
『めざまし8』が3月末で放送4年の節目に幕を閉じ、新たに『サン!シャイン』がスタート。カズレーザーと武田鉄矢、谷原章介がスペシャルキャスターを務める。『ワイドナショー』も3月末で11年の歴史に終止符を打つ。情報番組は長寿で帯番組が多く、もう見飽きた!という視聴者も多いはず。いいかげん終わってもいい情報番組の1位は、大不評の司会者のあの番組!
第6位は「みんな偉そう」な朝の情報番組
元タレント・中居正広氏の女性問題に端を発したフジテレビ騒動は、第三者委員会による調査中で終わりは見えていない。椿原慶子アナと永島優美アナが3月末で電撃退社、さらに入社3年目の岸本理沙アナの退社報道も出るなど揺れるフジテレビ。
また、『ワイドナショー』『めざまし8』といったフジテレビの情報番組が3月末で終了。『ワイドナショー』の後番組には、サンドウィッチマンがMC、狩野英孝が進行の『かのサンド』、『めざまし8』の後番組はカズレーザーと武田鉄矢、谷原章介がスペシャルキャスターの『サン!シャイン』がスタート。新しい風を吹かせようと模索しているようだ。
フジテレビに限らず、テレビ業界では代わり映えしない旧態依然の情報番組のオンパレード。SNSでは、
《朝から晩まで大谷翔平の話題ばかりで、もう飽き飽き》
|
|
《ほかに報じるべき重要な問題があるはず》
など、あきれ声も少なくない。
そこで今回、編集部では「もう終わってほしい情報番組」をテーマにアンケートを実施。30代〜60代の男女500人から回答を得た。全国の視聴者から集まった、厳しい声の数々を紹介したい。
第6位は、同数で2番組がランクイン。まずは『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)。『モーニングショー』自体は'64年に放送開始した長寿番組で、歴代司会者の中でも故・木島則夫氏、武見敬三氏はのちに政治家へと転身。
司会者が代わるタイミングで何度か番組名を変えながらも、'15年に『モーニングショー』の名が約22年ぶりの復活。羽鳥が11代目の総合司会に抜擢された。
|
|
「羽鳥だけでなく、コメンテーター陣もみんな偉そう」(福井県・35歳・女性)
「玉川徹氏による誤報が多い印象」(東京都・64歳・男性)
など、アンケートでは出演者への苦言が相次いだ。
「10年間MCを務めた羽鳥さんを筆頭に、玉川さん、石原良純さん、長嶋一茂さんと、相も変わらずの顔ぶれ。スタジオでの慣れ合いの雰囲気も見苦しく、マンネリ化は否めません」(テレビ誌記者)
つい先週も、玉川氏が今後の年金支給額について『減らされてもしょうがない』などと発言。“金に困っていない人間だから言えること”だと、SNSで非難される事態に。視聴者とのズレに気づかない、コメンテーター陣の“上級国民”ぶりに視聴者も嫌気がさしているようだ。
|
|
第5位は「何がしたいのかよくわからない番組」
もうひとつの6位は『クローズアップ現代』(NHK)。こちらも'93年から30年以上続く長寿番組で、'22年からは局アナの桑子真帆が司会を務める。
「なんとなく好きじゃない」(鹿児島県・40歳・男性)
「数年前から見る気がしなくなった」(東京都・51歳・男性)
と、漠然とした理由で嫌う人が多いのも気になる。
「ジャーナリストの国谷裕子さん、局アナ時代の武田真一さんがMCだったころに比べ、番組のクオリティーがずいぶん下がったイメージ。公共放送とはいえ、予算や人事面で国の顔色を見ながらの忖度報道も目立ちます。視聴者離れの大きな原因でしょうね」(フリージャーナリスト)
扱うテーマも、国内の政治に関するものは極端に少ない印象。若い視聴者層を意識してか、1月にはラッパーの「ちゃんみな」をクローズアップするなど、何かと迷走中だ……。
第5位は、博多華丸・大吉がメインキャスターを務める『あさイチ』(NHK)がランクイン。
「何がしたいのかよくわからない番組」(東京都・60歳・男性)
など、男性からの不評の声が多く集まった。
「特集テーマが推し活だったり、ムダ毛処理だったりと、あからさまに女性をターゲットにしています。男性の支持はハナから意識していないのかも(笑)」
とは、漫画家でテレビウォッチャーのカトリーヌあやこさん。同時間帯の視聴率としては、『羽鳥慎一モーニングショー』とトップを争う形ではあるが……。
「番組スタートからもう15年、華大さんが司会となって丸7年と、新鮮さが薄れていることは確か。同じ時間帯で、時事ネタを扱わないバラエティーの『ラヴィット!』(TBS系)に流れている視聴者もかなりいると思われますね」(カトリーヌさん、以下同)
4位は、放送32年目に突入する『めざましテレビ』(フジテレビ系)。
第3位は「毎日同じことをやっている」あの番組
「単純に、もう飽きた」(北海道・44歳・男性)
「フジテレビ自体が終わっているし、見たくない」(京都府・44歳・女性)
と、身もふたもない理由が並ぶ。
「局を代表するエースアナらがずらりと登場し、朝から“身内ノリ”を見せつけられるこの番組は、まさにフジテレビの象徴。みなさんのコメントもうなずけます」
'00年から深夜枠で放送された、フジテレビ女子アナによる“パン”シリーズを覚えている読者も多いのではないだろうか。
千野志麻アナウンサーがMCを務めた『チノパン』を皮切りに、高島彩の『アヤパン』、生野陽子の『ショーパン』、加藤綾子の『カトパン』など、17年間で10番組を展開。同局女子アナの出世番組とされていた。
「この“パン”シリーズのMC10人のうち、実に9人が“めざまし”のレギュラーに昇格しているんです。女子アナをアイドルのようにもてはやす風潮が、“めざまし”にも色濃く反映されていたといえるでしょう」
若さと美貌を良しとする、日本的な“女子アナ文化”の生みの親とされるフジテレビ。時代が変わりジェンダーへの意識が変化するなかで、いつまでも昭和のバブル感覚を引きずっていたことが今回の騒動の一因のようにも思える。
「内輪のアナウンサー同士でキャッキャとじゃれ合う、“めざまし”のスタイルそのものがもう時代とズレていると思います。放送開始以来30年以上変わりませんが、いつか気づく日は来るのでしょうか……」
第3位は、放送14年で南原清隆が総合司会の『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)。
「毎日同じことをやっている印象」(大阪府・54歳・男性)
「韓国推しはもういい」(青森県・44歳・女性)
と、お決まりパターンにツッコミの声が多数。
「全国ネットなのに、新大久保の韓国グルメや北関東の道の駅など、最近は関東近郊のロケばかりの印象です。それ以外も、100均の便利グッズやショッピングモールでのファッションチェックなど、いつ見ても同じような企画。これでは視聴者もさすがに飽きてしまいますよね(笑)」
昼の同時間帯では、『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)が視聴率トップに。安定の人気を誇っている。
1位は2位にトリプルスコア以上の差!
