
【写真】広瀬アリス、渡辺翔太ら教師役の7人が「言いたくても言えないこと」を告白 制作発表の様子
オークラが脚本を手がける本作は、無職生活を脱却するためになんとなく高校教師になった主人公・麗美静(広瀬)が、問題児ぞろいの生徒たちの事情に巻き込まれ、したくもない“説教”をしなければならない状況に追い込まれ、悪戦苦闘するさまを描く学校エンターテインメント。
会見が行われたのは、広瀬演じる国語教師・静が担任を務める名新学園2年10組の教室セット。普段は緊張感のある説教シーンの舞台となる場所だが、この日ばかりは個性豊かな名新学園の教師たちを演じるキャスト陣により、和気あいあいとした雰囲気で会見がスタートした。
それぞれの役どころについて、主演の広瀬は「静は内に秘めている人間なので、なかなか表情には出さないんですけど、言い始めたら止まらない。日々台本を読んで、今は文字がずっと頭の中にある感じです。気合は十分なので、引き続き撮影を頑張っていきます」と、見どころとなる説教シーンへの意気込みを語った。また、役づくりでヘアスタイルを大きくイメージチェンジしたことについて「バッサリ切りました。“どんぐり”とか“こけし”とよく言われるんですけど(笑)、気に入ってます」と、笑顔を見せた。
生徒思いだが空回りしがちな数学教師・浦見光を演じる渡辺翔太は「浦見は熱血教師で明るくて、めちゃくちゃ天然だったりといろんな要素があって、自分にとって新しい役柄です。コメディを演じるのは、すごく難しいということを体感して勉強しながらやらせてもらっています」と、新たな役どころに臨んでいる現在の心境を語った。
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学年主任の世界史教師・大口美幸を演じる野呂佳代は「生徒にも先生にも厳しく接する先生なんですけど、人間くさいところもあるので、そこがうまく伝わったらいいなと」「私と小手さんのシーンとかを見てプププって思ってもらえたら嬉しいです」と、真面目なだけではない、別の一面も持つ役柄への思いを。
権力に弱く出世欲が強い名新学園教頭の新庄保を演じる小手伸也は「学園もので教頭のポジションといえば、主人公と敵対するヒールになることが定番。今回演じる新庄も静をあまり心よく思ってはいないので、視聴者の皆さんに嫌われたら本望です」と、憎まれ役も辞さないと意気込む。
影が薄く、あまり人と関わらない政治経済教師・森口櫂を演じる伊藤淳史は「話したいことはたくさんあるんですけど…良い先生なのか、あるいは先生なのかどうなのかみたいなところなので、言えないことがすごく多いんです」と、ニヤリ。現時点では謎の多い今後のキーパーソンとなる役柄であることを匂わせた。
静の母・叶子(堀内敬子)の親友で名新学園校長の加護京子を演じる木村佳乃は、日本テレビのドラマでは1998年放送の『世紀末の詩』で新米教師を演じ、今回は校長役。「いきなり出世したなと思います(笑)。当時20代だったんですけど、学校の先生ってすごいなと思いながら授業のシーンをやっていたのを、昨日のことのように思い出します」と、27年前の思い出を語った。
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広瀬が挙げたのは「渡辺さんの口癖」。「渡辺さんは、ことあるごとに『すみません』と言うんです。毎回『すみませんって言わなくていいですよ』と言っていたんですけど、『すみません』1回につき渡辺さんから10円を払ってもらうことにしまして(笑)。今120円くらい貯まっていて、最後にはそれでみんなにおごってもらおうかなと」と、笑いを交えながら現場でのエピソードを披露した。
渡辺は「デビューする前はよく叱られていたので、謝るのが口癖になっちゃって。褒められてもなんかすみません、僕なんかが…みたいな気持ちにどうしてもなっちゃって。それを『言わなくていいよ』って言ってもらえて、心が晴れました。言われるまでは気付かなかったんですけど、今はちょっと意識していて、本当に人生変わりました(笑)」と、広瀬のお蔭で意識改革に成功?
