
歌舞伎俳優の尾上右近さんが、映画「菊五郎の鏡獅子 4Kデジタル修復版」上映記念スペシャルトークショーに登壇しました。
【写真を見る】【尾上右近】 あこがれの曽祖父・六代目 「菊五郎の鏡獅子」は「役者人生のはじまり」 母方祖父・鶴田浩二作品のリメイクにも意欲
「菊五郎の鏡獅子」は、日本映画界の巨匠・小津安二郎監督が手がけた唯一の記録映画で、尾上右近さんの曽祖父にあたる六代目尾上菊五郎の舞台を映像に収めた大変貴重な作品です。
その中で六代目菊五郎が演じている「春興鏡獅子」は、「劇聖」と謳われた九代目市川團十郎が初演。その九代目團十郎から薫陶を受けた六代目菊五郎が継承した歌舞伎舞踊の大曲です。
右近さんは現在、歌舞伎座 松竹創業百三十周年「四月大歌舞伎」夜の部で「春興鏡獅子」を上演中です。
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3歳の時に祖母の家で初めて「菊五郎の鏡獅子」を観て歌舞伎俳優を志したという右近さんは、“あこがれの象徴という作品。映画に初めて出させていただいた時も、一番感動するシーンを撮影する時には、その日の朝、「鏡獅子」を観て、ここから役者人生が始まったと思ったり、自分の初心を振り返る時は、必ずこの映像を観るんです”と、熱く語りました。
トークショー終了後に取材に応えた右近さんは、“お客さんから(映画が)終わった後に拍手が起きたのが嬉しかったです。小津監督と六代目菊五郎の作品なのに、僕の志のきっかけの作品だから、まるで自分の作品みたいな、おこがましい勘違いしました。「どうですか僕の人生の源ですよ、拍手したくなるでしょう?」みたいな”と、満面の笑顔。
また、3歳の時の記憶について聞かれると、“あれウソです”と、まさかの答え。「ええっ」とどよめく報道陣に“冗談ですよ”と、ちゃめっ気たっぷりに話し、“なんか恥ずかしくなってきちゃって。あんまり「3歳の時からあこがれてるの(演目)やってるんだ」って見られるのもどうなんだろうなと思って”と、照れ隠しの冗談で笑いを誘いました。
そして、“これが終わりじゃないし、一生「鏡獅子」をやり続ける人生の始まりですから”と、キッパリ話し、“「三つ子の魂」というのは自分でも体感することで、環境や先祖に感謝ですし、小津安二郎監督は母方の祖父の鶴田浩二とのご縁もありますから”と、曽祖父の菊五郎のみならず、母方の祖父で銀幕のスターだった鶴田浩二さんと小津監督との縁にも感謝しました。
また、トークショーでは「ぜひ松竹映画の主演映画もやってみたい」という言葉も飛び出し、右近さんは、“歌舞伎はすごく好きなんですよ。それはひたすらやっていきたい。その一環に俳優業があって、祖父の鶴田浩二のリメイクもやりたいなと思いますし、松竹映画で恩返しすることもできたらいいなと思います”と意欲的に語りました。
【担当:芸能情報ステーション】
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