両陛下、鎮魂の祈り=硫黄島遺族ら、慰霊に感謝

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2025年04月07日 22:31  時事通信社

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時事通信社

硫黄島島民平和祈念墓地公園で供花し、拝礼される天皇、皇后両陛下=7日午後、東京都小笠原村(代表撮影)
 日米が激戦を繰り広げた硫黄島(東京都小笠原村)で天皇、皇后両陛下は7日、雨の中、鎮魂の祈りをささげられた。戦後80年の「慰霊の旅」の最初の訪問に、戦没者遺族らからは感謝の言葉が聞かれた。

 地下壕の中で日光や雨水を求めた兵士の心境を想像し、天井に隙間がある設計の「天山慰霊碑」(硫黄島戦没者の碑)。両陛下は白いユリなどの花束を供え、献水し拝礼した。「鎮魂の丘」でも、渇きを訴えた戦没者を悼み、鎮魂の碑に献水した。

 同島での戦没者遺族らでつくる「硫黄島協会」会長の寺本鉄朗さん(80)は、この2カ所で両陛下を出迎えた。天皇陛下からは懇談の際、「だいぶ苦労したんですね」との言葉を掛けられたといい、記者団の取材に「ここまで来ていただいただけでもありがたい」と語った。

 「硫黄島遺族会」事務局長代理の志村高子さん(63)は「皇室で慰霊の気持ちを受け継いでくださっていることに改めて感謝したい」と話した。

 両陛下は旧島民の子孫による団体のメンバーとも面会した。「全国硫黄島島民3世の会」会長の西村怜馬さん(43)に、天皇陛下は「この島はどんな島だったんですか」と質問。島民2世の楠明博さん(65)に、皇后さまは「硫黄島でお母さまはどんな暮らしを」と声を掛けたという。

 両陛下は軍属となり島に残り、犠牲になった島民を慰霊する「硫黄島島民平和祈念墓地公園」も訪れ、供花して深々と拝礼した。上皇ご夫妻が1994年に同島を訪れた際は、公園前で車内からの拝礼だった。今回の両陛下の様子を見た西村さんは「旧島民のことも忘れられていないんだな」と感じたといい、「活動の原動力になれば」と意気込みを語った。 

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