植物の「へその緒」組織を発見=収穫量増など応用期待―名大

5

2025年04月08日 03:31  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

 名古屋大の研究チームは8日、植物が受精後の種子に栄養を供給する「へその緒」に当たる組織を発見したと、米科学誌カレント・バイオロジー電子版に発表した。栄養供給を操作することで、果実や穀物などの収穫量増加への応用も期待される。

 被子植物は、おしべの花粉内にある精細胞が、めしべの胚珠にある卵細胞と中央細胞にそれぞれ受精。卵細胞が胚に、中央細胞が栄養分となる胚乳へと成長して種子となる。種子に栄養が送られるのは受精成功後だが、栄養供給を制御する仕組みはよく分かっていなかった。

 名大の笠原竜四郎特任准教授らは、受精前後の胚珠とその周囲を詳しく観察したところ、受精に失敗した場合には胚珠の外側にカロースと呼ばれる糖の一種がたまり、栄養をブロックしていることが判明。受精に成功すると分解酵素が作られ、カロースを除去して栄養が供給されることが分かった。また、過剰にカロース分解酵素を作るよう遺伝子を操作したイネでは、約9%大きな種子ができた。

 さらに、カロースがたまる部位を詳しく調べると、胚珠と師管(植物が体内で栄養を運ぶ管)がつながる部分に環状の組織があるのが見つかった。この組織が受精後の種子に栄養を供給する「へその緒」となるのと同時に、受精していない場合にはカロースをためて無駄な栄養供給を防いでいることが分かった。 

このニュースに関するつぶやき

  • 笠原竜四郎特任准教授←武士みたいなお名前。でさ、極偶に他とかけ離れてはOきな野菜や果実をみることがあるけど記事にある機序に近似したものなのかな?オイラ、地球くらいの西瓜見たことあるw�ϵ�
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(2件)

ニュース設定