カイル・ラーソンとHendrick Motorsports(ヘンドリック・モータースポーツ/HMS)が、2025年も“ダブル”に向けたマシンカラーリングを披露 今季2025年のNASCARカップシリーズでも、シーズン序盤で早々の勝利を飾っているカイル・ラーソンとヘンドリック・モータースポーツ(HMS)は、5月25日にシャーロットで開催されるカップ第13戦『コカ・コーラ600』と、北米最高峰シングルシーター、NTTインディカー・シリーズ第6戦『第109回インディアナポリス500マイルレース』の、いわゆる“ダブル”に向けたマシンカラーリングを披露した。
2024年に続き同日開催の“インディ・シャーロット”に挑むラーソンは、チームが『#Hendrick1100』と銘打つ挑戦に際し、改めてヘンドリック/アロウ・マクラーレン・シボレーDW12の17号車と、普段の愛機であるシボレー・カマロZL1の5号車に「Amazon Prime Video(アマゾン・プライムビデオ)」のロゴを添付することも発表。同部門はラーソンの2年間のインディ・シャーロット遠征を記録したドキュメンタリー映像も製作中だ。
昨季の初挑戦でインディアナポリスのスタートを遅らせた悪天候は、ラーソンの“ダブル完遂”の夢を妨害することになり、ヘリ移動をもってしてもシャーロットのスタート時刻には到底間に合わず。ラーソンがようやくピットパドックに着陸して5号車に乗り込む準備をしていたとき、トラック上では悪天候による赤旗が掲出された。
来月にもふたたびメモリアル・デイ(戦没将兵追悼記念日)・ウイークエンドのダブルヘッダーに挑戦するラーソンにとっても、ある意味では初めてダブルに挑戦していることになり、今回こそ実際に両方のレースを走ることを望んでいる。
「本来の意味でのダブルはできなかったし、できなかったからこそやった気がしないんだ」と2025年仕様の2台を発表した際に改めて振り返ったラーソン。
「だから、そうだな……昨年の今頃と同じくらい興奮しているよ。そのおかげでね(笑)。あの『インディ500』を走れたのは本当に最高だったし、いつか『インディ500』を走ったことを知りながら埋葬されるのはうれしいが、できれば両方をやり遂げたいんだ」
昨季この1100マイルの“ダブル”に挑戦した5人目のドライバーに名を連ねたラーソンだが、それを達成したトニー・スチュワート、ジョン・アンドレッティ、ロビー・ゴードン、カート・ブッシュのうち、スチュワートはインディアナポリスで6位、シャーロットで3位と、2001年に両方のレースを完走した唯一のドライバーとなっている。
「それが去年やった理由さ。両方で完走したかったんだ」と続けたラーソン。
「昨年、僕がとてもガッカリしたのは、それができなかったからだと思う。今年はすべてがうまくいって、それができて、すべてのラップを完走し、両方のレースを走れることを願っている」
そんなラーソンの代役として昨季の『コカ・コーラ600』に出場したジャスティン・オルゲイアーは、幾度もの中断に翻弄されながら最終的に13位を記録。出場ならず完走扱いとならなかったラーソンには、同イベントのポイントと出場記録は付与されなかった。
しかしNASCARは、レースを欠場したにもかかわらずラーソンにプレーオフ資格を維持する特例の免除を与え、このオフ期間にはさらに規約自体を修正して明確化。ドライバーが医学的理由以外で免除された場合、レギュラーシーズン中に獲得したプレーオフポイントをすべて失うこととされた。
この結果、チームとラーソン自身には昨季以上にシャーロットへ期限時刻以内に到着するさらなるプレッシャーが課されることになる。
「去年は、すべてを吸収するうえで本当に良い仕事をしたと思う」とラーソンは語る。
「できる限りすべての要望に応じてサインした。それを受け入れ、経験することが僕にとって重要だと感じたよ。ファンに僕の経験を体験してもらうこと。だから、その点についてはあまり変えたくないんだ」
「カーブデー(決勝前最終プラクティス)は楽しかったし、ピットストップチャレンジも見ることができた。カップのクルーも同じ日に来たから、一緒に過ごせて楽しかった。写真をたくさん撮ったし、ドキュメンタリークルーがずっと僕たちの後を付いて来てくれた。だから、すべてをもう一度体験できるのが楽しみだ」
災い転じて福と為す。すべてが予定どおりに進まずとも、すでにこの経験をしているラーソンは、改めて野望の実現に向け「もう一度挑戦する準備は万端だ」と自信を見せる。
「でも、実際の経験の面で変えたいことは何もないと思う。インディでの数週間と実際のレースを過ごしてきて、レースに向けもっと良いバランスをクルマに求めることはあると思うが、それだけだ。去年はすべてがスムーズに進んだと感じていた。準備はしっかりできていたと思う。ロジスティクスもすべてうまくいった。今年は準備万端で臨めるはずだ」
[オートスポーツweb 2025年04月07日]