なにわ男子・長尾謙杜、ファンとの“約束”に信念 劇場映画初主演作品の主人公に共感【インタビュー】

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2025年04月02日 07:00  ORICON NEWS

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映画『おいしくて泣くとき』に主演する長尾謙杜 (C)2025映画「おいしくて泣くとき」製作委員会
 7人組グループ・なにわ男子の長尾謙杜(22)が劇場映画初主演する『おいしくて泣くとき』が4月4日に公開される。高校生同士の淡い恋心と切ない運命、父と子、親子の関係や子ども食堂など多面的なメッセージを盛り込んだ今作。座長を務めた撮影現場を振り返りながら、「自分がやらせていただくからこそいいものにしたい」と心に決めた主人公・心也役への思いを明かした。

【写真】さ、爽やか〜!にこやかな笑顔をみせた長尾謙杜

 作家・森沢明夫氏が“人を純粋に想う優しさ”をまっすぐに描いた同名小説を原作に映画化。初恋、友情、突然の別れ…その30年後に別れの秘密が明かされる、一生に一度の切ないラブストーリーとなる。

 ケガで部活動を休んでいる心也(長尾)と、部活に入っていない夕花(當真あみ)。放課後に時間がある2人は、クラスメイトたちから学級新聞の係を任される。最初はぎくしゃくしていた2人だったが、次第に打ち解けていき、2人だけで「ひま部」を結成。幼い頃に母親を亡くした心也と、家庭に秘密を抱えた夕花、孤独を感じていた2人の距離は、ひま部の秘密基地である図書室で次第に縮まっていくが…。

■リアリティーを求めナチュラルに演じた高校生役 制服姿は「まだいけるな」

――原作や台本を読んだときの感想を教えてください。

最初はタイトルにびっくりしました。「(おいしくて泣くのは)どんなときなんだろう」という簡単な疑問から始まり、読んでみると切なさもありながら、どこかあたたかさが散りばめられた作品だと感じました。心也を中心にいろいろな愛があふれていて、いろいろな矢印が向いている。夕花と心也の一途なラブストーリーだけでは終わらない、多面性のある内容になったと思います。

――當真あみさんやスタッフさんと積極的にコミュニケーションをとっていたとお聞きしましたが、そこにはやはり座長としての自覚があったのでしょうか。

あまり座長だからといってこれまでと大きく違ったことはしていないですが、現場を引っ張っていくのは僕には向いてないかなと思っていて、僕より年齢も経験も上のスタッフさんや共演者のみなさんがいらっしゃる中で僕は一歩前というかみんなで横一列になり、力をお借りしながら作品を良いものにできたらいいなと思っていました。毎日の撮影をある程度の緊張感は持ちつつも楽しく笑いながらできたら、と思っていたので作品づくりには真摯に向き合いながら撮影できたかなと思います。

――スタッフさんにはインスタントカメラの差し入れをするなど工夫もされたそうですね。

僕たちはメイキングの方が写真を撮ってくれて目に見える形で残りますけど、スタッフさんにもまた別の形として、僕たちと一緒にという形が思い出に残ったらいいなと思いました。スタッフさん同士はもちろん、僕たちとも一緒に写真を撮って、なにか映画とは別に楽しかった思い出として、最終的にすてきなアルバムが出来上がりました。現像してアルバムをスタッフさんがまとめてくれて…それを見返すだけで撮影期間がよみがえるようなアルバムになりました。僕がスタッフさんを撮ることもありました。僕たちはそこまで多く映っていないですが、そこにしかないものがあるんじゃないかな。

――今作で演じられた心也は高校生ですが役作りで難しかったことはありますか。

僕と心也は年齢差があって「学生役か。学生に見えるかな」と、お相手の當真さんが現役の学生さんなので並んだ時に大丈夫かなという不安はありましたが、作品の軸になってくるのが心也だし、この中なら心也が一番観客の目線に近い存在なのかな、と思ったのであえて色をつけずに、リアリティーある等身大の心也でいようと思いました。

