名門一家の20歳、マックス・マクレーがラリー2昇格。サインツも開幕緊急参戦へ/ERC

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2025年04月03日 19:10  AUTOSPORT web

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4月4〜6日にスペインのアンダルシア地方で開催される開幕戦を目前にして、ラリー界の“帝王”ことカルロス・サインツが母国イベントでのERC電撃復帰を表明
 直近の2シーズンはERCヨーロッパ・ラリー選手権のジュニア部門で腕を磨き、学習と進歩を続けてきた弱冠20歳のマックス・マクレーが、今季2025年より晴れて最高峰クラスに昇格。ハンガリーを拠点とするTRTラリーチームに残留しつつ、国際ラリーの階段を上るべく、プジョー208・ラリー4からシトロエンC3ラリー2に乗り換え、ERC1登録で来月5月の『ラリー・ハンガリー』より最高峰クラスでのシーズンを開始する。

 アリスター・マクレーの息子で、ジミー・マクレーの孫であり、言わずと知れた故コリン・マクレーの甥でもある名門一家出身の新鋭は、今季もBRCイギリス・ラリー選手権と並行して欧州選手権でのプログラムを継続する。

「どんなに忙しい一年になるだろうと楽しみにしているし、本当にワクワクしている」と、昨季までジュニアERCで履いていたハンコックから、インド製のMRFタイヤを使用するスコットランド出身のマックス。

「ジュニアから(総合での)ERCにステップアップするうえで、僕自身は本当に準備ができていると感じる。昨シーズンは素晴らしかったが、BRCでドライブしている(四輪駆動の)ラリー2カーから、ジュニアERCでの(前輪駆動の)ラリー4カテゴリーに切り替えるのはかなり大変だった。でも今はすべてのイベントにラリー2カーで出場できる。同じクルマ(駆動方式)に一貫して乗れる機会は、経験を積むことと、その成果を活かすのに役立つはずさ」

 そんなマックスはERCでのハンガリー戦に先立ち、コドライバーのキャメロン・フェアとともに、かの有名な“キルダーの森”を舞台に4月12日に開催されるBRCイベント『キルダー・カーライル・ステージス』に出場する。

「加えて2025年シーズンはTRTも引き続き参加してくれる。彼らは素晴らしいよ。クルマやすべてのことに一生懸命取り組んでいるし、昨年と同じエンジニアやメカニックが周りにいて、本当に馴染みのある顔ぶれが揃っているのは素晴らしいニュースだ。僕自身、一貫性を保つためにも良いことだよね」

 先日、オーストラリアはシドニーで初開催された第33回『レース・オブ・チャンピオンズ(RoC)』に出場する予定だったマックスだが、先月イングランド北部で行われた『イースト・ライディング・ステージス・ラリー』でトップ6を走行中に手を負傷。治療と療養を経て次戦のBRCまでには「完全に回復する予定」だという。

「僕がベイル(牧草や干し草のロール)に激突した際、ステアリングから手が外れた。それでホイールが回転したとき、スポークの1本が手に当たったんだ。骨折したと思ったよ」と説明したマックス。

「でも幸いにして骨折ではなく、靭帯損傷と骨の打撲があった。医師と相談して治療し、次の『キルダー・カーライル・ステージス』ではもう大丈夫さ。もちろん、怪我は今季の良いスタートとは言えないが、シトロエンでの最初のイベントで見せたペースは本当に強力だった」

「スピンがあったにもかかわらず、SS1では4番目に速かった。C3ラリー2での最初のステージでは最速だったかもしれないね。だからキルダー・カーライル・ステージスの高速ステージでグラベル(未舗装路)のマイレージを稼げれば、ハンガリーの前にこのクルマとセットアップ、そしてMRFタイヤを理解する良い機会になる」

「ハンガリーは楽しみにしているイベントのひとつだ。2024年はそこでジュニアERC部門で優勝したからね。そこで良い経験と自信、そしてERCでうまくやっていくために必要な知識を得ることができたんだ」


■カルロス・サインツが電撃参戦!

 同じくBRCのトップランナーであるジェームス・ウイリアムズは、マックスよりひと足早く2025年の開幕戦『第42階ラリー・シエラ・モレナ』で、ERCのスターたちと再度対戦するチャンスを得る。

 昨季の『JDSマシナリー・ラリー・ケレディジョン』のSS3では、ERC連覇を果たした王者ヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2)を破り、最速タイムをマークして話題を呼んだウイリアムズは、続くステージで大破するクラッシュに見舞われたものの、ERCレギュラー陣にそのスピードを印象づけた。

 そんな27歳は引き続きヒョンデi20 Nラリー2のステアリングを握るが、マックスと同じくインドのメーカーから招集を受け、今季はチームMRFタイヤからエントリーする。

「今週スペインに向かうことができて、とてもうれしく思っている。ヨーロッパ選手権は現在もっとも競争の激しいラリーシリーズだし、招集されて最高の選手たちと対戦する機会を得られたことは、MRFタイヤとすべてのパートナーに心から感謝している」と語ったウェールズ出身のウイリアムズ。

「プレッシャーは感じていない。それはいいことだ。だから僕の計画は、学び、集中して自分のやりたいことをやり、MRFのために最善を尽くすこと。9月に僕の地元で開催されるセレディジョンには大きな期待を抱いているが、今のところは期待を妥当なレベルに設定し、スペインでの新しいイベントで主流の仲間入りができるかどうかを見極める必要がある」と続けたウイリアムズ。

「ERCとBRCが混在する忙しい時期だけど、これだけのシートタイムを得ることはドライバーにとって夢のようなものさ。だから国内でタイトル獲得の戦績をまとめるべく、このクルマで2戦の強力なイベントに参戦し、そこでの好成績を期待している。そして、できれば僕のヨーロッパでの冒険のいくつかを人々に知ってもらいたいね」

 同じく4月4〜6日にスペインのアンダルシア地方で開催される開幕戦を目前にして、ラリー界の“帝王”ことカルロス・サインツが母国イベントでのERC電撃復帰を表明。同シリーズに最後に出場してから36年が経つ62歳のサインツは、現在FIA W2RC世界ラリーレイド選手権でドライブするフォード・ラプターT1+から、同じくMスポーツ製のフォード・フィエスタ・ラリー2に乗り換え、ジョン・アームストロングのチームメイトを務める。

 通算24回のERC出場で7勝を挙げた後、WRC世界ラリー選手権でのタイトル2冠と26回の優勝という傑出したキャリアを築いたレジェンドだが、この衝撃の復帰は1回限りのカムバックになると予想される。

 ERCの選手権マネージャーを務めるイアン・キャンベルも「“キング”カルロスをERCに迎えることができてうれしく思う。この素晴らしいニュースがもたらされ、4月1日を祝うのにこれ以上の方法はない」と大歓迎の意を示した。

「ロジスティクスと管理上の課題はいくつかあったが、史上最高のラリードライバーのひとりと称される男が、2025年のERC開幕ラウンドに出場してくれることで、すべてが報われるだろう。週末のチームメイトであるジョン・アームストロングを含め、ERCの激しい競争で彼がどう活躍するか興味がある。何よりも、彼の幸運を祈っている」

 そのサインツは、2025年に新たに開始される50歳以上のドライバーを対象としたFIAマスターERC選手権にも登録しており、この部門には元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンもエントリーしている。

[オートスポーツweb 2025年04月03日]

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