『仮面ライダーガヴ』に出演する(左から)宮部のぞみ、日野友輔、知念英和、庄司浩平 (C)2024 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映 衝撃の展開が続く『仮面ライダーガヴ』。そんな物語に欠かせないアクセントとなっているのが俳優の庄司浩平(25)演じるラキア・アマルガ/仮面ライダーヴラム。登場時は、ラーゲ9というコードネームで暗躍するストマック社のバイトとしてショウマ/仮面ライダーガヴ(演:知念英和)、辛木田絆斗/仮面ライダーヴァレン(演:日野友輔)と敵対した。しかし、今では、甘根幸果(演:宮部のぞみ)から「ラキアン」と呼ばれながら何でも屋「はぴぱれ」でバイトし、第26話では浩二くんと触れ合ったことで主食が石のラキアもプリンをおいしく食した。振り幅の大きいキャラクターを演じる庄司にORICON NEWSがインタビュー。『魔進戦隊キラメイジャー』のクリスタリア宝路/キラメイシルバーでデビューした庄司が再び戻ってきた東映特撮の世界での話など、さまざまな秘話を聞いた。
【画像】『仮面ライダーガヴ』新章のビジュアル■『仮面ライダーガヴ』出演の反響 初めての『超英雄祭』のステージで万感の思い
――出演の反響を教えてください。
【庄司】よく遊ぶご家族に、お子さんがいて。仮面ライダーに出る前から遊んでた子なんですけど、変身した次の回ぐらいに「プリン!プリン!」とか「だるい!だるい!」と僕に言うようになって(笑)。僕自身は、あまりSNSの反響を見ないんですけど、そういった子どもの生の声や、体を見てもらっているトレーナーさんが地元のサッカークラブでも教えていて、そこで「『仮面ライダーヴラムのお兄ちゃんと友だちなんだよ』と言ったら、みんながうらやましがってる」といった話を聞いて、5年前も『キラメイジャー』で特撮は経験しましたけど、改めて子どもたちに対するポジティブな影響があるなと感じています。きっとそれは大人のファンの方々だったり、親御さんになって特撮をまた見るようになった方々だったりが、すごくドラマとして楽しめる作品になっているからでもあるなと感じています。
――『キラメイジャー』のメンバーからの反響は?
【庄司】大治小夜/キラメイピンクだった工藤美桜が初変身したタイミングで「変身激アツだったんだけど!!!」とプリンの絵文字付きでポストしてくれて。僕のポストした投稿よりもリポスト数が伸びてて「ちっ」と思いました(笑)。それは冗談として、やっぱりみんなポジティブに「よかったね」と言ってくれてるし、当時やっていたクリスタリア宝路という役が三枚目で。僕の舵の切り方によっては二枚目キャラにできたのかもしれないですけど、結果としては三枚目の陽気なおじさんになったキャラクターがいた一方で、今回は今のところはめちゃくちゃカッコいいキャラで!その髪型やビジュアルも含めて、「クールなキャラクターでいいね」と言ってくれています。
――ラキアのシーンで水石亜飛夢さんが演じた押切時雨の映画も公開中でしたね!