――そのために口調や目線、仕草などの意識をしましたか。

特別目立つわけでも元気なわけでもない青年。心の動きの表現を大切にしながら、大きなアクションはあまりしないようにしました。あとは『室町無頼』の撮影後で体を大きくしていたのでもとに戻しつつ、お酒を飲まないようにしました。体が大きすぎると、なんか学生っぽくないじゃないですか(笑)。日常から学生っぽい生活をしようと思って…。それは苦しくはなかったので、2、3ヶ月はお酒を抜いて学生っぽい生活を送りました。撮影は朝早いのでそこも学生っぽさはありました。

――実際に学生服を着てみた感想はいかがでしたか。

まだいけるなと思っちゃった(笑)。

――お似合いでした。

観ていただける方に(當真さんの)同級生に見えたらいいなと思いました。

―― 高校生で好きな相手に「守る」と言い切るようなピュアで一途なラブストーリーを観て、長尾さん自身はどう受け取りましたか。

心也としては覚悟がいる行動だったと思うし、この年齢だから言えたこと。そして、この年齢だからこそできた行動。今の僕らの年齢で逃避行することは難しいし、違う手段を考えちゃいそう。心也は責任をもってやった行動だけど、ある意味の無責任さもあって、高校生の心也だからこそできたこと。カッコいいなと思います。行動に移せたことも言ったことも、30年間その想いを大切にするのもカッコいい。でも心也と夕花のその30年前の愛情は本当に「好き」「守りたい」という気持ちがあってこそですが、30年かけて変わっていき、守ってあげたいという気持ちがありつつも、幸せにどこかで過ごしていたらいいな、大丈夫かなという気持ちに変わっていった。単純なラブストーリーだけではないこの作品の良さが、そこからも垣間見えるのかなと思います。

■大人時代を演じたディーン・フジオカに「似てる」の声に恐縮 普段ファンからの「お餅」呼びに不満?

――ディーンさんが長尾さんの大人役を演じられていることでも話題となっています。

すごいですよね。心也としても長尾謙杜としても良い成長を遂げたんだなと思います。長尾謙杜としてはイケメンに育ったな、良い年の取り方をしたなと、恐れ多いですけど。母親に話したら『良い成長をしているね、そうなってくれたらいいなぁ』と言っていました(笑)。あのくらいイケメンになれるように頑張ります。

――完成作品を観て、自分と似てるところや共通するところは発見しましたか。

いやいや、似てるなんて恐れ多くて言えないですよ。僕は先に撮影をしていて僕の撮影終盤くらいにディーンさんが撮影に入られたので、撮影中には会うこともディーンさんのシーンを見ることもかなわなかったのですが、少し意識してくれたのかなと思いました。

――ディーンさんのパートにつながるのを観ていかがでしたか。

リンクしていたらいいなと。自分が演じた心也が過ごした期間は大人になった心也にとっても大切な思い出で、大切な人だからこそ30年想っているわけだから、僕が演じるときも夕花に出会って逃避行に出て…この期間を大切にしないとディーンさんの演じてくれるものにもつながらないし。良いパスを出そうと思いました。若いときの心也を大切に演じたので、それを受け取っていただいて、良いつながり方ができていたらいいな。

――試写会を観た人からは「似ている」との声もよく聞きました。

そんなことないですよ。恐れ多い。ディーンさんファンのみなさんから怒られちゃうかも(笑)。そう言っていただけるだけで幸せなこと。僕のファンの方とかは「お餅に似てる」とか言うんですもん…お餅ってなんやねん!真っ白やんか!ディーンさんに似てるって言われるほうが100倍うれしいです(笑)。正月に餅をみて「これ、俺?」って思いましたもん!(笑)

――お父さん役の安田顕さんとなにか撮影中にお話はできましたか。

他愛もない話をたくさんさせていただきました。安田さんは、常にどしっとしたお父さんとして現場にもいてくださって。2人のシーンも電話のシーンもそうですけど、高校生ならではの親とのぎこちなさもそうですし、お父さんへの愛やそれを感じる心也だったりを表現できたのかな。

