
【写真】安達祐実、相武紗季、磯山さやかの美しさに衝撃! インタビュー撮り下ろしショット(9枚)
■インパクト大のタイトルに「え、なんで?」
――親友役ですが、さきほどから本当に仲が良さそうです。
安達:昨日、初めて3人のシーンを撮ったばかりなんです。初対面で会って3分で何でも話せるようになりました。
磯山:本当になんでも話してくれますよね。
相武:なんか2人とも受け入れてくれる感がすごいんです。
安達:うん、何言っても大丈夫だと思う。
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安達:ちなみに誰でも話すわけじゃないですよ。一応、人は選んでます(笑)。
磯山:よかった、選ばれた(笑)。
安達:どうしよう怖い人たちだったら、って思っていたんですけど(笑)。
相武:あはは!(笑)
安達:受け入れてくれそうだし、分かってくれそうな予感がしました。
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相武:タイトルを見たときはひるみました(笑)。そこから原作の小説(著:丸山正樹)を読ませていただいて面白いなって。ただ、サスペンスでドロドロすぎたらどう演じようとも感じたんですけど、その面白さが、よりポップに、人が演じる面白さになった脚本になっていました。男性は、題名から「見たくない」とひるむかもしれません。たしかに耳が痛いと思うシーンもたくさんあるかもしれませんけど、男性側が逆襲するシーンも結構あるので、夫婦で見ても楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。
磯山:タイトルだけ聞いたときは、「え、なんで?」と思いました。だって『夫よ、死んでくれないか』って。なんで死んでほしいのか知りたいなというのが、まず最初の印象でした。脚本を読んだら、どんどん読み進めていっちゃう内容で、いろんな展開が起きるし、個々の家庭も、とても面白いといったらあれなんですけど(笑)、リアルでありつつ面白いので、続きがめちゃくちゃ楽しみになる作品だと思いました。
安達:これは演じがいがありそうだなというのはすごく思いましたね。このタイトルで面白くないわけがない。そそられる感じがありました。脚本は、ひとつのことが落ち着きそうになると、また次の新たな展開があって、たとえば夜に3話まで台本を読んで寝ようと思っても、次の話を読みたくなる感じでした。撮影が始まり、役者さんたちの手にかかるとまた予想外の面白さがあって、見ている方たちにも楽しんでもらえるドラマになりそうな予感がしています。
■女性がキャリアを築いていく大変さはよく分かる
――それぞれのキャラクターについて教えてください。自身との共感ポイントも。
磯山:友里香は不思議な感じです。一見、いそうな感じなんですけど、演じている私も考えていることがよく分からなくなるくらい不思議なキャラクターを目指しています。なんでこの人は麻矢や璃子と仲良しなんだろうと、正直思うんですけど(笑)、昔を振り返ると「そうなんだ」と思う場面も出てくるので、ギャップが面白く生まれるように演じたいと思っています。友里香は子どものいる専業主婦で、その部分は私はまだ経験したことがないところですが、強く言われると何も言えなくなるとか、この場が収まるなら、自分を出さずに相手に合わせようとするところなんかは共感できます。
安達:私は3人の中で一番ノーマルなキャラクターだと思います。旦那さんたち(竹財輝之助/甲本光博役、高橋光臣/加賀美弘毅役、塚本高史/榊哲也役)も癖が強いので、普通の人が1人いてくれてよかったみたいな(笑)。ただ麻矢も仕事のキャリアとか、妻としてとか、いろいろ悩みながら生きています。結婚しているけれど、子どもはいなくて、でもたぶん夫は子どもを望んでいた。その行き違いが尾を引いていくことになるのですが、麻矢がいつ爆発するのかというところを面白がりながら見てもらえたら楽しいかなと思います。私も実際に結婚の経験もあるし、女性が子育てをしながら働くことの難しさに直面する機会もたくさんあるので、そこの気持ちはすごく分かります。
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――少しだけ脚本を読ませていただきました、コメディに感じる要素はなかった気がしましたが…。
安達:読んだだけではあの感じは分からないかもしれません。
相武:私も分からなかったですよ(苦笑)。本読みしたら見方が変わっちゃって、面白いしかないです。
安達:息遣いだけであんなに。
相武:璃子の旦那さんを演じる高橋さんの演技力がすごすぎるんです。これ成り立つのかなって思っていたんですけど、高橋さんがやると面白くて。普通は夫が束縛しているような力関係のときって奥さんが臆病になりそうなのに、加賀美家の場合は、璃子は内心はビクビクしてるのに、「はあ?」とかって強そうなんです。それで周りには実情が全然分からない。すべては高橋さんのおかげです。
磯山:なんか優しいから羨ましくなっちゃいますもん。まあ、結局、他人の家だから(笑)。
安達:最初はちょっと気持ち悪いかもと思うのに、途中から「頑張れ」って応援したくなっちゃうもんね。よくも悪くもとびきり愛されてるから。
――麻矢と友里香の旦那さんはいかがですか? 演じた竹財さん、塚本さんの印象も含めて。
安達:脚本の段階では、「悪いのは夫だから」みたいな感じに読めなくもなかったんです。だけど、実際に顔を合わせてみると、「自分にも悪いところがあったんじゃないかな」と思っちゃうんですよ。竹財さんが浮き草みたいな雰囲気っていうか。すこし浮いてるんじゃないかなっていう感じで(笑)。ふわっとしていて、いたいけな小動物みたいなんです。だから怒り切れないというか、憎み切れないというか。感情が一層複雑になる感じがして、とても助かっています。
磯山:うちの夫は、ほんっと嫌なヤツです。
安達:あはは!
相武:うん、言っていいと思う。
磯山:演じていて本当にフツフツと怒りが湧いてくるので、ありがたいです。塚本さんは本当に圧がすごい。言葉の圧、強みがすごいんです。声のボリュームとかトーンとか含めて。リアルに驚いちゃって、こちらの行動や言葉が止まってしまうくらいです。空気をスンっとさせるので、さすがだなと思っています。でも、そこもギャップがある感じのストーリー展開になっていくんです。
相武:あれってどっちが本当の性格なんですかね。
安達:もともとはあのギャップのあるほうだったんじゃない?
磯山:え、私がモラハラ夫にさせたの?
安達:(笑)。その可能性はあるよ。
相武:ダメ男製造機みたいな。
磯山:私が?(笑)
■日頃の小さなうっぷんも晴らせるドラマ
――今回、大学時代からの親友ということで、回想シーンもありますね。
相武:楽しみ。2人の学生時代、早く見たい。
安達:恐ろしさしか感じてないんですけど、でも大学でよかったですよ。中学とかだったら大変。
相武:見たい!
安達:そこまで行ってくれれば、振り切れる? いまは技術の進歩もあるし(笑)。
――回想シーンも楽しみにしています。最後にあらためて、放送に向けてひと言お願いします。
安達:作品としては、もちろんドラマチックに作っています。でも旦那さんに対して「死んでくれ」とまでは思わないとしても、ちょっとしたイライラとかうまくいかなさとか、悩みを抱えている人は多いと思います。他人の家庭を垣間見て「わかるな」と思ったり、すっきりしてもらえる場面も出てくると思うので、共感と爽快感と、あと慰められているみたいな気持ちになる瞬間もあるドラマかなと思います。
相武:自分の家庭のことがちっぽけだと思えるくらいドラマチックなほうが、現実っぽいんだけど非現実として見ることができて、すっきりするんじゃないかなと思いますし、特に今回のドラマは、観終わったあと「どう思った?」とか「どういうこと?」とか話してほしいです。その人の状況によって理解できたり全然分からなかったりあると思うんですけど、自分のことを話さなくても、ドラマの話をしながら自分の問題を消化できたりもすると思うので、そういう楽しみ方もあるのかなと。
磯山:本当にすっきりすると思います。「ちょっと、あの人ねん挫すればいいのに」とか「ちょっと、お腹壊せばいいのに」とかって誰しもちょっと思っちゃうときって、あるじゃないですか。
安達&相武:あはは! わかる、わかる(笑)。
磯山:その「わかる」感じを、ドラマの中で言ってくれている感覚になれると思うので。
相武:そしたら大成功ですよね。
安達:たしかに。
(取材・文:望月ふみ 写真:小川遼)
ドラマ『夫よ、死んでくれないか』は、テレ東系にて4月7日より毎週月曜23時6分放送。