「MCのナンチャンも還暦を迎え、番組の新鮮味が薄れるのも仕方ない。司会進行を水卜ちゃん(水卜麻美)が務め、レギュラーにオードリーがいたころが番組の絶頂期だったように思います。思い切ったリニューアルをするしか再生の道はなさそうですね」
第2位は、関西圏を中心に西日本地域で放送中の『上沼・高田のクギズケ!』(読売テレビ・中京テレビ)。西の女帝・上沼恵美子が司会を務め、日曜の同時間帯ではトップの視聴率を誇っている。今回のランク入りは意外だが、
「上沼がうるさい」(北海道・61歳・男性)
「上沼に共感できないし、怒りを覚えることもある」(京都府・61歳・男性)
と、上沼の同世代である60代の男性陣からは嫌悪の声が多いよう。
「女性視聴者の人気はいまだに高いのかもしれませんが、画面からどうにも上沼さんの“圧”を感じてしまうんですよね」
芸能ジャーナリストなどのパネリストや、さまざまなゲストらと、旬のニュースを番組独自の切り口で分析。軽快な上沼節が小気味良いが、「ゲストが上沼さんに物申せない雰囲気が漂っている」
とカトリーヌさん。
「以前、上沼さんは『私がキツイことを言うのは芸人に対してだけ。それをうまく返せないようなら芸人を辞めたほうがいい』と発言したことがありました。昭和の“いじり”は、令和のパワハラ。今の視聴者は、見ていてしんどくなってしまいます。この番組では高田純次さんの適当さでバランスが取れているようですが(笑)、若い視聴者の支持を得るのは厳しいのではないでしょうか」
2位にトリプルスコア以上の差をつけ、圧倒的な1位となったのは宮根誠司がMCを務める『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)。
「宮根の人間性が嫌い」(兵庫県・46歳・女性)
「報道が偏向的で信用できない」(北海道・34歳・男性)
「宮根が偉そうで見たくない」(京都府・46歳・男性)
と、MCに不満が爆発!
「もともと関西ローカルだったこの番組が、'07年に全国ネットに昇格した際は大きな話題となりました。あのころは宮根さんも40代。脂がのってイケイケの時期でしたよね」
MCの高齢化も原因か
関西から“刺客”がやってきた、とばかりに、新たなスターの登場に沸いたのも今は昔。スタッフへの尊大な態度は日常茶飯事で、最近も突然、コメンテーターのデーブ・スペクターを怒鳴りつける事態が発生。年齢を重ねるごとに、傲慢な態度が目立つように。
「とげとげしくて圧があるわりには、政治を鋭く斬るわけでもない。ただただ威張っているだけだから、余計に始末に負えません(笑)」
日本維新の会の要人である、吉村洋文大阪府知事や橋下徹氏とはオトモダチ。問題山積みの大阪・関西万博の話題をスルーするなど、もはや“情報番組”の役割を果たしていない。
10年前と比べ、視聴率も半減。同時間帯では、石井亮次アナウンサーが司会を務める『ゴゴスマ』(TBS系)が急激に人気を伸ばし始めている。
「宮根さんが局アナからフリーになる際に、やしきたかじんさんに後押ししてもらったことは有名な話。たかじんさんだったら今の宮根さんの暴走に苦言を呈すこともできたでしょうが、もう彼を諫められる人は誰もいないのかも」
『ミヤネ屋』をはじめ、視聴者から“NO”を突きつけられた番組に共通するのが、MCの高齢化だ。
「宮根さんは61歳、上沼さんは来月で70歳、ナンチャンも60歳、比較的若い華大さんらも54歳です。番組が始まった10〜20年前と比べ、気の利いた風刺やキレのいいツッコミができなくなるのも当然でしょう。何より、出演者、スタッフなど制作側がマンネリに甘んじているのが視聴者にまで伝わってくるんです」
コンプライアンス違反や炎上を恐れ、変化を嫌うテレビ局。結果、何十年も似たようなメンツで、似たような番組を続ける事態に陥っている。
権力におもねるあまり当たり障りのない報道に終始し、“情報番組”の体を成していないことも大問題だ。フジテレビ騒動を契機に、かつてない転換期を迎えたテレビ業界。これを機に生まれ変わることができるか─。