『6回目のひな誕祭』 撮影:上山陽介 アイドルグループ・日向坂46が、5日・6日の2日間にわたり横浜スタジアムにて『6回目のひな誕祭』を開催した。6日にはグループ結成当初からキャプテンを務めた一期生・佐々木久美の卒業セレモニーが行われた。
【ライブ写真56点】一期生が奇跡の集結!2日間で全曲披露した伝説のライブ 同ライブは、日向坂46のデビュー日である3月27日を節目として開催されてきたグループのメモリアルライブで、今回で6回目。そして今回は、グループとしては初めての試みとなる、日向坂46名義の楽曲を2日間かけて全曲(102曲)披露し、けやき坂46時代の楽曲も合わせて2日間で計114曲をパフォーマンス。両日4時間を超えるライブとなることが告知されていたが、2日目は5時間にせまるライブ時間となり、2日間で合計9時間以上にも及んだ。
佐々木の卒業セレモニーは、“立てこもり事件”をオマージュした茶番劇から始まった。2017年開催の『欅坂46 デビュー1周年記念ライブ』の当日に起きた事件で、一期生メンバーが本来ライブ本番に発表されるはずだった『二期生メンバーオーディション』の開催を本番前に知ってしまい、ショックを受けて部屋にこもってボイコットしようとしたというもの。
ライブ会場のビジョンに楽屋の様子が映し出され、久美はメンバーの呼びかけを無視し立てこもる。そこで小坂菜緒が会場のファンに助けを求め、全員で「久美さん!」と呼んでもらうことで何とか部屋から出てもらうことに成功。すると、久美は『オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム』での若林正恭の登場シーンを彷彿(ほうふつ)とさせる自転車&ユニフォーム姿で現れ、ママチャリでアリーナを爆走した。
「ライブまだまだ終わらせねーぞー!」と叫び、そのまま「ひらがなで恋したい」へ。ほかのメンバーが呼びかける中、ようやくステージに上った久美は、振り付け通りに河田陽菜を豪快に振り回す場面も。
そして、四期生曲「夕陽Dance」、三期生曲「青春ポップコーン」、二期生曲「恋した魚は空を飛ぶ」を久美が後輩たちに混じってパフォーマンス。誰よりも元気にステージを飛び跳ね、体力モンスターぶりを見せつけた。最後は全員で一期生曲「ハロウィンのカボチャが割れた」を披露した。
ここでメンバーがステージを降り、VTRへ。けやき坂46の最終オーディションで、久美が「ひらながけやきにかける思いは、ここにいる誰にも負けない気持ちでここに来ました」と語る映像から始まり、9年間の活動の折々に嬉し涙や悔し涙を流してきた様子が流れた。そして、真っ白なドレスに着替えた久美がついにステージに登場。マイク1本で、用意してきた言葉ではなく、今この場での気持ちを語った。
「私は今がいっちばん幸せです。こんなにたくさんの方が駆けつけてくれて、配信でも見てくださってる方がいて、こんな幸せはもう、一生越えることはないと自信を持って言えます。こんなに幸せな時間を本当に、ありがとうございます。伝わったかな、みんなに、気持ち。泣いちゃうかなって思ったけど、気持ちが強すぎて、強いまなざしでしゃべってしまいました。ふふ。ほんとに約9年間、日向坂46として、けやき坂46として活動できた時間、一生の宝ものです。みなさん、今まで本当に本当に、ありがとうございました」
久美が語り終えたところで、メンバーたちがそれぞれ花を持ってステージに出てくる。そして、全メンバーから久美への感謝の思いが伝えられた。それを受けた久美は、メンバーの方を向いて「私はみんなのことほんとに大好きだし、みんななら絶対にもっともっと上に行けるって信じているから。大事な日向坂46、これからもずっとずっと楽しく、活動していってください」と改めてメッセージを送った。
さらに、「未来虹、前に来てください」と高橋を呼び出すと、「ほんとに聞いてない」と動転する高橋に、日向坂46のロゴのバッジを着けて「これからはあなたが日向坂46のキャプテンとして、日向坂46を守っていってください」とサプライズでキャプテン継承式が行われた。高橋は驚きの涙を流しながらも、「(グループに入ってから)5、6年やってきて、見てきた久美さんの背中っていうのは、私の中に深く刻まれているので、その姿を思い出しつつ。でも久美さんは、あなたらしくねって言葉をくれたので、私らしいやり方を、メンバーみんなに助けてもらいながら見つけていきたいなって思います。これからも付いてきてくださると嬉しいです、よろしくお願いします」と決意を語った。
しんみりした時間が続いた後で、久美が「最後は、楽しく終わりたいんですよ!泣いてる暇ないんですよ!」「笑って、いくぞー!」と気勢を上げ、「誰よりも高く跳べ!2020」へ。曲中の久美の力強いあおりとともに、結成初期から歌い継がれてきた曲だ。イントロでは、久美の持ちネタ「後頭部が遅れてくる人」をメンバー全員で再現しながら、スタジアムが揺れるような歓声とともにパフォーマンスした。最後の「おひさまラスト、跳べー!」という久美の絶叫は、間違いなくこの日一番の盛り上がりを記録した。最後にステージから去ってく際には、左手を突き上げ堂々とした背中を見せていた。