リール動画のキャプチャ画像 2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(39歳・以前は小林悠として活動)。
TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
第28回となる本記事では、最近Instagramにアップした“ある動画”のまさかの反響についてつづります(以下、アンヌさんの寄稿)。
◆自由気ままに投稿していたInstagram
私のInstagramはものすごくたくさんのフォロワーさんがいる訳ではないのですが、個人的にインスタやThreadsといったSNSは大好きなので、更新は比較的頻繁にするようにしています。
SNS運用をされている人の中にはいわゆるバズりを目的にして、緻密に計算しつくされたスケジュールでリール(Instagram上のショート動画)をアップする方などもいらっしゃるよう。
私個人は自分勝手に気ままに、好きなことを好きなタイミングで投稿していましたが、とうとう先日、あるリールがちょっとしたバズりを起こしてしまい、目を白黒させているところです。
その内容というのが……10秒にも満たないものなのですが、カラスが私に懐いてしまい、家の中についてこようとしてきて、私とカラスで謎の会話をしているという、本当に本当に他愛もない内容のもの。
最初はごく軽い気持ちでストーリーズ(24時間で自動的に消えるもの)に動画をアップしたのですが、それを見たセンス抜群の友人が、これはすごいことだから、ぜひ記事にしたほうがいいと熱心に勧めてくれたのです。
◆カラスの動画がまさかの12万回再生
ちなみにその友人はマスコミ関係者。カラストピックスというのは、テレビでもなぜかすごく視聴率が取れたり、ラジオで話せば多くの方からの反響がある話題なのだと教えてくれたのです。
そんなに凄いことなら……と、ごく軽い気持ちで、その短い動画をリールとしてアップし直したところ、まさかの12万回再生。え! こんなことあるんですね……。
これ、どういうことかといいますと、昨年北海道に拠点を移して以来、私はずっとカラスに対してまあまあ親切にすることを心がけていたのです。
いったい何を言ってるんじゃという感じかもしれませんが、我が家の目の前はご近所のゴミをまとめて出すゴミステーション(ゴミ集積所)。
私の父は、何かあったときのゴミの片付けや清掃などをおこなう「ゴミ当番」なる立場なのです。
ゴミ捨て場と切っても切れない存在なのがカラスたち。特に燃えるゴミの日などはカラスが朝から騒ぎ、隙を見てはゴミ袋をついばみ、中の生ゴミを盛大に散らかして食べ荒らしては去っていく……なんてことがよくあるわけです。
私も父も、それだけは避けたいということで、燃えるゴミの収集日はゴミ捨て場にまあまあ目を光らせるようにしていました。
◆カラスに極めて論理的に話しかけた
ある日、我がゴミステーションに一羽のカラスが陣取っているのを見つけた私。とにかく冷静に冷静に近づいていきました。
そして、
「あなたたちに危害を加えるつもりはない。ただ散らかされるのは本当に勘弁だからちょっと荒らすのはやめて欲しい」
というようなことを極めて論理的に話しかけたのです。これは折を見ては続くやり取りとなりました。
端から見れば、怪しさ満点ですが、カラスは非常に頭の良い動物。
私はかつてミドリガメを飼育したことがありますが、亀もかなり頭がよく、根気よく話しかけたり、親切にしていれば、驚くほど懐くことを身をもって知っています。
その経験から、カラスに対しても威嚇をしたり、怒ったりは絶対にせずに、とことん親切に付き合うように意識していたのでした。
◆親切にしていたカラスとサシで会話
あれから一年。
先日愛犬のゴールデンレトリバーの散歩を終えて、家の中に入ろうとしたところ、一羽のカラスがシュッと私の真横に舞い降りて、じっと私の顔を見つめてきたのです。
何やら言いたい様子。巣作りの時期ではありますが、もしかしたら私が持っていた愛犬のおやつを欲しがっていたのかもしれません。
なあに? と試しに話しかけてみましたら、カアカア、と会話するように返事をし、どんどん近づいてくるのです。
愛犬は「変な奴が近づいてきた!」と興奮マックス。愛犬をとりあえず室内にいれて、数分間サシでカラスとの会話を楽しんだ私。
そのごくごく数秒間を動画にしたところ、なぜか12万回以上再生された……という流れになったのでした。
◆生き物が生き物を攻撃するのは理由がある
まさかまさか、こんな何気ない日常のヒトコマがバズりを見せるだなんて……。実は札幌のカラスというのは、なぜか特殊な可愛らしさがあるようで、なんと北海道新聞社からは「札幌のカラス」という人気シリーズが出版されており、現在パート3まで出ているほど。
カラスには怖いイメージしかない人もいるでしょう。例えば子育ての時期にはカラスも自分たちの身を守ることに精一杯になるので、人間が不用意に攻撃などをすれば、それはカラスとしてもかなり神経質になってしまうことはありますね。
生き物が生き物を攻撃するのは必ず理由があるのです。深いですね。これは人間同士にも言えることかも。
なんてことを考えたりした、カラスとのある日常。いったい全体、何がバズるかわからない世の中です。
<文/アンヌ遙香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道生まれ。お茶の水女子大学大学院修了。2010年、TBSに入社。情報番組『朝ズバッ!』、『報道特集』、『たまむすび』などを担当。2016年退社後、現在は故郷札幌を拠点に、MC、コメンテーター、モデルとして活動中。文筆業にも力を入れている。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne