北米3大ナショナルシリーズを運営するNASCARは、新設されたコミッショナーの役職に現会長のスティーブ・フェルプスを任命した 北米3大ナショナルシリーズを運営するNASCARは、新設されたコミッショナーの役職に現会長のスティーブ・フェルプスを任命し、その後任にスティーブ・オドネルを充てる人事を発表。20年間このスポーツに携わってきたフェルプスが、改めてNASCARとIMSAのあらゆる側面を監督するとともに、さらなる国際展開に向け重点を置くことを表明した。
「スティーブ・フェルプスをNASCARの初代コミッショナーに任命できることを大変うれしく思っている。彼のリーダーシップ、プロ意識、そしてスポーツ業界全体から得ている当然の尊敬は、彼がこのスポーツにもたらす独自の価値を物語っている」と、NASCAR会長兼CEOのジム・フランスも新コミッショナーのフェルプスに期待を寄せる。
「フェルプスとオドネルのふたりは、合わせて50年以上の専門知識を有し、ともに今後何年にもわたってファン、チーム、利害関係者に奉仕し続ける、大胆なレース革新への多大な専門知識や安定性、そしてコミットメントをもたらしてくれるだろう」
そのフェルプスは、NASCARの戦略的成長と国際的拡大に特に重点を置くスポーツのすべての機能を率いることになり、先のフランスー家や副会長のレサ・フランス・ケネディ、そしてオーナー陣らと直接の協力体制を敷く。ただしNASCARの声明では、IMSA側でのフェルプスの新たな責任の範囲については詳しく述べられていない。
「5歳のとき父に初めてレースに連れて行ってもらって以降、ずっと愛してきたスポーツであるNASCARが、スポーツ界で最も素晴らしい瞬間を創り出すべく、新しいファン、競技者、パートナーを迎え入れ、成長し続けるよう導く次のステップを踏み出せることを、私としても大変光栄に思っている」と挨拶したフェルプス。
「ファンに対する揺るぎない献身、安定したリーダーシップ、そして何よりも80年近く前に始まったストックカーレースの運営に関し、フランス一家の功績にはいくら感謝してもし切れない。このスポーツはまさに偉大なアメリカのビジネスストーリーのひとつであり、私はその伝統を、とくにその明るい未来の一部として継続できることも栄誉に感じているんだ」
そして2018年以来、その職を担ってきたフェルプスを引き継ぎNASCAR史上6人目の会長となるオドネルは、主軸の3大ナショナルシリーズを筆頭に、コマーシャル部門やメディア、トラック運営、国際展開、地元および草の根の資産の日常的なリーダーシップの役割を担う。
「NASCARでの30年間で、私は全米のトラックでレースファンの情熱に最も刺激を受けてきた。素晴らしい設備を誇る新しい会場と、NASCARの名高い歴史のなかで最高のレースを紹介する革新的で魅力的なコンテンツを通じ、私たちのスポーツをファンに届けるお手伝いができたのは名誉なことだった」と続けたオドネル。
「スポーツとエンターテイメントを密接に近づけ、キャンプなどのアクティビティと、このスポーツでの最も没入感あるファン体験を融合させた『バケットリスト』イベントの作成において、私たちは世界最高だと信じている。その使命を継続し、チームやパートナーとのコラボレーションとイノベーションをさらに発展させ、世界中のスポーツファンに最高のレースをお届けできることを意気に感じるし、その使命を全うするつもりだ」
オドネルの職務には、新設された『NASCAR Production Facility(プロダクション・ファシリティ)』からのスポーツコンテンツ制作と配信への投資を監督することも含まれており、数百万ドル規模を投じたこの施設は、2023年に竣工、2024年にオープンしている。
「私たちにとって最も重要なことは、業界とのコラボレーションに向けて引き続き急いでいることだ」と、声明を受けNASCARの公式ポッドキャストで語った新コミッショナーのフェルプス。
「私たちが所有していないレーストラックについて話している場合でも、チームについて話している場合でも、ドライバーについて話している場合でも、私たちがひとつにまとまることが重要なんだ。そして、私たちは団体として自分たちを所有していないため、競争上は不利な立場にある。私たちはリーグではなからね」
「しかし私の意見では、リーグのように行動すればするほど、すべての利害関係者にとって良いことが起きる。会社としてのNASCARだけでなく、スポーツとしてのNASCARも、私たちは離れているより一緒にいる方が強くなるからだ。だから私にとって、それが私の仕事で最も重要なことになると考えている」
[オートスポーツweb 2025年04月04日]