【庄司】僕が出るシーンで流れるというのは亜飛夢くんにもサプライズだったみたいで!台本には「映画館で人を襲う」と書いてあるだけで。撮影時は数日前に会ったばかりで「最近、見た人だ!」みたいな(笑)。青天の霹靂でしたけど、ああいったファンサービスはありがたいですよね。
――そういえば、2月に行われた『超英雄祭』ではクリスタリア宝路役で、ついにステージの上に立てましたね。
【庄司】『仮面ライダーゼロワン』と『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の『超英雄祭』で、僕以外の5人はお披露目的な形でステージに出ていました。『キラメイジャー』の時はコロナ禍で中止になっていて…。だから、めちゃくちゃ緊張したんですよ。人前に立つ機会や何か挑戦しないといけない時は、自分なりにできるだけ準備をして挑むようにしているんで、それがある意味安心材料になって。だから普段は大して緊張しないんです。『超英雄祭』に関して、僕は歌唱がなかったからリハーサルもないし当日ぶっつけ本番で「庄司さん!」と別で呼ばれて、アクターさんと「魔進戦隊キラメイジャー」を歌う大西洋平さんと打ち合わせをして「このタイミングで出てきて、ポーズを取って一言ください」だけで。流れの中でやるので準備のしようがなくて(笑)。しかも、絶対に信じられないぐらい盛り上がることがわかっていて…。役者としても、庄司浩平個人としても1万7000人ぐらいの前に立ったこともないし、しゃべったこともない。どんなことになるのか恐ろしいぐらいの中で、実際に時間になったら足ガクガクで。もう行くしかないって思って出たら地面が揺れるぐらいの歓声が来て!4年前は『ファイナルライブツアー』もコロナ禍の影響で一部公演が無観客になり、Gロッソのヒーローショーで1ヶ月半・83公演をやった時もお客さんは客席の半分以下にしなくてはいけない決まりがあった。お客さんがパンパンにいる状況をあまり見たことがなくて。2021年の『超英雄祭』があったかもしれない時に「こんなことはないだろうから目に焼き付けとこう」と思っていたけどできなくて。今回、その機会があって、目に焼き付けておこうと思った景色は、想像をはるかに超えるすごく素晴らしい形だったのは感慨深いです。
――仮面ライダーの変身はいかがでしたか?
【庄司】僕個人としてはワクワクしていました。当時はラーゲ9というキャラクターが何を考えているかわからなくて、話の流れ上でニエルブに作ってもらったものを取引的に渡されて「戦え」という命令の下で変身した。だから、ノリノリで変身するのは絶対に違うと思いました。ショウマの仮面ライダーガヴへの変身は手順が多いというか。ベルトを見せて、ゴチゾウをセットして閉じて、ぐるぐるレバーを回して、押す、という4段階あるんですけど、ヴラムの場合はゴチゾウを乗せたら、あとレバーを下に下げるだけ。手順が少ないことがポジティブでもあり、どう時間を埋めていくかが難しくて。アクション監督の藤田慧さんと話してて「別に何もしなくてもいいんじゃないですか?」と。そうか、何もしなくても別にいいのか、と。せめてワンアクションでも、と髪の毛をくるくるするのが加わった形です。
――印象的な髪くるくるは、そういったところからだったんですね。
【庄司】僕と藤田さん、あとスーツアクターの永徳さんと3人での話し合いです。要素がいくつかあるじゃないですか。プリンがモチーフの仮面ライダーになる、元の姿はクラゲに似ている、グラニュートである、とか。どれを取るか、となった時に、クラゲっぽさを取りたかった。その時の柴崎貴行監督(※崎=たつざき)に「ゆらゆらクラゲのように体を揺らすみたいなことはしないで」と言われたので、ゆらゆら感をどこで表そうと思った時に、髪の毛がちょうどウェーブだったので、それでいけるんじゃないか、と。あと、だるそうなのが目に見えてわかる。子ども向け番組なので目に見えてわかる方がいいと思って、そうなりました。
――ちなみにキラメイシルバーの時は?
【庄司】スーパー戦隊の時の変身ポーズは、変身した後に動くじゃないですか。変身した後に「つらぬきシャイニング!キラメイシルバー!」は(キラメイシルバーのスーツアクターだった)高田(将司)さんがやるところで。その前に、僕がどうやってチェンジャーを回すか、というところでした。みんながキラメイチェンジャーを縦方向に回していたので、「宝路は横方向にしようか」ぐらいでした。あの時はアクション監督の福沢博文さんが2、3パターン考えてきてくれて「どれがいい?」と選ぶ感じでした。今回は、自由創作度がありましたが、いい形で受け入れていただけましたね。
■作品に途中参加する難しさ 変身ポーズの変化で心境を表現
――プリンの変身エフェクトが人気ですけど、初めて見た時の感想は?
