高橋一生主演、沖縄が舞台のクライムサスペンス「1972 渚の螢火」今秋放送

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2025年04月08日 08:01  cinemacafe.net

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「連続ドラマW 1972 渚の螢火」
坂上泉の「渚の螢火」(双葉文庫刊)を高橋一生主演で映像化した「連続ドラマW 1972 渚の螢火」がWOWOWにて今秋放送されることが分かった。

1972年、本土復帰を間近に控えた沖縄で、100万ドルの米ドル札を積んだ現金輸送車が襲われ行方を絶った。円ドル交換が完全な形で遂行できなければ日米外交紛争に発展しかねないと、琉球警察はこれを秘密裏に解決する特別捜査班を編成した。

班長に任命されたのは、警視庁派遣から沖縄に戻ってきた真栄田(高橋一生)。そのほか、同級生でありながら真栄田をライバル視する捜査一課班長・与那覇、そして定年を控えたベテランの玉城をはじめとするたった5人のメンバー。事件解決のタイムリミットは本土復帰まで18日間。捜査を進めるうちに、事態は沖縄財界や地元ギャング、さらには米軍関係者を巻き込み、二転三転していく…。

原作は、「インビジブル」で第23回大藪春彦賞を受賞、さらに同作で第164回直木三十五賞候補となった新鋭・坂上泉が放つクライムサスペンス「渚の螢火」(双葉文庫刊)。

高橋一生が演じる特別捜査班の班長・真栄田太一は、石垣島出身、さらに東京の大学に進学し琉球警察に入署したエリート。沖縄の出身でありながら地元の署員からは「ないちゃー(本土の人間)」と揶揄され、真栄田は自分が何者なのかアイデンティティを問い続ける。本作で高橋は、連続ドラマW作品で初主演を飾る。

監督は平山秀幸で、高橋とは過去に「よい子と遊ぼう」や「連続ドラマW ヒトリシズカ」でタッグを組んだ経験がある。

高橋は本作について、「実話ベースの物語でも娯楽作品として作り上げることはできるのではないかと感じました。僕は、フィクションは徹底してエンタテイメントであるべきだと常々思っているのですが、ただ楽しめるということだけではなく、その物語が深く見ている人にしみ込んでいくということは可能なんじゃないかなと、望みを見出していました」と語る。

さらに、「本作に描かれているのは、忘れてはいけないこと、残していかなければならない歴史的背景だと思います。お芝居を通して、自分自身がこの歴史を学び直すきっかけになりました」とコメント。

演じる真栄田については、「自分がどこで生まれ、自分がどのように社会や風土になじんでいくのか、自分はどうあるべきか、とアイデンティティを問い続けているキャラクターです」とし、同級生でありながら真栄田をライバル視する捜査一課班長・与那覇との関係を「二人は同い年で、真栄田が八重山諸島出身であるのに対し、与那覇は沖縄本島出身。真栄田も熱いが、彼も熱い男で、二人はぶつかり合います。内燃している器官は一緒だけれど、出力の仕方が違うという差異を上手く出せたと思いますので、是非二人の掛け合いにも注目していただければと思います」と語った。

視聴者に対しても「クライムサスペンスとして楽しんでいただける作品」としながらも、「僕は、本作に登場するキャラクターに悪人はおらず、社会に捻じ曲げられてしまった人々の物語として捉えています。どの人物もそうなってしまった理由があり、純粋悪ではなく、風土、国の背景、出自の違いなどで、こんなにも変わってしまうのかということを本作は問いている。そういった点も感じて頂ければと思います」とメッセージを寄せた。

原作者の坂上泉は「半世紀前の米軍占領下の沖縄を実写映像で再現しようとする猛者がいるとは」と驚きを隠せない様子で、「戦後80年、沖縄の本土復帰も半世紀以上前になるなか、不条理と怒りと情熱に満ちた時代を知る人は少なくなりました。その時代を生きた方々への敬意を、小説から映像化を通じて、より多くの皆様にお届けできるのであれば、望外の幸せです」と、映像化へ期待のコメントを寄せている。

「連続ドラマW 1972 渚の螢火」は今秋、WOWOWにて放送(全5話)。




(シネマカフェ編集部)

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