
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、平成元年(1989年)、平成とともに生まれたのがエプソンのマメカラでした。音声多重のカラオケカセットテープの再生機とスピーカー、そしてマイクが一体化して電池稼働。片手で持って歌えるという画期的な商品です。
マメカラが人気すぎて類似のハンディカラオケが他社から多数発売されたという話を以前しましたが、さらなる進化が起きていました。それがデュエット機能です。
デュエットとは、カラオケでふたりが一緒に歌う文化。異性で行なうことが多く、対話するように交互にかけ合って歌うデュエットソングがヒットし、昭和・平成カラオケの定番でした。
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普通のカラオケ機器ではマイクを2本つないで歌えばいいだけですが、マメカラはひとり用なので2台用意しなくてはなりません。......そんな重要文化に対応したのがツインバードの「デュエットステージ」シリーズです。
こちらは、ふたつのマイク部分がYの字に開き、デュエットするふたりが体を寄せ合うような構造。ただ、寄せ合うのがNGなシーンを考慮してなのか、実際には取り外して有線でも歌えるようになっています。
ほかにもデュエットステージシリーズは平成のお茶の間もにぎわせました。95年にコーネリアスがシングル『MOON WALK』を200円のカセットで発売した際、歌番組で「デュエットステージU」の黒をボーカルマイクにしたのです。
さらには『進め!電波少年』において松本明子さんがPLOのアラファト議長と『てんとう虫のサンバ』をダジャレでデュエットするため、パレスチナに乗り込んだ際に使ったのが同機種の白バージョンでした。
そして、他社からも有線ケーブル式の小型マイクを追加して、デュエット可能にしたハンディカラオケが登場します。本家であるマメカラにおいても、小さいマメカラの形をしたかわいいデュエットマイクが誕生しました。
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撮影/榊 智朗