【庄司】最初にダークライダーとして出てきた時も、きっと食べ物としてのおいしそうなエフェクトはきっと変わらないと思っていました。すくうシーンで、プリンの質感みたいなのが表現されていて!ちょっとかためなんだろうなと思いました(笑)。朝の9時から子どもたち、見ている方のお腹が空くようなエフェクトでいいなと思いました。僕個人としては、最初にカップの中にポンと入って、そこの中にいるラキアが「変身」と言う。カップの中だから声が少しくぐもって編集されていて。芸が細かいなと思って、とてもお気に入りです。
――後から加わる難しさもあると思います。『キラメイジャー』でも追加戦士という立場でしたが違いはありましたか?
【庄司】『キラメイジャー』の時は何も知らなかった、という強みがありました。デビュー作だったので、現場に途中から入るということよりは仕事をするという体験自体が僕にとっては初めてだったので。前例があるから、緊張すると思っているんです。やったことがあるから、うまくいかなかった、という現象が起こる。要は比較する対象があるから、前に比べてうまくいく、うまくいかない、がある。『キラメイジャー』の時は何も知らなかったし、役者という職業に僕は偶然ありがたい機会をいただいただけだったので猪突猛進ができたんです。俳優に憧れがあったわけでもなかったので恥じらいもないし、おかしいとかもわからない。だから途中参加という感じでもなかったんです。だから『仮面ライダーガヴ』の方が緊張しました。途中参加という意識もちゃんとあるし、事前情報でほかの子たちは僕より若いというのも入ってきて(笑)。プロデューサーさんも「まぁ、庄司くんはやってるからね」みたいな感じがあって(笑)。そこは不安でしたけど、みんないい子たちだったので僕がオープンマインドになってあげることが、きっと彼らへのヘルプになるだろうと思いました。キャラクターはクールにしてますけど、庄司自身はオープンマインドを心がけました。
――そんなことがあったとは。
【庄司】準備する時間も、そこまで多く取れなくて。『君とゆきて咲く 〜新選組青春録〜』という作品を京都で撮影していて。東京に帰ってきて割と間をあけずに決まって、すぐに撮影でした。髪の毛も変えないといけなくて、そっちでえらい時間がかかって。ラーゲ9の情報も、あまり多くなかったんです。やりながら組み立てていきましたね。
――ラキアという役が固まったのは、いつぐらいですか?
【庄司】22話、23話ぐらいで迷いがなくなりました。けっこう時間かかりました。20話までは名前が「ラキア・アマルガ」と明かされてなかったり、過去を語るまで自分の背景は見せなかったり。人間に対する向き合い方の部分で、どのスタンスでいればいいかっていうのが自分の中で固まっていなかったんです。特撮作品は、撮影しながら次の台本が上がってくるので、「こうに違いない!」と思って芝居を作った結果、全く違う答えになった時にしんどい。永徳さん含め、齟齬(そご)が生まれないように、ある幅の中でやるようにしよう、とずっと言っていました。ラキアの心象が変わるシーンがあって、そこの台本をいただいた時に「ここを目がけてやればいいんだ」となりました。
――今後のラキアはどうなっていきますか?
【庄司】第26話からラキアの変身ポーズが変わったんです。それまでは彼自身に人間界で戦う強い理由がなかった。要は弟のコメルにつながるきっかけを探すために手術を受けて仮面ライダーになって、ショウマも利害が一致するから共闘していた。その中で、仮面ライダーとして戦う理由を1つ自分の中で見つけた。それまでは髪の毛をくるくるしていたところを、耳に掛けるように変わりました。本当にそれだけの違いなんですけど、人間界だったり、もしかしたら人間に対する向き合い方だったりが、ラキアの中で1つ変わった瞬間だった。人間への向き合い方は変わったけど、大前提はコメルの復讐であって、そこに対してどうアプローチするのかをラキアとしては楽しみにしていただきたいです。『仮面ライダーガヴ』という番組全体で言えば、1つの区切りがついて、また新しい展開が待っているところです。今も盛り上がっている『仮面ライダーガヴ』がさらに盛り上がるんじゃないかなと僕自身とても楽しみにしています。