続いて渡辺は、“言いたくても言えないこと”として「トイレ行っていいですか?」という意外な回答を。「現場とか打ち合わせ中に『トイレ行っていいですか?』と言って、もし僕がトイレに行っている間にみんなを待たせることになったら嫌だなと思って、いいタイミングまで我慢しようと。たまに我慢して冷や汗かいている時もあります。本当にトイレが近いので…」と、渡辺は謙虚な性格をうかがわせる理由を明かした。
それを聞いた広瀬は「全然行っていいんですよ! このことを大々的に記事にしていただいて、皆さんに気づいてもらいましょう」と提案。渡辺は「確かに、これをきっかけにトイレが近い人だという認識を皆さんに持ってもらえれば、過ごしやすくなるかもしれない」と、納得していた。
野呂は、今回の撮影で“NG事項”ができたことを明かした。口にあんこを付けたままセリフを言うというシーンの撮影時、しばらく撮影が進んでから、結局あんこを取ることになったものの、その夜、あんこのついていた位置に吹き出物ができてしまったそうで「私、お仕事でNGってあまりないんですけど、今後はあんこを付けての長時間の撮影はNGにしちゃうかも(笑)」と。
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伊藤は、ドラマのクランクイン前にキャスト陣が行う本読み(台本の読み合わせ)がいまだに恥ずかしいと告白。スタッフや関係者に囲まれて座ったまま、テンションの高い芝居をするのが苦手なのだとか。すると、木村が「27年前の『世紀末の詩』の本読みの時、すごく緊張して(共演者の)山崎努さんのセリフを読んでしまったことがありまして。山崎さんに『それ、俺の』って言われました」という最強エピソードを披露し、一同大爆笑。伊藤も「よかった、佳乃さんにもそういうことがあるんですね」とほっとした様子。
木村は、最近短歌を趣味として始めたことを明かし「ただ、なかなか難しくてスランプになっていて、人に言いにくくて。いつか皆さまに披露できたら」と。「クランクアップの時に一首披露するのはどうですか?」という小手からの提案に「言うんじゃなかった…(笑)」と照れ笑いを見せた。
最後に小手からは、現場でのキャスト同士の呼び方について“言いたくても言えないこと”を。この現場では、「アリスと呼んでほしい」という座長・広瀬たっての希望で、キャスト陣は下の名前で呼び合う約束になっているとのこと。とはいえ、下の名前で呼ぶのが恥ずかしいという小手は「アリスがいない所のシーンでは『小手さん』『野呂さん』と呼び合っています」と、少しためらいがちに告白した。
「いま『伸也さん』って呼ばれたりしてるんですけど、あんまりしっくり来てなくて…」という小手に、「なかなか下の名前で呼ばれることってないので、私はうれしいですね」と木村。それを受けて広瀬が「私は『佳乃さん』って呼んでます」というと、「私は“佳乃ちゃん”がいい」というリクエスト。一同は驚くなか、「わたし、“佳乃ちゃん”って呼びます!」と広瀬が応えると木村も「嬉しい〜!」とにっこり。
教師を演じる7人のキャストの仲の良さがうかがえるやり取りが続くなか、最後に、広瀬が「今はとても便利な世の中になっているけど、言いたいことが言えなかったり、うまく伝わらなかったり、とても生きづらいなと思うことが多いと思います。その中で私が演じる麗美静が説教という形で、みんなが言いたかったこと、みんなが声を大にして言いたかったことを伝えてくれる作品になっています。学園ものではあるんですけど、大人の方も見てスッキリするドラマになっています。皆さんぜひ楽しみにしていただければ」と挨拶。大いに盛り上がった会見を締めくくった。
なお、制作発表会見の様子は「日テレドラマ公式Youtube」で公開中。
ドラマ『なんで私が神説教』は、日本テレビ系にて4月12日より毎週土曜21時放送。