NHK大阪、稲垣吾郎のナレーター起用理由を説明「出演者の魅力を際立たせる」 3日放送の新たな福祉番組

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2025年04月02日 07:00  ORICON NEWS

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4月3日放送『toi-toi』より(C)NHK
 NHK Eテレで3日から「問い」をキーワードにした福祉番組『toi-toi』(毎週木曜 後8:00)がスタート。これに先立ち、制作に携わったNHK大阪放送局のスタッフが取材に応じた。

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 3月13日に放送終了した『バリバラ』枠の後番組で、ある人が心の奥底に抱いてきた「問い」を、みんなで考えてみようという新しい福祉番組となる。「問い」を立てた主人公が、多様な視点をもった人たちと「問い」を探求する。さらにロケでは、主人公が自身とは異なる分野で活躍する意外な人物と対話。スタジオでは、難病、知的障害、依存症、LGBTQなど、さまざまなマイノリティーの出演者と、本音でクロストーク。多様な視点で「問い」を深めていく。ナレーションは俳優・歌手の稲垣吾郎。

 制作統括の久保暢之氏は、稲垣をナレーションに起用した理由について「透明感があり、どこかの色にあまり偏らないという印象がある。稲垣さんのキャラクターや声には、どこにでも寄り添える雰囲気があると感じている。すごく多様で濃い出演者の中で、フラットな透明感のある稲垣さんのキャラクターや声が、出演者の魅力を際立たせるにはぴったり」と説明した。

 NHK大阪ではこれまでも、福祉や人権についての番組制作に力を入れてきた。初回放送のディレクターを務めた加藤寛貴氏は「ずっと当事者視点で情報発信していくことを大事にしてきた。その伝統を引き継ぎ、障害があったり、マイノリティー性のある人と一緒に作っていった」とし、番組立ち上げ前から出演者たちと共に方向性などを話し合って番組を作り上げていたと言う。

 多様性のある社会を目指すバリアフリーバラエティーをうたった『バリバラ』との違いにも言及。加藤氏は「共通点は、マイノリティー当事者の視点。番組は当事者の声を伝える器であるという意識。バラエティー的な作り方の『バリバラ』に対して、『toi-toi』はドキュメンタリー的な作り方になっている」と語った。

 番組のスタジオパートは対話形式でありつつ、進行役を置かないスタイル。久保氏は、当事者への取材のなかで「メディアの人は、自分たちがほしい答えを求めてくる」という意見が寄せられたことを回想。「そんなふうに感じているんだなと思い、それをやめようと思った。その結果、司会者を置いたり、カンペを出したりせずに、出演する当事者の皆さんに、言いたいことや伝えたいことを委ねることにした」と経緯を話した。また出演者の要望を受け、話しやすい距離感のセットにするなどの工夫も施されている。

 初回のテーマは「“見た目”に自信ありますか?」。アルビノの当事者がミックスルーツの若者、薬物依存症の人、20年ぶりに髪を染めたスーパー店長など多様な人たちとの対話で「問い」を探求する。10日放送回のテーマは「あなたは“信用”されていますか?」。

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