――安田さんのお芝居から引き出されるものはあったのでしょうか。

安田さんとの親子のシーンも監督と話し合いながら作ることができたので、良いシーンになったのかなと。先輩である安田さんとお芝居をしてひとつのシーンを作ることができたことは、自分にとっても良い経験になったなと思います。

――安田さん演じるお父さんから受け継がれるバター醤油焼うどんがおいしそうで印象的でした。長尾さんのなかで「もう一度食べたいもの」や「忘れられない味」はありますか。

毎年お正月におばあちゃん家に行くんですけど、おばあちゃんの作るお雑煮が大好き。毎年楽しみにしてます。おばあちゃんの家に集まるのは多分1年に1回しかなくて、その時におばあちゃんが作ってくれるお雑煮が大好き。それは思い出の味かもしれないです。白味噌で作っていて、それを毎年楽しみにしています。山芋?里芋?が入ってたり、人参が入っていたり。至ってシンプルなんですけどおいしいです。丸餅も焼いてから入れてます。

――とてもおいしそうで気になります。バター醤油焼うどんは撮影でも食べられていましたがいかがですか。

すごくおいしいですし、フードコーディネーターさんが考えて作ってくださり、小さい子にも愛される味になっています。僕や大人の方が食べてもおいしいものになってたかな。余ったものはスタッフさん含め昼休憩で一緒に『おいしい』と食べていました。おかかが口について大変でしたけど(笑)。

■プライベートではAぇ! group小島健と“ひま部”を結成?「3日連続で会っている」

――作中では心也の父のセリフで「人の幸せってのは、自分の意思で判断しながら生きてるかどうかだ」とありましたが、長尾さん自身が自分の意思で決めて良かった、と思うことはありますか。

できるだけ自分で判断しながら生きようと思ってきたので、この事務所に入ったこともそうですし、何かをするにあたっても自分で決めるようにはしています。他の人の意見も柔軟に取り入れながら、最終的に決めるのは自分。最終的な部分を自分は大切にしてきました。

――ではこのお父さんのセリフもしっくりくるものがあった。

しっくりきましたね。だからといって流れに逆らうとかもないですが、良いひとつの考えだと思いました。

――仕事の上でも共感できる部分はある。

そうですね。自分がやるからこその意味は大切にしたい。僕がやる心也だからこその意味もどこかにあったらいい。自分がやらせていただくからこそ、いいものにしたいです。

――今回は「約束」もテーマになっていますが、自分のなかで「約束」について決めていることはありますか。

あまり大きな約束は守れなかったら嫌なので、していないかもしれません。心也と同じですね。無理な約束はしていない気がします。ファンのみなさんにも約束することはあります。アジアツアーでは台北やソウル、香港のファンの方に「絶対に帰って来る」と約束しました。帰ってきたいと思っているし、そのために努力をしようと思ってるからこそ約束できること。だから大きな約束だとは思っていなくて、約束したことは大切に、実現できるように頑張ろうと思います。

――では最近したポップな約束はありますか。

こじけん(小島健)とご飯の約束です。この前も3日連続で会っているんですけど…でもこじけんとの約束は大切にしていないかもしれないです(笑)。あやふやにしています。絶対に行くんですけど「19時くらいにこのへんに集合」にしておいて、19時で断定しない。そうするとその時間に絶対に行かないといけなくなるので…(笑)。その前後で…いや前はないですね。だいたい後(笑)。こじけんも僕も遅刻し合ってます。マイルドな約束はこじけんとします。

――3日連続はすごいですね。

焼き肉を食べてボウリングして。何してるんやろ?って(笑)。中華を食べにいって2人で喫茶店に行って…毎日こじけんと会ってます。

――長尾さんのプライベートの“ひま部”は小島さんなんですね。

そうですね、こじけんが“ひま部”です(笑)。

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