3月29日に放送された『オールスター感謝祭’25春』(TBS系)で、世間を賑わせたお笑いタレントの江頭2:50(59)の”暴走芸”。江頭の出演パートがTVer配信で“全カット”されたことで、一層世間を騒がせている。
番組後半に登場した江頭は「コンプライアンスぶっ潰すぜ!」と宣言。女優の永野芽郁(25)に狙いを定めると「俺の女になれ!」と叫びながら解答席に座る彼女に近づいた。驚いた永野は、解答席の最上段まで走って逃げ、江頭はMCの今田耕司(59)をはじめとする出演者らに取り抑えられた。しかし、恐怖を感じた永野が涙を拭う姿を見せ、一時的に退席する一幕もあった。
そもそも”暴走”を芸風とする江頭。江頭としては通常営業で”仕事”をしただけとも言える。一方で、今回のセクハラまがいの”笑い”は時代にそぐわない、それをわかっていてキャスティングしたテレビ局に責任があるなど、さまざまな意見が飛び交った。
お笑い評論家のラリー遠田氏に、今回の江頭事件の”炎上”について解説してもらった。江頭の芸風は令和のコンプラでは、タブーなのだろうか?
「江頭さんの芸風が昔はテレビでも認められていたのかというと、別にそんなことはないと思います。もともと江頭さんは頻繁にテレビに出ていたわけではなく、年に何回か一部のバラエティ番組に出ていた程度です。今の時代だから特別にタブー視されているということではありません。
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ただ、江頭さんの持ちネタの中でも、女性に対するセクハラ的な笑いに関しては今の時代には通用しづらくなっているものもあります。今回の件で違和感を持つ視聴者が多かったのはそのためでしょう」
一方で、江頭でなければもっと炎上していたはずだとラリー氏は指摘する。
「これが江頭さんじゃなくて無名の男性中年芸人が同じように暴言を吐いて暴れていたらめちゃくちゃ怖いし、TBSに抗議の電話が殺到して、大炎上していると思うんですよね。今回はそこまでのことにはなっていない。
もちろんセクハラは良くないし、今回に関してはやりすぎだったのではないかと思っている人もいますが、江頭さんは求められた仕事をやっただけだということも多くの人に理解されています」
放送翌日の3月30日、事態を重く受け止めた江頭は自身のYouTubeチャンネルで「永野芽郁ちゃん、傷ついてたらごめんなさい」と頭を下げて謝罪。江頭は「今回のテレビに出るにあたって、ドキドキワクワクさせたいのはあった。ただ、永野芽郁ちゃんには悪かったよ」と反省を見せた。また、台本の存在については否定し、「TBSは悪くない。俺が全部悪い」と改めて自身の非を認めた。
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「ご本人はただ笑わせたい、楽しませたいという思いでやっているだけなので、結果的に嫌な思いをする人がいたのであれば謝りたいというお気持ちはわかりますし、誠実な対応だと思います。江頭さんの態度からは本心で反省していることが伝わってきました」
ラリー氏は、今回の件は江頭の今後のテレビ出演に影響を与えないのではないかと推測する。
「あくまで個人的な意見ですが、今回の件は話題にはなっているものの、そこまで”炎上”しているとは思っていません。多くの人に注目されて、否定的な意見がたくさん出てくるのが本来の”炎上”だと思うのですが、江頭さんを完全な悪者として頭ごなしに批判するような意見は割合としてそこまで多くない気がします。
ご本人はすでに謝罪をしていますし、そもそも江頭さんは”実はいい人”というイメージがすでに浸透しているので、問答無用でバッシングされるような事態にもなっていません。今回のことで江頭さんをテレビで起用しづらくなるということはないと思います。
江頭さん自身は、自分の判断でやったことだから全面的に自分が悪いとおっしゃっていますが、番組内で起こったトラブルの責任は彼を起用したTBSにあります。TBSもそれを理解しているからこそ、TVerで該当シーンをカットして配信していますし、視聴者と出演者に向けた謝罪コメントを発表しています。これで出演者の誰も損をしない形で幕引きができたのではないでしょうか」
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