多部未華子、子育ては「想像以上に大変。手探りで進む毎日です」 主演ドラマ『対岸の家事』インタビュー

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2025年04月01日 11:00  ORICON NEWS

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火曜ドラマ『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』の場面カット(C)TBS
 俳優の多部未華子が主演を務める、TBS系火曜ドラマ『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(毎週火曜 後10:00)。『私の家政夫ナギサさん』(2020年)以来、約5年ぶりに2度目のTBS火曜ドラマの主演を務める多部にインタビュー。実生活でもママである多部が明かす共感や子育ての悩みのほか、作品の見どころなどを語ってもらった。

【写真あり】“一人娘”とお砂場遊びを楽しむ多部未華子

――本作への出演オファーがあった際の心境や原作を読んで、どんな感想を持ちましたか?

子どもを持つ専業主婦という、これまであまり演じる機会のなかった役柄だったのでオファーをいただいてうれしかったです。こういう役をやりたかったと思っていましたし、自分にとって新境地だなと感じました。今の時代に専業主婦が主役というのは新しいですよね。

原作を読んだ最初の感想は「共感することが多すぎて、ドラマで描けるのかな?」でした。それくらい日常生活で起こる子育ての小さな悩みや家事の悩みなど、とてもリアルに描かれているんです。脚本では、そういったリアルな悩みの数々をポジティブに前向きに捉えられるように後押ししてくれるストーリーになっています。

――詩穂を演じる中で、役柄に対する印象が変わったことはありますか?

私は専業主婦ではないので、仕事があると子どものことは旦那さんに任せることが多いのですが、仕事がない時は子どもと一緒に過ごしたり、家事をしたりしているので、詩穂の専業主婦ぶりについては特段理解できないことはなかったです。

その中で詩穂が「専業主婦になりたい」と言う理由について、台本を読みながら掘り下げる作業をしています。「家族のために“家事をすること”を仕事にしたい」と専業主婦を選択した詩穂の気持ちに徐々に共感してきました。こういう考え方もあるんだなと思いながら撮影しています。

――特に共感したところはどこでしょうか?

子育てをしているママたちとつながりたいという思い。私も妊娠中から子どもが0歳くらいの頃は特に感じていたことなのですが、ずっと家にこもっていると話し相手がいないんです。なので、私は自分の子どもと同じ月齢の子どもを持つママのつぶやきをよく見ていました。「なんでこんなにミルクを飲んでくれないんだろう」と思ってつぶやきを見てみると同じ思いをしている方たちがいますし、夜中の3時に起きてしまったら同じように子どもに起こされている方たちがいて。それを見るだけでも1人じゃないと思えるんですよね。「働くママとは話が合わない」「専業主婦は生きづらい」というつぶやきを見て、この作品がそんな方々にも届けばいいなと思いました。最近子どもを産んだ友人にも、ぜひ見てもらいたいと感じるほど。今まさに子どもと向き合っている方に届いてほしいです。

――実際に子育てをする中で、想像と違ったことはありますか?

全部違いますね。想像以上にどれも大変です。1人の人格を育てるにあたって、何が正しいのか間違っているのか分からないまま、手探りで進む毎日です。自分たちの家族なりの答えを見つけなくてはなりませんが、それが世間からずれているかもしれないし、合っているかもしれないし。だから、子育てに「分かった」と思えた瞬間は一度もないんです。栄養の与え方から何から何まで、本当に分からないことばかり。経験者に相談をしたり、YouTube動画を参考にしたりすることもありますが、それでもやっぱり分からない。でもそれ以上に子どものかわいさが上回るんです。こういった感情になったのも初めてですね。

――その中で支えてくれる存在はいますか?

母親からはプラスになることを参考にしています。でも一番は家族ですかね。特に旦那さんとは子どもが寝た後に夜遅くまで話すことがあるんです。そこで自分が考えている子どもに対する見方や育て方が合っているのか、確かめ合うわけではないけれど一番身近にいる人が同じ考え方を持って子どもと接していることが分かると良かったなと思えます。

――自分の子育てとリンクするシーンはありますか?

1話で働くママ・長野礼子さん(江口のりこ)と詩穂が対峙するシーンがあるのですが、両方の気持ちがすごく理解できました。2人が「世界からすごく孤独」だと感じる場面は、決して大げさではなく、私も本当に孤独を感じることがあります。それは、子どもとずっと向き合っている時間でも、礼子さんのように職場での居場所がないと感じる時でも同じです。

このシーンの2人のセリフは、私にとって非常に重く、誰にも話せない心境を全て吐露しているように感じました。このドラマにはそのようなシーンが多いのですが特にそのシーンは印象に残っています。

――江口さんとは『これは経費で落ちません!』(NHK)以来の共演ですね。

私は江口さんのテンションが大好きです。この現場では、長野家の末っ子・星夏ちゃん(吉玉帆花)を抱っこひもでずっと抱っこしているので、あまり積極的に話しかけないようにしているのですが、「抱っこひもが苦じゃない」と言っていて驚きました。私は腰が痛くなるから苦手だったのですが、本当に平気そうなんですよね。今度、本音を聞いてみます。

――ディーン・フジオカさん演じる育休中のエリート官僚パパ・中谷達也と詩穂は対立していく役柄ですが、ディーンさんとの共演はいかがですか?

ディーンさんはお会いする前からとてもカッコいいなと思っていましたが、実際も変わらずカッコいい方です。中谷のようにフラットで、あまり波がない感じがします。現場でまだ3人のシーンが少なく、江口さんとディーンさんのお2人が話している姿を見ていないので、どんな会話をするんだろうと興味があります。

――詩穂の夫・虎朗役は一ノ瀬ワタルさんが演じられます。パパぶりはいかがですか?

とても素敵なパパです。苺役の永井花奈ちゃんと積極的にコミュニケーションを取っていて、パパとして娘と向き合おうとしている姿をいつも見ています。一ノ瀬さんはバルーンアートが得意みたいで、顔合わせの時から花奈ちゃんに風船で犬を作ってあげていたり、よく風船おじさんになっています。なので、花奈ちゃんが一ノ瀬さんを追いかけていますね(笑)。

――多部さんは花奈ちゃんとどのようにコミュニケーションを取っていますか?

アニメの話をすることもありますし、この間、花奈ちゃんから絵をプレゼントしてもらったので家に飾っています。ですが、まだ距離感を模索中です。親子役なのでなあなあになってもいいとは思うのですが、1人の役者として接することも大事なのかなと思って、そのあんばいが難しいと感じています。花奈ちゃんはすごくしっかりしていてパワフルですね。他の子役の子もみんな元気いっぱいで一生懸命頑張っていますよ。しっかりと演技をする時は演技して、遊んだり、時には泣いたり。子どもらしい一面もたくさんあるので、どうやってバランスを保っているのか気になりますし、きっとご両親も大変なんだろうなと思います。

――作品の見どころと視聴者へメッセージをお願いします。

より多くの方、特にたくさんのご家族に届けたいと思いながら、作品に取り組んでいます。家族の形や価値観、子どもとの向き合い方、夫婦の関係などは人それぞれ違います。そんな中で、ひとつの言葉やシーンが誰かの救いになったり、共感を生んだり、家族で話し合うきっかけになればうれしいです。人生を大きく変える作品ではないかもしれませんが、小さな一歩を後押しするようなドラマになればと思いながら撮影しています。明日からも「私たちなりに頑張ろう」と思える作品になれば幸いです。

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