。その後テッドは、ジムの新恋人のパフォーマーに目をつける。

「ジムは、夢だけでは食べていけないと現実を見ました。でも親友のテッドのような、自分とは真逆な、感性だけでそのまま突っ走って素直に生きている人間をどこかしらで羨ましく感じていると思うんです。

 そんな彼に振り回されながら、精神的に助けられている部分もある。あらすじだけ見ると“本当に親友なの?”と思うかもしれないけど、お互い持ちつ持たれつの関係なんだろうなって。

 そんな相棒役をせっかく同じ事務所のふたりが演じるので、つくられた空気感ではない、僕と増田の関係性も感じてもらえたらなと思います

余計なことはやらない

 約30年にわたって数多の名作ミュージカルに出演し続け、確かな演技力と歌唱力を見せてきた坂本。演じる際に大切にしていることを尋ねると、

その役の軸をまず見つけて、あとは余計なことをやらないことです。面白い作品って、台本に書かれているようにやれば面白くなるんですよ。そこに自分の経験値なんかを下手に足していくと、本来の役とはまた違うものになってしまう。だから余計なことはなるべくやらない、ということを大切にしています

 そのポリシーは、過去の経験からくるのだろうか。

「前にアメリカンコメディーをやったときに、日本の笑いとアメリカンコメディーが違うとわかりながらも、もっと面白くしようと笑いを追い求めてしまって。そうなっちゃうと作品自体がお客さんに伝わらないなと感じたことがあるんです。

 だから99%は作品に忠実に、あとの1%は、せっかく僕のフィルターを通しているんだからということで、ほんの少し要素を足すくらいです

 最後に今作への意気込みを尋ねると、

「作品も音楽も素晴らしいので、根を詰めて稽古に打ち込むというよりは、笑顔で楽しみながらやっていきたいと思います。僕らが心から楽しまないとお客さんに伝わらないと思っているので、そこを一番大切にしていきたいです

 と、おだやかに微笑んだ。自身の過去ともリンクする役どころをどう演じるのか、夢の世界に戻ってきた坂本が魅せるエンタメに期待だ。

大事なものを奪われた経験は?
「気に入って買い取りたいなと思っていた衣装を、他のメンバーに既に買い取られていたことがあります。その時はすぐに“あ、これいいもんね”って言って譲りました。同じものを買って、現場でおそろいになっても嫌ですし(笑)」

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